2004年
           




  4


 3日【皿ケ嶺】
 家も、車も、なにもかもが長く留守にしているとトラブルが起こる。2月に愛媛に帰った時、置いてある乗用車のエンジンがかからず、3月におっちゃんがトンボ帰りした時にJAFに来て貰って(寒さで粘ったらしい)修理できた乗用車で大阪に帰るつもりだが、今回無事かかるかな〜。共働きの時ならいざ知らず、夏用冬用で2台、なんて贅沢なと思うが四国の山の登山口は乗用車では無理な所が多いし・・、愛媛と大阪の往復には乗用車でないとしんどい。山行き、帰省と高速料金とガソリン代も家計を圧迫しているが「まっ いいか〜 ○△は、あの世に持って行ける訳でなし!」といつもの様に言いながら帰った。
 今回は2日しかないし、両親を花見・温泉に連れて行く予定なので、いつものように近所のU氏を誘って皿ガ嶺だな〜と、午前中はおっちゃんは車の洗車、私は掃除やら草抜きをして昼前の出発となった。

 前々から美川林道の沢ぞいに『キャンプ場経由頂上』という標識が気になっていたので、そこから登ることになった。車を停めて偵察しているとおっちゃんが「前に見たやつがおるぞ〜カメラ、カメラ」と慌てている。道路から見える涸れ沢にまるまると太った動物が見えた。私達に気付いていないのか一生懸命に土を掘っている。何かな〜?

 このコースは2002年4月20日にも挑戦しょうとして、少しトンネル寄りの赤テープに誘惑されて、そちらを登って出た場所とどの位の位置に出るのか? キャンプ場とはどこなのか? が楽しみだ。
 立派な標識はあるのに上がってみると、かすかな踏み後と、測量のテープがあるのみだった。途中に見覚えのある(2月に三角点から愛大小屋に降りた時にも途中にあった)両端が黄色で中が黒のテープが2,3箇所に付けてあった。浮石に注意して45分で見覚えのある登山道に出た。

      
 そこは、風穴から来て上林峠と竜神平への分岐の標識がある所だった。という事はキャンプ場というのは竜神平の事だったんだ、今までの疑問が一つ解けた。丁度、風穴から夫婦らしい二人連れが来て竜神平の方へ、私達は上林峠への道から竜神平へ行って暖かいので広場でお昼とした。
 親子連れ三人が通り過ぎた後も愛大小屋は戸が開いたままなので、覗いてみたら誰もいなかったので閉めておいた。
  
 天候が下り坂という事で展望はなく、頂上でコーヒーを沸かしてゆったりした後、三角点から前回下りた道(?)を今日も下りようという事になった。前回は雪が残っていたので足跡通りに辿ったが、今回はその記憶を頼りに下りたが、尾根筋から離れてしまい少し右よりに行き過ぎた。修正しながらずんずん下りて、往路と同じ黄色と黒のテープも発見! 「誰か、林道からこの直登コースを歩いている人がいるんだな〜」と話ながら愛大小屋に25分で着いた。
 風穴コースのベンチの所の手前の沢はどこから上るのかと下を見ると、白い小屋のような物が見えたので、「後で確認しようか」などと話しながら風穴に下りると、遊歩道の工事の人が働いていた。それにしても、風穴の遊歩道はどこまで伸びるの?という位工事が進んでいる。あの遊歩道を歩いて何を見るんだろう、木でも植えるんだろうか?

 車で帰り仕度をしていると、近くに巣があるのか、まだ例の動物がウロウロしていた。そして白い小屋のような物は、どうも水の元のトイレだったようだ。という事は・・、水の元の左の沢から、またこの時期に登ってみたいものだ。

 そして、いつものようにU氏宅で乾杯となったのだった。ももさんいつもありがとう。ごちそうさま<(_ _)>

 

【後日談 :1】例の、謎の動物の正体が判明しました。
和名=ニッポンアナグマと呼ばれる動物がそっくりでした。アナグマとは云え、こんな処に“クマ”ってか!【waiwai記】

 

 

 左: 謎の動物、 右:キテン

【後日談 :2】例の動物に出合った時に、おっちゃんが「前に見たやつがおるぞ〜」と叫んだ動物の画像(1999・9・26)があるはずと探したら、やっと見つかった。でも、ちょっと違う。情けない顔をしてた記憶だったが、やっぱり! ネットでいろいろ検索してみると京都市動物園のホンドテンの画像でなんか似てるな〜と思った。それでいろいろ調べていると、キテンとスステンがあるらしい。そういえば雪山訓練の時(2001・1・27)に成就社の白石旅館で見たな〜とまた探してみたらキテンだった。おっちゃんは耳が立ってると言うが、突然の遭遇で緊張してるのかも?野生で冬前だから毛並みが・・と思うが・・・。正体は不明だ。


 11日【御池岳】
 去年の4月13日に焼尾山へ行った帰りに国道306号線を走っていると、御池岳に登った大勢の登山者が道路を歩いていた。帰って調べると花が多い山らしい、来年のこの時期に行こうと決めていたので、すぐに決まった。

  
 名神高速を彦根ICで降りて国道306号線に入り御池岳方面が見えてくると、まだ雪が残っているのか白いものが見えた。杉林も雪の重みで折れたのか白く折れた跡が生々しい。鞍掛トンネルの出口にある駐車場は大勢の登山者で賑わっている。コグルミ谷から登る予定なのでもう少し先で車を停めようと思うが、停めれそうな所は既に停まっている。なんとか登山口の少し先に停める事が出来た。

