5月
いつもの連休中は大阪から帰省して、あちこち撮影に行ったりしていたのだが、今年は愛媛に落ち着いたので今までと違って、四国から東京に出掛けその後撮影に行く予定だった。ところがGWが近づいても、今年は雪がたくさん降ったりして気候が遅れ、花が咲くのも遅れ、良い撮影被写体が見つからないのでロケハンのみとなった。
里山のタケノコ、小田深山の桜、カタクリ(ほとんど終わりかけ)を見る事が出来た。
7日【白猪谷分岐】
夕方、わいわいさんの実家に行く事になっているので、あまり遠くの山へは行けない。去年の9月1日に白猪谷分岐まで行こうとして藪に阻まれて敗退、9月18日に唐岬の滝休憩所からリベンジを果たしたが、今の時期なら白猪の滝駐車場からでも行けるかもと決めた。
白猪の滝駐車場には一台停まっているのみだった。田に水を引いているのだろう登山口までの道路に沿ってついている用水路が綺麗に掃除されて勢いよく水が流れている。杉の枯れ枝が落ちて詰まっている所があったので少し除けておいた。白猪谷までの植林地帯に山吹の花が咲いていた。
9月に休んだ所で一休みして出発しようとして、男性が一人登って来るのが見えた。前に一度来て途中敗退したとのお話で、ひょっとしてwaiwai隊も敗退した時にこの山日記を見てメールをくれた方がいたので、その方ですか?と聞くと、その時にその方と偶然一緒になった方だとの事で、前後しながら白猪谷の分かれまで登る事になった。
白猪谷を横切ったりしてテープや踏み跡をたよりに歩く。ウドの大木があちこちで切られている。藪が枯れて、9月よりは歩きやすい。
見覚えのある標識を過ぎ、敗退した所まではすぐだった。9月よりは、藪が薄いので迷うことはないが、それでも藪は藪だ。
1時間30分程で白猪谷の分かれに着いた。waiwai隊はここまでだが、途中で会った男性はこの後、白猪峠〜石墨山〜白猪峠〜井内峠〜バス停の予定だそうだ。東京から転勤でこちらに来ているそうで、山へのアクセスは公共機関だそうで、皿ヶ嶺に行く時も、伊予鉄郊外電車を見奈良で下りて歩くそうだ。
帰路の白猪谷でコーヒータイム。
小さな小さなフデリンドウを見つけたり、ヤマシャクヤクの群落を見つけたりとなかなか収穫の多い山歩きだった。
8日【大引割・小引割】
時々、掲示板に書き込んでくれるFalconさんの情報で、アケボノツツジも少しは見れるとの事なので、行き先を決めてなかったので行ってみる事にした。
天狗荘で健脚なら山(天狗の森経由)から往復4、5時間で行けるし、横掛けの道なら途中までチップを敷いていて歩きやすいし、それ程時間がかからないと聞いて、以前に(1998年6月28日)天狗の森までは行っているので、今回は楽な横掛け道を歩く事にした。
入口で木のチップとバケツが用意されていたので、バケツ二個にチップを入れて持って行き、まいて来る事にする。セラピーロードと言う事でチップが足にやさしく歩きやすい。ヒトリシズカ、スミレなど咲いている。フデリンドウの群落もある。昨日の白猪谷のフデリンドウは小さく花は一個だったが、ここのは一株に何個も花がついている。
黒滝山との分岐あたりからずんずん下りていくようになり、これは帰りがしんどそうだな〜と思う。三脚にカメラをセットしたおじさんに出会う。「アケボノは咲いていましたか?」に、「もう終わっていた。黒滝山の方が綺麗に咲いていたと、黒滝山からきた人が言っていたので、そちらに寄ろうと思っている」など情報を仕入れた。しばらく行った所のヒメシャラ並木も気持ちがいい。やがて、大引割・小引割に到着。家族連れがお弁当を食べていた。
おっちゃんがアケボノツツジを見に下りて行ったり、岩の上に登ったりしているが、私は高所恐怖症なのであまり覗きこみもしなかった。高齢の方3人が天狗高原の方からじゃない所から登ってきた。どうも、大渡ダムのほうからで案外楽に来れるらしい。
