2004年
           




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 3日【大台ケ原(東大台)】
 先週は、何処へ行くか思いつかないおっちゃんが、撮影でいいよと言うので、この前行った西大台のバイケイソウと、池(沼?)の映り込みの写真をもう一度挑戦したいと思って大台ケ原に出掛けた。ところが台風の影響で大台ケ原ドライブウェイが全面通行止めとなっていた為、不動七重滝と御船の滝の撮影となった。

 上北山村のホームページで大台ケ原ドライブウェイが通行出来る様になったのを見つけた。帰ってきたおっちゃんに話すと、大台ケ原に行こうと言うので、靄があれば西大台、なければ東大台にしょうと出掛けた。天気予報では、日曜日は崩れるとの予想なので土曜日にした。

  
 駐車場まで2時間30分で到着。靄もないので写真にならないと、三脚は持たず手持ち撮影をする事にした。梅雨の晴れ間で、明日は雨との事で結構家族連れも多い。まず、日出ケ原へと9時に出発。登山道を整備中で、簡易階段が付けられているが、高くて「よいしょ!」と足を上げなくてはならず疲れる。足の悪い方や、子供二人連れの方もいたが大変だろう。

 展望デッキの所で、親子の鹿が笹を食べていた。木の階段を登って日出ケ岳に着くと、なぜか向こうの方で鹿がずっと泣いていた。可愛い鹿も増え過ぎると、笹が無くなってしまうし・・、木の皮を食べるので木も枯れるし・・。『あなたは、どうしますか?』なんていう看板が立っていたが、難しいわ〜。

      
 正木ケ原への途中で、先程の親子鹿が現れた。ここら辺でこんな事は珍しいと通りかかった人が言っていた。枯れた木をここに集めたのでは?と思うほどのトウヒの倒木だ。その中につけられた木道も同じように白っぽい。
 展望デッキのあたりで鹿の群れが走ったり、草を食べたり、座ったりしている。なにかの調査だろうか、札付きの鹿もいる。400oのレンズを装着して写したが手ぶれしてるかな〜。

 撮影会で来た時は、大蛇ぐらの先からは霧で真っ白で何も見えなかったが、今日はよく見える。「石鎚山の天狗岳を小さくしたようなものやねぇ」と言いながら写真を撮っていると、ご夫婦が来た。奥さんの方が立って先まで来れず、恐る恐る中腰でやってきた。
 お弁当を食べて、もう一度行ってみたら、笹の所にピンク色が見えたのでよく見ると、今年初めてのササユリだった。(^^♪ ほのかにいい香りがしていた。

  
 シオカラ谷までは、ずっと登山道の整備中で杭とロープを設置するようだ。そこまでする必要があるんだろうか??
シオカラ谷の手前には、滝見尾根への道だろうか、通行止めの看板もある。河原で若い女性がお弁当を食べていて、おっちゃんが嬉しそうだ。
 私達もコーヒーを沸かしてゆっくりした。ここから駐車場までは、1、4km高低差200mをイッキに登ると地図に書いてある。覚悟して登ったら、最初の石の階段はきついが、後はそれ程ではなく30分で駐車場に着いた。この前美味しかったので、物産店で葛餅とコーヒーのセットを食べ、入之波温泉に入湯して帰った。



 11日【石墨山】
 木曜日、朝早くから“シワガラの滝”の撮影の為に往復400キロを走り19時過ぎに帰って、仕事が終わったばかりのおっちゃんと350キロを走って愛媛へ帰り着いたのが24時前だった。乗っているだけだけど・・。

 金曜日、道路にはみ出した枝を切ったり、草を抜いたり、部屋の掃除をしたり、友達と会ったり、おっちゃんの実家へ行ったりと忙しい。

 土曜日、昼から雷雨との事で、朝から皿ケ嶺の麓にあるはずのハス田(以前、見た事があった気がしたので)へ撮影に出掛けたが、一つ目は遠くに一本しか咲いてなかった。まだないかと少し行ってみるがないので、Uターンしたら目の前がハス田だった。観賞用のハスじゃないので、小さいし葉が痛んでいる。撮ろうと外へ出たとたんに雷が鳴り出した。「カーボン製の三脚なんだけど、カーボンって落ちやすいよね」で撮影は止めて、“魔戸の滝”に行く事にした。高速を走るごとに雨と雷が近づいて来て、閃光と音が同時になった。滝の近くで雨が止むのを待っていたが、あきらめて新居浜に出たとたんに雨が止んだ。

