2006年    




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 4〜5日【明神平】
 厳冬期のテント泊は寒いが、雪と樹氷に包まれた“お伽話の世界”は言葉では言い表せない。正月休みは例年にない大雪と体調不良でテント泊を果たせなかった。冬山装備を担いでとなると、waiwai隊の体力で行ける所となると限られてくる。と言うわけで、明神平にテントを張って、翌日はそこら辺を散策する計画で出掛けた。

4日
 年末、年始と居座っていた寒波も、このところゆるんで2、3日雨が降ったので道路の雪は融けている。今日は寒波で雪が降り、明日は晴れるとの天気予報だ。大又林道の終点駐車場には既に10台停まっていて、5、6人のグループが準備をして出発した。隣の車のカメラマンは大きな三脚でザックも大きいからテント泊かな〜。みんなが出発した後で、10時30分にwaiwai隊もゆっくり出発。

大又林道終点駐車場 車止め
 車止めのある所まで30分の林道歩き。うっすらと積もった新雪の上は滑らないが、融け残った雪の上は氷になっていて滑る。暑くなって来たので一枚脱ぐついでにアイゼンを付けた。


 一度目の渡渉 三度目の渡渉
 去年5月22日に“薊岳”に登った時、下山路に使ったのにすっかり渡渉があるのを忘れていた。このところの雨で雪解けが進んだのか水量が多い。安全の為にロープがあるが、大きなザックなので引っかかってなかなかくぐれない。頭も後にそれないし・・。20分後に三度目の渡渉。


 いたる所にツララが出来ている 凍る直前の沢 最後の渡渉
 沢にはツララや氷の造形が美しい。今、まさに凍る寸前の小沢に出会ったので写真を撮る事にして休憩。最後の渡渉の後、木のハシゴを登ると少しで明神滝の水音が聞こえる。

明神滝 すれ違った登山者
 休憩に丁度良い少し広い所からは少ししか明神滝は見えず、細い登山道から全景が見える。前方に『危険』と標識がある旧道の上部にトレースが続いていて明神谷を渡るあたりが綺麗だったので写真を撮った。13時にベンチがある所で朝5時から登り“桧塚”へ行って来たと言う4人グループとすれ違った。
 ここからは、広いつづら折れの登山道で安心だ。早くも三々五々降りてくる人がいる。waiwai隊のザックを見て「テント泊ですか、いいな〜」とか、「凄いですね」とか声をかけてくれる。中には「今でー15度でっせ!」と、心配までしてくれる親切(?)な人もいた。


明神平 テントの外 waiwaiテント
 13時40分に明神平に着いた。強風と寒さでじっとしてられない。みんな早く下りる筈だわ〜。小屋の横で男女3人がラーメンを作っていたので、そこで風を避けようと行ってみたが、どこでも同じ様なものだった。早くテントを設営した方がよいと場所を探すが、どこも風がきついし、写真は前山の方で撮る予定なので上の方に行く事にした。

 締まった雪面の上に新雪が20cm程積もっているだけで潜る事も無く歩き易い。先行のカメラマンが降りて来た。前山の下、分岐のあたりの木の陰の風が弱い所でおにぎりを食べた後でテントを張った。おっちゃんがテントの中の整理をしてくれると言うので、私は撮影場所の偵察に出掛けた。いい所を見つけたので行こうと言うも「一人で行っといで」とテントの中で返事するだけだ。すぐに20枚写してしまったので、フィルムを入れ替えなくてはと思うが・・、ブローニーのフィルムは私には恐ろしく難しい・・、まして、こんな雪の中では・・。テントに戻って中でと思ったが、外と中の温度差でカメラがどうなるかわからないので、朝入れ替える事にした。