黒滝山の方にアケボノツツジが良く咲いているらしいのだが、木のチップを入れたバケツを二つ帰りに回収しようとセラピーロードに置いてきているのでピストンとなった。パノラマコースの事か、パロラマコースと書かれてある標識をわざわざ写すおっちゃん。(^^ゞ 今度は天狗の池にも行きたいものだ。帰りに、新しく買ったカメラのフイルムが余ったので、井内の棚田を写して帰った。
14日【皿ヶ嶺】【台ヶ森】
写真撮影は、撮る被写体がない季節は暇だが、ある季節は何処もかもが撮りたい場所になるので大変だ。今日も、皿ヶ嶺のあの花、ブナの芽ぶきのロケハンと行きたいし、アケボノツツジがどうなっているのか知りたいと2ヶ所行く事になった。
皿ヶ嶺
普段は気がつかなかった「草花は手で採らずに写真で撮りましょう。」「この植物はここでしか生きられません!!」「あなたの後から来る人のためにも採らずにここで保護しましょう」と書かれた看板が立てられてあった。H22年に愛媛県がたてたようだ。
大阪へ行く事になった年の2002年4月20日・27日と、5月3日に登り無残に盗掘されていたのを見たりしたので、この時期皿ヶ嶺に行かなかったのだが、今年は一枚でもこの花を撮っておかないとと思いつき登った。その花は普通に登山道から見える所に咲いていた。このまま残る事を願いつつ群生地を後にした。
クマ○○ソウを見てみたが、まだ蕾だった。やっぱり株が少ないな〜。愛媛では、堂が森・石鎚山でしか見た事なかったイワカガミが皿ヶ嶺にもあるなんて♪ 写真を撮っていると、女性が一人登ってきて、「私は写真も撮らず、ただ毎年見にきています」と言っていた。明るい森に、ミツバツツジが彩りを添えている。
竜神平のベンチでおにぎりを食べる。道後方面の小学校の子供たちが自然観測に登ってくるのとすれ違う。一人、ふくれっ面の男の子がいたがこの自然にふれ、お弁当を食べる頃には機嫌もなおるだろうな〜。
下山路で“シコクカッコウソウ みんなで守って行きましょうね”と木札を立てている方に会う。こんな所にクリンソウと思うが一株花芽をつけていた。
木の枝の穴にヤマブキソウが花束のように咲いている。毎年咲くそうだ。これから次々と花が咲いてくるので出来るだけ来たいものだ。
台ヶ森
皿ヶ嶺から上林トンネルを抜けて面河方面にアケボノツツジのロケハンに向かう。面河の国民宿舎で山菜入り天ぷら蕎麦をいただく。おっちゃんがアケボノツツジの事を聞くと、もうすでに終わって今は岩黒山が咲いているとの事。今年は雪が多くて花は10日くらいは遅れていると思っていたので、びっくりした。あわててスカイラインを走ると岩黒山にピンク色の木が見える。今から行けて咲いている所と言えば・・・と、瓶が森登山口から台ヶ森に向かう。午後2時過ぎだった。
台ヶ森の手前のアケボノツツジが綺麗に咲いていたので一枚撮る。その間におっちゃんは台ヶ森へ。伊吹山下のブナ林は今の時期凄味があるな〜と車を停めておっちゃんが撮っている。このまま車で寝て15日の朝、岩黒山でアケボノツツジを撮ってもいいのだが・・、フイルムがなかったのよね。16日は来れないし・・・。
17日〜18日【岩黒山】
17日(火)
14日(土)に土小屋までの石鎚スカイラインから岩黒山方面にピンク色の木が見えたのでそろそろかな〜と決めた。
まずはロケハン、昼前に岩黒山の登山口を出発。直接頂上には行かず、丸滝小屋までトラバース道を行き、筒上山方面にヒカゲツツジのロケハンに行き、丸滝小屋から岩黒山に登る予定だ。平日だというのにアケボノツツジを見にきた登山者が多い。丸滝小屋で休憩中の人や、筒上山方面から来る人に「筒上山に行かれたのですか?」と尋ねるも、ヒカゲツツジを見る為に途中までとの返事の方ばかりだ。ヒカゲツツジはぼつぼつ咲いている状態との事なので行くのを止めて、丸滝小屋の裏から石鎚山方面を見て岩黒山に登る。