 しかたなく、“高瀑”林道へ偵察がてら走った。連休に行った“鞍瀬の尾根”が至近距離だ。例の岩峰も圧倒している。終点で渓流を撮ろうと思うが、岩が乾いてしまっているし・・。で、トンネルの所から、植林の道があるらしいので、おっちゃんが偵察に行っている間に、岩を刳り貫いたままのトンネルの中の水溜りに、出口の木々の緑が映り込んでいるのが綺麗だったので撮影した。
 石鎚ハイウェイオアシスで温泉に入り、無料体験インターネットで書き込みをして帰った。もう既に「お決まり」となったU氏宅へお邪魔して明日の山行の打ち合わせをして、黒森峠から登る事となった。

 
 “もも夫婦”の車でお迎え、昨日のハス田で少し撮影後、出発。すでに唐岬ノ滝入口の駐車場に3台、登山口の駐車場に3台停まっているが、黒森峠には私達だけだ。標高985メートルの広場のアジサイが見頃だった。

 割石峠への尾根道は風が吹いて涼しい。見晴らしが良くなっている所で(2002年10月31日に来た時は伐採してなかったように思う)伐採後の切り株に腰掛けて休んだ。そこから東温高校の小屋がある割石峠はすぐだ。
 伐採後に植えられたヒノキの苗木や、雑木、雑草も大きくなっている。登山道の脇に植えられたヒノキの苗木の枝が何本か折られている。誰が所有している山か知らないが、通らせて貰っているのだから、植えている木の枝は折らないほうがいいのでは・・と思った。

   
 だんだんと、ササユリが咲いてきたが、もう終わりのようで花が散っているのもある。急登も終わりに近づき、上が見え始めた所に、大株のササユリが綺麗に咲いていた。見晴らしのよい肩部で昼食となった。ヨツバヒヨドリも白とピンクが咲いていて、吹き抜ける風が気持ちい〜。
 登山口でも、休憩中もずっと虫除けスプレーをしていたのに、やっぱり私だけ顔二ヶ所、手一ヶ所をブヨに刺された。(>_<) 持ってきた防虫ネットを被って休憩する私です。

 ここから頂上までは、笹原に咲くササユリ、ブナ林の尾根道を何度かアップダウンし、岩場を越えて二つ目のピークが頂上だ。頂上に上がる手前にササユリが咲いているはずと重いカメラも持って来たのに・・・、小さなのが2,3本しか咲いてない。「前に来た時に大株の実があったのに〜」と言うと、休んでいた男性も「毎年来ますが、年々少なくなって・・、今年は特に少ないです」と言っていた。
 天気が良ければ、堂ケ森、鞍瀬の頭、石鎚山も見える筈だが、今日はガスって見えない。日が照って影もなく暑いが我慢して、コーヒーを飲んでゆっくりした。

  
 下山の途中で、五代ケ森が見えた。岩場では、別ルートから上がってみた。下りは滑りやすいので慎重に、割石峠で休憩。waiwai隊の最初の山行がここ石墨山だったが、その時に林間に咲くピンクの花(当時は花の名前は不明だった)ギンバイソウが咲いているはずと密かに思っていたので提案し、私と“もも”は、唐岬ノ滝入口の方へ下りる事にした。それが、とんだハプニングになるとは知らずに・・・。そして、花には少し早いもののギンバイソウがたくさん咲いていた。(^_-)-☆

 駐車場に着いて、黒森峠からのU氏とおっちゃんの車を待っていると、向こうから来た車の方が、「Uさんですか?、峠で車のキーを奥さんが持っていると困っていますよ」と言われ、「乗せて行ってあげましょう」と“もも”を乗せて峠まで連れて行ってくれた。親切が有難かった。
 一人でみんなを待っている間に、車が停まって、酔った方を降ろして休んでいる女性ばかり4人組みの運転されている方に見覚えがあって、暫らくして雪山訓練でお世話になったYさんだと思い出した。笹倉湿原に行かれていたそうで、重松先生もお元気らしい。

【waiwai記】
 割石峠で女性軍とそれぞれの道に別れての下山となったのだが、峠手前のピークあたりで「車のキーは、あるんじゃろ?」に、U氏が「あつっ!」と言葉がつまった。「ここから引き返すわけにもいかんじゃろ〜」と、とりあえず駐車場所の峠に歩を進める。
 峠に着き、通りかかった車に手を振る。若者の運転する車に合図するもののその若者は手を振りながら去っていった。「デートの邪魔なんじゃ〜、中年のおっさんではダメなんかなぁ〜」と、直ぐに4WD車が走って来た。今度は大きく手を振った。道路脇に停まってくれたのは、やはり中年の運転手だった。「この下の唐岬ノ滝の登山口に、女性二人組が居ます。車のキーを持っている筈なので、届けるように伝えてくれませんか?」との伝言で全てが理解出来たようだった。