 雪で水を作って、炊き込みおこわと、餅と味噌汁の夕食を食べ、ビーフジャーキーで湯割りウイスキーを飲むと寝るしかない18時20分だった。外は吹雪のようだが靴下の間に貼った“ホッカイロ”でホッカホカ♪ 私は少しでも軽く・・と、エアーマットを止めてウレタンマット(半分)にしたので腰が痛い・・。
21時頃、おっちゃんも眠れないみたいなので起き出して、チョコレートと湯割りウイスキーを全部飲んでしまった。もう、ほんとに寝るしかない。(ToT)/~~~

5日

 早く朝が来ないかな〜と、何度も携帯の時計を見た。日の出は6時40分過ぎなので6時には出掛けないと・・、携帯のアラームが鳴る前の5時に起き出した。外は朝日は望めないな〜、小雪が降っている。(>_<) フィルムを入れようとカメラの裏蓋を開けて・・、はたと気がついた。ゴミを吹き飛ばすブロワーを忘れた〜、後玉に付いた繊維がいくら拭いても静電気でとれないのよ〜(現像して見たら、ゴミが写っているのがありました。(-"-))

 外に出なくても、テントの中から取れる新雪で水を作って、コーヒーとパンで腹こしらえ。おっちゃんがまた「整理をしてから行くから先に行っといで」と言うので一人で出掛けた。昨日付いていた足跡も全部消えて、それはそれは素晴らしい世界でした〜。(*^_^*)

 
おっちゃんのスライド

 おっちゃんも7時過ぎに前山に上って来たが、足跡を付けない様にわざわざ端を登ったのに、おっちゃんは全然そんな事は気に止めず登って来るので、「なんで〜、わざわざ違う所を登るの〜!」と叫んだ。

 昨日と同じく、辺りは真っ白で・・、なかなか期待どうりにはいかないものだわ・・。それでも、時間を忘れて嬉嬉として写した。ヽ(^。^)ノ 
フィルムを一本写したので、入れ替えようとテントに戻り、カメラをテントに入れた途端にレンズが曇ってしまったので、急いでビニール袋に入れて、しばし休憩。なにやかやを紅茶で食べた。フィルムを無事入れ替えて、テントを撤収。この時、ペグの金属が手袋の先の指(細かい作業の為に切ってある)に引っ付いて痛い。(その後、指先の感覚が鈍く、皮がぶくぶくする。凍傷の一歩手前かな?)

 9時、さあ〜、帰る前に後一本写そうと、お気に入りのブナの木の所に行ってレンズの蓋を取ってビックリ! 凍っているじゃ〜ないの。仕方なく、スカイライトフィルターを持っていたので取り替えてっと、あっと言う間に20枚(1カットで露出を変えて2枚は撮るから・・)撮ってしまった。その頃になって、カメラマンが一人、又一人と登ってきた。足跡をいっぱい付けてごめんなさいね〜。まだまだ撮りたかったけど、フィルムの入れ替えが・・^_^;


明神平、水無山方面 にわかにガスが晴れてきた 大高山脈 岩止め 20数台停まっている
 11時に下山開始。天気は回復傾向にあるのか、明神平・水無山が見えて来た。にわかに山のガスが晴れたりするが、すぐにガスってしまう。ふと見ると、登山道でない所を5、6人のグループが来ている。そこはトレースもない昔の道との事で何度も転んでいる人がいる。危ないな〜。日曜日なので、家族連れや、冬山の準備をしてない人達も樹氷を見に何人か登って来るのに出会ったが、山はあなどってはいけない。

 13時50分に林道終点駐車場に帰った。昨日の2倍の20数台の車が停まっていた。温泉は前回、『やはた温泉』に入湯した時に、髪を洗おうと蛇口をひねると水しか出なかった悪い思い出があったので、『たかすみ温泉』に行こうとしたのだけれど・・、いままであった標識がなくなって・・、結局吉野町に戻って老人福祉センターの『中荘温泉』(町内以外は700円、少し高い)に入湯して帰った。