岩黒山の頂上にも、女性がゆっくり休んでおしゃべりに興じている。今日はロケハンなので岩の上はおっちゃんに任せる。それでも、撮影ポイントは、笹を掻き分けて下りた後とかがあるので分かった。登山口の方から来た男性が「ひょっとして○○さん?」と聞かれる。1月に画夢舎で開催した「白き神々の山」写真展に来ていただいた方(風雪流ら暮らし)だった。明日の朝撮る場所の確認をしつつ下山。駐車場でも再度お会いする。waiwai隊は車中泊だが、彼はテント泊との事。時間があったので、伊吹山のブナ林辺りをウロウロした。
18日(水)
車中で夕食の弁当を食べたら寝るしかない。夜中に目覚め外を見るとえらい明るい。満月が近い事は知っていたのだがピッタリの日だった。それから少しうとうとして外を見ると車が増えている。これは大変! あの定番ポイントは、4、5人が限度! まだ2時だが行っとかないと・・・と、起きだす。そして、ポイントが近づくと光がちらちらと見える。あ〜早くも来てると思うが、ポイントに行くと一人のカメラマンがいるのみだった。横に三脚を立てようとすると、そのカメラマンがあと2人いると言う、「でも・・、三脚は立てていませんよね〜」と言うと、「昨夜10時から来ているのに」と言う、そして2人を呼んでいる。まあ言い張っても仕方ないと思い、2人分を開けて右端に三脚を立てる。ちょっと右過ぎるが、こんな場合その方達の前には立てられないしね。アケボノツツジに月光があたり浮き上がっている。その3人が、デジタルカメラでバシバシとストロボをたくので便乗させてもらったというか、いらない時も仕方ないというか・・・鷹揚に構える。まあ、何かの縁だから長時間露光の時には影が写るので座るとかお互いに迷惑にならないように協力しあう。
おっちゃんがもう一つ三脚を持って来ていたら、この場所に居て貰っていろいろ撮れたのに残念だ。離れるわけにいかないしね・・・。おっちゃんは、ちゃっかりとこんないい写真を撮っているのよね〜。左の下に丸く光っているのは月です。
そして、寒さに震えながら待つ事3時間、5時前に太陽が出てきた。私はフイルムを2カット分残していたのみだったので早々と終了、おっちゃんと交替。左がストロボなし、右がストロボがたけてますねぇ。太陽が出る直前に風雪流れ暮らしさん、その後もう一人カメラマンがきた。
4時頃から撮影の予定が2時間も早まり、疲れたのでここまでとして下山したが、スカイラインが開く7時まで時間があったので撮影を続けたら良かったかな〜。(^^ゞ
19日【野地峰・黒岩山】
この時期、決めていたのがもう一か所、ブナの新芽を見たい。
登山口を8時55分に出発。買ったばかりのペンタックス67判のカメラを試すのだと、レンズ2本を入れたが、思った以上に重かった・・・。
途中で一回休み、野地峰に10時3分到着。反射板の所まで下りて休憩。尾根道にはシロヤシオも咲いている。アップダウンをくり返し、高い所から見える春紅葉が美しい。
2度の急な所を登りきると、笹が刈られた縦走路が伸びているが、そちらへは下りずに黒岩山へは尾根伝いにもう一息だ。11時過ぎに到着。ブナの新緑は丁度いい具合だ。
その後、ブナを撮影したり、弁当を食べたり、コーヒーを沸かしたりと2時間くらいはゆったりしただろうか。(*^。^*)おっちゃんはその間、尾根道の探索に出掛けたりして時間潰しをしたみたいだ。そして、 野地峰に戻ったのは午後2時だった。
帰る途中で“妃ヶ淵”の看板を見たので遊歩道を下りてみる事にした。手すりがあるので下りれるが、なければ下りる気持ちにならない急下りだ。そんなにしてまで下りたのに一段目の展望所からはあまり見えない、もう一段下りるとなんとも言えない綺麗な色の淵が見えるが、河原までは降りれなかった。コンクリートの階段にギンランが一輪咲いていた。