 暫らく待っていると、4WDに乗った女性のグループが通りかかり、登山口脇のアジサイを眺めて走り去った。「近頃はPジェロに女性だけで乗るんじゃなぁ〜、パンクでもしたらどうするんじゃろ?」とU氏が囁いたが、そのPジェロの運転をしていたのが「Yさん」だったとは・・

 とにかく「山の仲間ですから!」と、気安くキーと“ももさん”を送ってくれた人の気持ちに、今日もすがすがしい思いの山だった。


 18日〜19日【釈迦ケ岳・垢離取場】
 例年なら、この連休に続けて夏休みを取ってアルプス方面とかに行くのだが、なぜか今年は計画が進まない。直前になって岐阜の山(恵那山)へとの予定だった。前日までの天気予報では18日は崩れるものの、19日はまあまあだった。ところが18日の朝になると総崩れの模様だ。
 「大峰方面ならいい天気よ!」の私の言葉に、「そうするか」と、この前大台ガ原ドライブウェイ全面通行止めで“不動七重滝”を見に行った後で、“三重滝”を見に行った女性が滑落して遭難騒ぎがあった時に、「なんか覚えがあると思うたら、不動七重滝の向こうやなぁ」と地図を見ていた事があった。それを思い出して前鬼林道の終点から入り、前鬼の小仲坊でテント泊をして大峰奥駈の一部を“釈迦ケ岳”までピストンする計画となった。
  
18日(日曜日)
 いつものように、前もって準備をしないwaiwai隊(誰のせい?)だが、去年の別山でもシュラフカバーだけで充分だったからシュラフは止めて、雪の上じゃないから空気マットは止めて軽いウレタンマット(?)を半分に切ってと・・。簡単に準備を整えて出発した。

 近畿道、南阪和道を乗り継いで、道の駅iセンターで昼食後、渋滞に巻き込まれたが、今日中に着けばいいので焦らない。大和上市あたりの吉野川沿いに出た途端「わ〜」と思わず声が出るほどの河原の混雑。手軽な車乗り入れのアウトドアの人達だ。コンビニで食料を調達して前鬼林道に入ったが、滝見の観光客か結構対向車が来る。

 林道終点の駐車場には20台以上が駐車している。「これ、みんな釈迦ケ岳に登ってるの〜?」と仕度をしていると、本格的な沢登りの装備をしたグループが帰ってきた。みんな「お世話になりました〜」と嬉しそうだ。
 14:00に出発、まず吊り橋を渡り石畳の道になる。「わ〜、こんな道なん」「そりゃ、奥駈道やもん」と歩いていると、先程の駐車場のグループが中年なら、高年と言える(失礼)グループが(軽装の足元だけ地下足袋姿)降りて来たので、「どちらへ行かれたのですか?」と聞くと「前鬼川を登ってぐるっと回って来ました」との事だった、むむ〜。 30分くらいの所が気持ちのいい所だったので休んだ。そして、倒木が道を塞いでいる所をやりすごして直ぐの所が小仲坊だった。^_^;

 テントの申し込みをしている時に、貼ってある絵葉書を見ているとご主人が「この前、NHKで放送した三重滝ですよ」と言われるので、よ〜くお顔を拝見すると見覚えのある方だった。滝シリーズで愛媛の“御来光の滝”(見逃した・・)の二日後に放映していた。三重滝の途中の清めの場所が綺麗だったので「行けますか?」と聞くと2時間で帰ってこれるとの事だったので、「明日帰って来てから行きます」と言うと、「釈迦ケ岳まで往復7時間はかかるよ」と言われた。「5時に出たら昼頃には帰れるので・・」「帰ってから元気だったら行きます」と答えテント場が日陰になるまでコーヒーを沸かしてのんびりと過ごした。

 三々五々と足元が泥まみれの登山者が帰って来るが、みんなほとほと疲れたといった様子だ。テントを張っていると、単独の方も私達と同じテントを張り出した。手前のwaiwai隊のテントと違って美しいテントの張り方だわ〜! 下で買って来たビール(足りないので500円のビールを小仲坊で買い足す)と弁当を食べ、後は寝るばかりだ。テントから夕焼けを見ていると、若い(?)男女が石垣の上で寝そべって談笑している。羨ましそうな顔のおっちゃんだった。うるさかった発動機の音も 22:00には止んで、急に鹿の鳴き声や、沢の音が聞こえてきた。そしてスッと眠りに就けた。