千代の写真を見る。

 11日【武奈ケ岳】
 『なべちゃんが、HP閉められたようです。寂しいけど 諸事情がおありになるのでしょうね。でも、、寂しい。』
との、てるみさんからの掲示板への書き込みで、当HPでもリンクしている 〜なべちゃんの自然の中にでかけよう〜 を見てみると

〜なべちゃんの自然の中にでかけよう〜のホームページは
1996年から続けてきましたが、内容がちぐはぐになったり
身辺のいろいろな変化から更新も思うようにやれなくなっていました。
勝手ながら、休止することといたしました。

2006.2.5  −なべちゃん−
なべちゃん掲示板は当面残します

と挨拶文だけになっていた。

千代
なべちゃんのHPが愛媛の山のHPの草分けで、在職中からよく見てました。このHPを開いたのも、なべちゃんのHPを見て、私達もいつか・・と思っていて、やっと開設出来たのです。
さびしいですが、休止との事なので、又再開される日を首を長くして待ってます。


てるみです(摩耶原人)
千代さんも なべちゃん がきっかけ、なのですか。
私は3年前 石鎚へ登る時 検索して、知りました。メールに添付して 石鎚の地図を送ってくださり感激しました。そのうえ ニノ鎖元で 5分間遭遇。
「沼田さんはおられますか〜〜?」の なべちゃんのお声 今も忘れません。♪ 復帰待ち遠しいですね。


こんな、なべちゃん繋がりのてるみさんとは、去年3月24日に甲子園のギャラリーで写真教室の作品展があった時に来て下さって、初めてお会いして六甲のロックガーデンを案内して貰ったのが始まり。その後、私の 『カラコルムの山々』 〜K2・バルトロ氷河〜 写真展(甲子園アンダンテ)、『白い神々の山』写真展(富士フォトギャラリー2)に来て下さり旧知のような仲になった。

年末にてるみさんから、『来年は 千代さんとの合同登山でも してみたいな。ロックガーデンを歩いたきりですもの。。』とラブコールがあったので、雪の武奈ケ岳を計画した。


登山口 一回目の休憩でアイゼンを付ける
 JR堅田駅着7時30分の電車でてるみさんが来るので、waiwai隊は吹田を6時に出発! 名神がえらい混んでいると思ったら、3台が関わる事故渋滞だった。てるみさんと無事おちあい、コンビニでおにぎりとおやつの買出し、てるみさんはちゃんとおにぎり持参だ。(手抜き主婦とは違うわ〜^_^;)

 坊村の地主神社の所の駐車場は既に満杯で、有料駐車場の方に車を停めた。隣で8人位の中高年グループが準備をしている。アイゼンは10本爪か6本爪にするか、ワカンを持って行くかどうか等迷ったが、てるみさんは6本爪なので、私も6本爪にした。おっちゃんは10本爪にした。ワカンはこんな大勢が登っているならトレースはあるとの判断で持って行くのは止めた。

 登山口を8時35分に出発。以前は“急登、中高年は注意”の看板があったのに、見当たらなかった。最初から看板通りの急登が続く。去年3月5日に登った時には、トレースがなく春のふわふわ雪で御殿山までしか行けなかったが、今回はトレースもしっかりあって楽だ。いつも休むトラバースの前で休憩して、アイゼンを着けた。と、普通なら終わりだが・・「あれ〜、右足ばっかり持ってきとる」とおっちゃん、なんと私のアイゼンと片方づつ持って来たみたいだ。レスキュー袋の中にネジを調節する道具があったので、事なきを得たが、その間のwaiwai隊の実態をてるみさんに一部始終見られてしまった。(笑)


御殿山頂上で記念撮影
 尾根に上がるまでの急登の最後でトレースが分かれていて、おっちゃんが選んだ方は最後が凍っていたので6本爪のアイゼンではたいへんだった。尾根に上がると、少し平な所もあるので気が抜ける。小休止しておにぎりを食べた。早くも下りて来る人に出合ったりして11時15分に御殿山に着いた。武奈ケ岳頂上付近は見えない。頂上にいたご夫婦にシャッターを押して貰った。「武奈ケ岳に行くか、下りるか迷っています」と言っていた。私達はワサビ峠付近で休む事にして、すぐ出発。


