藪漕ぎの楽しみ

【東温アルプス(根無山林道)】(2015年9月2日)

 この計画は、先日、井内峠から“うなめご”へと登った際に途中に眼に入った林道を見付けた事から始まったのだった。帰宅後、ネット検索して判明したのは、林道を利用しての山行が可能な事だった。おまけに、この林道利用は“東温アルプスガイド”にも紹介されていた。しかし、このページにアップするような山行になるとは想定していなかったのだが・・・。

 

 

≪登山口までのアクセス≫

 林道梅ヶ谷永子線を井内峠へと走り、隧道の手前に左へと根無山林道が分かれるが、現在(2015年8月)は林業の作業中のため工事・作業関係車両以外は通行禁止となっていて、鎖がかかっている。自家用車は、手前の林道脇に邪魔にならないように置くのが良いが、大型車の場合は井内隧道南口の広場へ停めるのが賢明だ。また、この林道の入り口、井内の最終民家を過ぎると『久万高原町へ向かう方へ 井内峠を越えて2.1キロ付近で、路肩の崩落により通り抜けできません』との看板が掲げられている。しかし、バイクの人が通り抜けているので二輪車は通行可能なのだろうが、詳しくは役場に問い合わすのが賢明だろう。

 

 

 

 

 井内や上林の峠越えの林道は良く利用する。井内集落の仲屋に差し掛かった時、サイクリングの人を追い抜いたが、外人のようだった。直ぐ前に千葉ナンバーのキャンピングカーも道端に停車した。そして直ぐ先に三名のサイクリストが走っていた。この先は行き止まりの看板があるので、相棒と『何処まで行くんだろう』と首を傾げたのだった。最終の人家を過ぎ、林道から次々に垣間見える滝の水量は見事だった。今日は未だ雨は落ちて来ないが・・。

  

≪根無山林道・登山口へ≫ 

 隧道南口の駐車場所に愛車をデポしたのは11時40分だった。出発準備をしている最中、ポツリと来た。やはり、雨の予感は的中だ。慌ててカッパを羽織り、出発である。隧道を歩いて、根無山林道へと戻る間に先ほどのサイクリストが上がって来た。挨拶を交わすが、日本語は判らないようだった。10分程の歩きで根無山林道の分岐に着いた。

 

 林業の作業が行われているようで、大きな音がしている。鎖のとうせんぼを跨いで林道歩きである。相棒が「地図を持ってきたん」と云う。小生、ここ何年か地図を持たない山行を繰り返していた。地図をもつ山行の計画が出来なかったからだったが、これを機に考え直そうかなぁ〜。

 

 直ぐの沢部に工事事務所があり、安全旗が掲げられていた。伐採された材と重機が置かれていたが、作業の音は林道より右手の、上部の場所から聞こえている。林道は昨日の雨のためか、雨水が流れている。もちろん、車の轍以外の跡、足跡などはは無い。また、すぐ先の開けた場所には『携帯可』の標識が建てられている。

  

 砂利道の真ん中にはセンターラインの替わりに、センター野草が続いている。また道端には野草の花が彩りを加えていた。左手には“道後平野の先端”の川内が望める筈だが、今日はそれも適わない。

  

 12時25分、作業の車を停めている場所に着く、右手から山道へ入るようだが踏み跡が無い。相棒と『少し先まで偵察に行こうか』と歩くが、先ほどの場所が縦走路への入口だろうと決める。ここで小休止である。

 

≪根無山林道登山口から東温アルプス縦走路へ≫ 

 

 踏み跡も定かでなく、何の標識も目印も無いがこの場所が縦走路への路だと確信して、12時40分、林道登山口を出発。背丈を越す笹だが、薄い踏み跡を歩くと直ぐに植林の中へと導かれた。直ぐに尾根から外れるようになったので左手の尾根へと戻ると踏み跡が続いている。それにしても、テープが少ない道だ。皿ヶ嶺あたりの間違いようの無い道のほうが、赤テープの数が多いのはどうしたものだろう。

 

 右手には植林、左手は自然林が続いている尾根の路にはガスが漂っている。やがて前方が自然林となって笹に行く手を阻まれた。相棒が「こっちに踏み跡があるよ」と、左手から声がした。 