  
19日(月曜日)
 4:00起床。コーヒーとパンで朝食を摂り、昼用にアルファ米の五目飯にお湯を入れ、テントは預けて準備完了。 5:10に出発。宿坊に泊まった方達が起き出してきていた。もう明るくなっているのに、杉の大木の中の登山道は暗い。石垣が積まれて石鎚山の西ノ川からの雰囲気に似ている。杉林を抜けると白い岩がゴロゴロしている白谷を登るようになる。標識や、赤テープ、岩に矢印があったりして迷う事はない。左手にトチノキの大木が見えて雰囲気がいいが、このところの日照りで乾いている。急な地蔵の尾を登るようになると木の階段が付けられている。歩き易い階段だが、こう続くとつらい。 6:30頃に両童子岩(二つ岩)に着いた。


  
 岩と岩の間の向こうからは、大日岳と五百羅漢が見える。
   
 登り一辺倒だった登山道も、崩壊した沢を横切るようになるが鎖が付けられているので大丈夫だ。水場がある筈なのに涸れている。充分汲んで来たのでよかった・・・。熊笹を登るようになって、 7:20に背比べ石のある太古の辻に着きおにぎりを食べた。吹き抜ける風が気持ちいい。
 バテて足がふらつき気味なのにおっちゃんは元気に先を行くので、「大日岳に行ってきたら、待ってるから」と言うも行かないと言う。

    
 8:00前に深仙ノ宿に着いた。中から鈴の音がして修験僧がろうそくを灯していた。後を振り返ると、先程の深仙ノ宿に降りて来る人が見えたので抜かれてはと思い、丁度おにぎりの効果が出て来たのか元気も出てきたので頑張った。
 霧の中を登るようになり、バイケイソウの群落も出て来た、靄の中の原生林は素晴らしい。見晴らしのいい所で少し休んで、旭方面への分岐から10分の 8:50に釈迦ケ岳に着いた。頂上の手前で釈迦ケ岳から単独の男性が来たので聞くと、前鬼を 4:00に出て釈迦ケ岳に行って来たとの事だった。頂上から弥山方面は霧の中だが晴れつつあった。


 
 20分程休んで下山開始。途中で大日岳も良く見える。深仙ノ宿に近づくと、ヤッホーという声がして手を振っている人がいる。 9:40に着くと、先程の修験僧と小仲坊のご主人が待っていて、「お年寄り夫婦2人連れに会わなかったか?」と聞かれた。予約の2人が昨夜来ず、弥山から来た3人組に聞いたら、確かにこちらに向かっていてゆっくり行きますからとの事だったそうで、心配で捜しに来たとの事だった。

 ここで、お昼にしていると男性二人、女性一人のパーティが赤井谷から登って来た。修験僧が「参考の為に、ルートを教えて下さい」と聞いていた。弥山方面に行く修験僧に頼んで、ご主人も下山する事になり大日岳への尾根を登っていると、昨夜の若い男女とすれ違った。
 大日岳の登り口の所で、ご主人が鎖を登りませんかと言うが、下りが苦手でと言うと、下りは別の道があるとの事だった。今日は垢離取場に行く予定なので無理は出来ない・・。
 太古の辻を過ぎた所で坊主頭の方が登って来てご主人と話をされ、連絡の無い昨夜の客のことは警察に届けたとの事だった。お先に下りる事にして両童子岩(二つ岩)で休んでいると、向こうの方でご主人のヤッホーと何度も叫ぶ声が聞こえた。

 階段の下りは疲れた足に堪えた。 11:45に小仲坊に下山しビールを飲んでいたら、車止めゲートを開けて軽のパトカーがやってきて事情聴取(?)された。
  
 疲れてはいるが、予定通り垢離取場に 12:15に出発。道はしっかりしているが、こんな所でも落ちれば危ない高度がある所もある。閼伽坂峠で一服後、 13:05に着いた。靴を脱いで冷たい水に足を浸したり、コーヒーを沸かして飲んだりして約1時間ゆったりした。 14:00に今度は登りをゆっくり歩いて 14:55に帰り着いた。

 絵葉書を買おうと声を掛けたら、ご主人が出て来て遭難騒ぎの2人は、結局引き返してタクシーで帰ったとの情報が弥山方面から来た修験僧によってもたらされたとの事で「自分で電話してタクシーも呼んだと言うのに・・」「でも・・無事でよかった」と言っていた。予約までしておきながら予約先に連絡もせず、どれだけの人に心配や迷惑を掛けたのか知らないのだろうか?

 帰りは上北山温泉に行ったら駐車場が満杯だったので、小処温泉に変更して入湯した。「テント泊は小屋泊より気楽なので、アルプスもテント泊で行くか」とおっちゃんは言うけど・・ほんと?
  


 27日〜8月1日日【塩見岳〜間ノ岳〜北岳】

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