ワサビ峠への下り 雪屁 手前のピークへ
 「ええ〜、こんなに下りるの〜」とてるみさん。下りてみるとたいした事ないのよね〜。ワサビ峠付近の雪屁も立派です。風の当たらない所で小休止していると、テント泊らしい大きなザックの男女が登ってきた。女性の方が元気そうだった。(^^ゞ 


堂満岳が見えて来た 頂上直下の登り
 手前の小山を登ると、11時50分堂満岳が中峠の向こうに見えて来た。頂上から降りて来た人が、トップの人は2時間前に下りましたと残念そうだった。(そんなに速さを競わなくても・・)
12時10分頂上直下の登りにさしかかかり、12時30分に無事、武奈ケ岳頂上に着いた。

 武奈ケ岳頂上
 頂上はガスに包まれて展望はゼロだったが登頂出来て嬉しい! 先程の大きなザックの男女がいたので「テント泊ですか?」と聞くと「八雲でと思っているのですが、トレースもないので行けますかどうか・・」と言って出掛けられた。晴れそうにないので下りて風の無い所で昼食にしようと思ったが、少し明るくなったりもするので、東側の斜面に先行者が休んだ跡があったので、そこで休む事にした。てるみさんはうどん、waiwai隊は味噌汁等で昼食を食べていると、少し明るくなっては来るが・・展望はないままだった。

 頂上に戻ってみると、駐車場のグループが来ていたみたいだ。下りる時、私達がグループに吸収されたみたいになって、リーダーの方が把握に困っていたので、てるみさんが「前の方、うちの人は・・と言ってますよ」と声をかけてあげていた。それでも、スノーシューやワカンを着けているので、好き勝手に歩き統制が取れないみたいだ。


コヤマノ岳方面御殿山・蓬莱山方面
 雪が深いので、ブッシュもあまり出てなくて歩き易い。コヤマノ岳や蓬莱山、御殿山方面が綺麗に見えた。手前の小山辺りで、バスで来た人が、武奈ケ岳を目前にして、行けば3時45分のバスに間に合わないし・・と残念そうだった。


御殿山への登り返しに苦労しているスノーシュウの人 さようなら 武奈ケ岳
 御殿山への登り返しでは、スノーシューの人は大変苦労している。広い所をどこでも歩くのには、スノーシューやワカンは良さそうだが、こんな狭いトレースを登るのは大変だろう。

 13時30分に御殿山に着くと、20人以上はいただろうか・・、子供づれや老若男女で大賑わいだ。御殿山までの人がほとんどで、ストーブでラーメン等を作ったりしている。武奈ケ岳と違って風もなく、展望もよいのでコーヒーを入れて休んだ。


横笛を吹く登山者 最後に
 2時過ぎに御殿山を後にして下りていると、なにやら笛の音が聞こえてきた。前のグループの一人が横笛を仕舞っているのを見つけたてるみさんが「もう一曲お願いしま〜す」と言うと、グループの人達からもアンコールの声が出て来て・・、吹いて下さった曲は“琵琶湖就航の歌”で、なんとも言えない気持ちのよさだった。♪ このグループの人達はほとんどが熟年と言えるお年だったが、こんな山登りもいいな〜と思わせる上品な方達だった。

 それにしても、スノーシューや、わかんで下りた後は下りにくい・・、どこがほんとのトレースか分りにくいし・・、尾根からの急坂を下りる所なんかは大変だった。西南稜のような広い所ならいいと思うけど、ワカンは持っているものの、どういう時に使用するのか使用した事は1回のwaiwai隊にとっては疑問の一つだ。
 登山道でシリセードはね〜とブツブツ言っていたのに、最後に下の方でシリセードの跡を見つけて、節操も無く(殴)シリセードを楽しんだwaiwai隊+1だった。(^^ゞ