 

 13時5分、縦走路に出た。縦走路にも“林道への路”の表示も無く、テープも無かった。これでは『東温アルプスガイド』の案内どおりに“縦走路からのエスケープルート”として歩ける人は少ないだろうし、初めて降りる人は山慣れた人でないと危険だろう。

 

≪樽谷山から梅ヶ谷山へ≫ 

 

  

 遅い昼食の後、13時25分再出発。昼食中に雨足が強まって来たが、直ぐに弱まったり強くなったりの繰り返しである。また、山道はアップダウンを繰り返すが、高度差はさほどでは無い。13時37分、樽谷山に着いた。山頂とは思えない稜線上の突起だろう。写真を撮れば引き返すのみである。展望が利かない場所だし、展望が利く場所でも今日の天候では、それも適わない。

 

 次の目的地は『梅ヶ谷山』である。やがて左手に林道らしき道が垣間見えた。雑草に覆われていて、何年も車が通行した様子が無い。植林の林も間伐の手が入っている場所は陽が射しこんでくるので明るい。一本だけ残されたブナの大木を囲むように植林されているのは何故なのだろうか。 

 

 勾配が増した急坂を一歩一歩、息せき切って上がると、14時6分、行く手に山が現れた。相棒に「あれが、梅ヶ谷山じゃなくて、偽ピークじゃろう」と話しながら歩く。

 

 相変わらず、雨は降ったり止んだりだ。何個もピークがある。やがて、急坂の向こうにポッカリと明かりが見えた。ガスも雨と同様現れたり消えたりだ。先日の石鎚山とは違って、今日は20歩ほどは続けて登れた、雨が降り続いているので地面は濡れているが、それほど滑らない。それに、雨のお蔭で“みみず”は出現するが“蛇”の出現が無いので安心だ。

 

 路の真ん中に大きな木が建っている。老木の幹は空洞になっているが、“どっこい生きている”と主張している。14時半、ピークに着く。ここには何の表示も無いのでただのピークだろう。

大ブナ、稜線上の主だろうか 

 

 ガスの中、少しの降りで上りの路になった。14時37分梅ヶ谷山の反射板のあるピークに着いた。笹に隠れた木製の標識は字の判別は出来ない。

  

 ここで少し休みたいのだが、適当な広場や雨をしのげる場所も無い。少し降りるのだが、路を薔薇が覆っているので歩き難い。合羽にひっかき傷が出来るのも厭わず、強行突破である。

 ピークのすぐ下、来し方が望める場所で小休止の後、14時47分再出発である。降りる、降りる。随分と降りるが作業の音が聞こえて来た。朝方聞こえた例の林業の作業の音だろう。そのまま峠に着くかと思っていたが、またまた登りがあった。突然、リスが路に現れたが直ぐに右手に隠れてしまった。此の辺りのリスは色彩が地味で、写真に撮れたとしても「何が写っとるん」と言われるだけだろう・・などと相棒と話しながら降りる。

  

 少しの登りのあと、降り道になった。相棒が「もう着く云よったのに、未だなん」と、後ろでブツブツ云いながら降りてきているが、15時23分、井内峠に着いた。ここからは先日辿った道、一安心だ。そしてまたまた小休止、ご褒美のコーヒータイムだ。

 

 峠からは、今回も久万側へ降りる。こちらは井内側の路と違って、坦々と歩ける。少し歩くと、林間に愛車が垣間見えた。15時47分、井内峠から10分ほどで駐車場所へ帰り着いた。結局、今日は4時間余りの山歩きだった。

 

【追記】

 先日、奥善神山へ行った際に少々、疑問に思った事を解明すべくページを新設しました。こちらから 

 

  

 ひょっこり登山道に出た時はほんとうにうれしいんじょ! ヽ(^o^)丿 そう言えば大阪へ行っている間に≪東温アルプス≫が整備されていて、2004年11月21日になべちゃん御一行様に偶然会ったのを思い出した。そん時は、井内峠から又登り返しているんやねぇ〜。(^.^) 年はとりたくないもんじょ。