 3時30分に下山し、車を停める場所も無い程、大混雑のてんくう温泉に入湯し、これまた大渋滞の国道161号線を走って名神高速に乗り帰着した。てるみさん、またどこか行こうね♪

 同行した照美さんの記録


 
18日【鈴北岳】
去年出合った樹氷の木
去年、最終到達地点付近にあった樹氷の木
 今季は、冬の到来が早かったせいか、春の訪れも早いようだ。天気予報の週間予報では、水・木曜日は気温が高くて雨。金・土は冬型で低温となっていた。それでは、土曜日に山登りも出来て、写真も写せる所に行こうと考えていたら おっちゃんが鈴北岳はどうだと言ってきた。
去年の
3月26日に鈴ケ岳に行こうとした時に、運よく春の樹氷に出会えたし、4月9日に福寿草を見に行った時に再度行って登山道の確認はしてあるので厳冬期でも大丈夫だろうと決めた。

どどめき林道 浮き出た兎の足跡 ガードレールの反射板
 6時10分に吹田のアパートを出発。名神高速道を彦根で降りて、国道306号線を大君ケ畑へと向かう。この国道は、冬季閉鎖となるゲートが滋賀県側と三重県側に設けられている。春になれば、山の花で有名な「藤原岳」へのアクセスにも使われる国道なのだ。
 滋賀県側のゲートまでは除雪してあるが、そこからは車のタイヤの所だけ雪がないゴーカート状態だ。百々女鬼(どどめき)橋から先は一面の雪だ。百々女鬼林道の道路脇に車を停めて、8時45分に出発。

 今回は、厳冬期でもあるし「山と高原地図」に載ってないルートなのでトレースもないだろうと、10本爪アイゼンとワカンを用意した。道路上に積もった雪は、まだ朝早いのでよく締まって気持ちよく歩ける。兎が通った時に雪を圧縮して、その後雪が融けたのだろう足跡が浮き出ている。道路脇のガードレールの反射板も埋まっている。

国道306号線・鞍掛橋手前の御池谷出合 林道が崩れた箇所のトラバース
 いつ歩いたのだろうか、2人分のワカンの後が続いている。30分弱で国道がヘアピンカーブに差し掛かる鞍掛橋に着いた。そこから御池谷の横の林道を7分で鞍掛峠に向かうのか(?)橋がかかっている所に着いて小休止した。
 そこからは堰堤を作った時に作った作業道だろうか、崩壊していて、雪が無い時は谷に降りながら行くが、今日は雪が着いているのでトラバースして行く事になったが、まだアイゼンを着けてないので少し怖かった。


鈴ケ岳 雪屁
 二度目なので、雪が深くても迷う事はない。だんだんと傾斜がきつくなってつま先をキックしても怖いのでアイゼンを着けた。橋から50分でいつも休む所に着き休憩。鈴ケ岳が見え、頂上付近は樹氷が着いているようだ。あの木にも着いているか、天気が良いので融けてないか等と気がきでない。
 植林と、谷との境の自然林をおっちゃんが谷寄りに歩くので、切り立っている記憶があるので、「植林の方を歩いたら」と声をかけて後を見ると、りっぱな雪屁ができている。崩落したら大変!


霊仙山 やっと、植林帯から自然林に来た
 尾根道の自然林もなくなり、広大な植林帯になると、どこでも直登するようになるが、ザクザクと小気味よくアイゼンが効いていいのだが、これが傾斜がきつくて・・、途中で霊仙山も見える。前から気になっている谷の方への赤テープがある、少し傾斜がゆるい所に来た。そこからも続く植林帯をもうひと踏ん張りで自然林、まだ樹氷はついてない・・、そして自然林を15分弱、先行のおっちゃんが「ついとるよ〜」と言っている。11時20分にお目当ての場所に着いた。


鞍掛峠からの稜線に到着 樹氷の撮影場所に行く千代
 ここまで来ると、風が強い。木の陰と言っても落葉樹ばっかりで風避けにはならないので、くぼ地にザックを下ろした。「私は例の木を写しているから、途中で見えた綺麗な斜面が写せる所を探してきて」と言うと、おっちゃんは出掛けて行った。
 例の木は前回は雪が吹き荒れていたので、周りの余計なものが隠れてよかったが、今回はピーカンだし、広角レンズ一本しか持って来てないので切り取れない。仕方なく近寄って、影や太陽を入れて撮影した。しばらくすると「わ〜 すごい!」と人声がして、男性2人が登って来た。


鞍掛峠からの稜線 鈴北岳への道 鈴北岳頂上 御池岳
 偵察に行った筈のおっちゃんは、あっと言う間の15分弱で鈴北岳に着いて帰って来た。こちらからのトレースはなかったので、御池岳方面から鈴北岳に来ていたのだろう御池岳に向かう2人連れを見たそうだ。例の2人連れとは言葉を交わしたそうだが、ここらへんのいきさつはおっちゃんに譲ろう。

 
千代さんの撮影時間を利用して、一人で鈴北岳へと向かった。道は、三月頃の花見山行の時期と違って、雪が埋まっていて歩き易い。また、木々の芽も出ていなくて、遥か上方が見渡せている。尾根の端の雪屁に気を付けて歩くのみだった。「御池岳」の姿が左手に見えた頃、谷の向こうの尾根筋に二人連れが、「御池岳」へと向かっていた。
 鈴北岳の頂上は“えびの尻尾”が迎えてくれていた。写真を二・三枚撮って早々に引き揚げる。アイゼンが良く効く斜面の降りは“尻セード”で降りよう!と、降りていると二人の男性が登ってきた。彼らは「滋賀県側から、橋の名前は覚えていませんが、沢を詰めて尾根道を上がってきました」「えっつ、沢を詰めてきたの?雪は締まっていたんですか?」に、良く締まっていたとの事で「降りは、沢を降りようかと思っていたので・・」との会話だった。「御池まで行きます」という彼らを見送って、千代さんと合流し昼食だ。【waiwai記】


鈴ケ岳下部 下山路の尾根 谷へ下りる
 鈴ケ岳の下部の斜面が綺麗に見える所はないと言うし、おっちゃんは2度も鈴北岳に行きたくないだろうと下りる事にした。2人連れが沢を詰めて来たと聞いたので、waiwai隊も沢を下りようと決めて、waiwai隊と同じような所に付いている2人の足跡を辿って下りた。なんとアイゼンを着けずに登って来たらしい。
 植林帯の例の赤テープの辺りで、足跡を見失ったが、そこから沢方面に下りて行った。すると、沢の音は聞こえるし、絶壁のようにはなっているしなので、あっさり止めて登り返して元の尾根道に帰ってみれば、例の2人連れの足跡もあるじゃ〜ないの。結局、沢を詰めたと言っても、ずっと waiwai隊と同じルートを登っているのだった。
 人の話は、こちらの思い込み、受け取り方でこんな事にもなるので、気を付けないと・・・。

御池谷の堰堤の横を下りる 国道306号線をどどめき橋まで歩く
 朝、休んだ所でコーヒーを飲み、国道の鞍掛橋に14時35分に到着。国道歩きは、朝と違い雪が腐っていてズボズボ足が入って歩き難い。3分の2くらいの所で、ワカンの足跡が2人分ついていたが、そこで引き返したみたいだ。朝より長く36分かかって15時10分に百々女鬼(どどめき)橋に着いた。そして、waiwai隊の後には一台の乗用車が停まっていた。例の2人の車だ。
 このまま暖かくなれば雪解けも進むんだろうな〜などと話しながら、近くに温泉もないことだし、寄り道もなしで名神高速に乗り、多賀SAで腹ごしらえをして帰った。

千代の写真、画像をクリックすると大きくなります。