 国道を5分歩いて8時に登山口を出発。長袖の下着を着てきたのは失敗だった、暑い!! カメラにフィルムを入れるついでに休みを要求するも、なんか嫌味っぽい返事。団体さんと抜きつ抜かれつ登る。長命水で喉を潤して雪渓(?)を横切り6合目にやっと着いたら、早く着いているおっちゃんが「紅茶を出して」と言うので、「今着いたところやないの〜、自分で取ってよ〜」と言い、一息ついたところで冬の間いなかった虫が飛んでいたので「虫が出とるな〜」と言うと、「虫もおるわ!」とにべも無い返事。おっちゃんも最近公私ともに疲れているのは分るけど・・。
 昨日の、又兵衛桜の顛末(なかなか返事をして貰えず、夜中の12時になって4時起きやなと言って寝て、目覚ましで起きた時には4時30分で日の出に間に合わず中止)から気分を害している上に、こういう返事をされたのでは楽しくないので、「私はここでゆっくりして下りるから、行ったら?」と落ち葉の上で休んだ。
 困ったおっちゃん、とりつくしまのない私をなんとかなだめようとするが・・・、微妙な女心が解らないから・・・。40分程たって重い腰を上げた。歩き始めて直ぐに白い花が咲いていて、楽しくなってきた。通りかかった人によると、ここは“スハマソウ”が咲くところで、“ミスミソウ”は日本海うんぬん・・だそうだが?? 葉っぱもわかる様に写してみたけど・・。

   
 今年は雪が多く、花が遅れているらしい。丸山という分岐辺りから本格的な雪道になり、ポッカ訓練だろうか大きなザックの男性一人、女性二人の内の初心者らしい女性が苦労している。10時30分に御池岳頂上に着いて小休止。落ちているバナナの皮を拾っていると、ボタンブチから帰ってきた男性に「ご苦労さん!私らもさっき通ったとき見つけたんだが、後で拾おうとそのまま行った・・」と、ねぎらいの言葉だった。

    
 尾根を下って気持ちのいい登山道を日本庭園(どこの事? この辺りかな〜)、真の池と歩いて少しの登りで鈴北岳に到着。少し先で昼食とした。笹の間にキクザキイチゲが二、三輪咲いていた。


前方左手奥に霊仙山、右手手前に焼尾山が見えた。

 
そして、クライマックスは今まで見た中で、最大の福寿草の群落だった。どう写せばいいの〜 私の機嫌もすっかりよくなり、おっちゃんも胸をなでおろした事だろう。ヽ(^o^)丿

       
鞍掛峠からトンネル出口までの道で咲いていた、ヤマルリソウ、マルバコンロンソウ、ヤマエンゴサク、エイザンスミレ。
道路脇に咲いていた、カタクリ、エイザンスミレ(白)、ミヤマキケマン、カキドオシ。
来週あたりは、イワウチワも咲くかな〜。


 
17日【住塚山】
 
撮影会の写真
 上の二枚の写真は、14日に写真教室の仲間と曽爾にある屏風岩へ撮影に行った。靄がでてとても幽玄だった。おっちゃんにも見せたいと持ちかけたら行ってもいいとの事で出掛けた。

17日のデジカメ撮影(おっちゃん)の写真
   
 ところが、晴天だったので全然靄がなく・・、撮影もそこそこに住塚山に行く事にした。登山道から天狗岩に咲くミツバツツジも撮影出来るかもと思ったが、植林帯を登るようになり全然見えない。半袖の下着にして来たのに暑い! カメラと三脚が重い! これでは山岳写真は撮れないわ。 40分位で頂上に着いた時にはへとへと・・、振り返れば屏風岩のこぶこぶが見える。
   
 引き返して分岐から屏風岩の上の道へ。案外広い道がついている。所々開けた所で下を覗くとカメラマンと花見客が見えた。写真を撮ろうとするのだけれど・・やっぱり、怖いわ〜(~_~;)


 18日【焼尾山】
 去年の4月13日に“イワウチワ”を見たくて当HPでもリンクしている『鈴鹿の山風』さんの山行記のプリントを片手に登ってから、はや一年がたった。写真がうまく撮れなかったのと、年に一度は見ないと・・、先週の御池岳では花が遅れているようだったので心配しつつ、去年よりは5日遅いから大丈夫だろうと決めた。

   
 名神高速を彦根ICで降りて国道306号線を御池岳の登山者を横目に通り過ぎ、船原から中電開閉所に向かう。去年は登山口まで行くのに右往左往して大変だったが、今回は迷う心配はない。登山口には車が一台、単独の男性が準備をしていて、先に登っていった。
 植林帯の“鉄塔巡視路”は、階段状に整備されているはずなのにガレ場に入ってしまったが、右手に行くと巡視路に出た。No.2鉄塔を過ぎ、No.3鉄塔には寄らずに登っていると、先程の男性が後から追いついて来た。「先週、鞍掛峠から行ったらイワウチワがちらほら咲いていたので、今週はこちらから来ました」との事で、プリントアウトしたものを持っていた。
 去年、カタクリはこの辺にしか咲いてなかったが、今年は終わっている。トラバース道は帰りに使う事にして、急斜面をNo.4鉄塔に登る。吹き渡る風が気持ちいい。
 おっちゃんが、去年二人組が待っていてくれた辺りで先程の男性にあらかたの説明をしてあげて先行した。伐採地のイワウチワは去年より少ないみたいでガッカリ・・、それでも写しとかなくちゃ〜っと!

   
 気持ちのいい尾根道には、キランソウ、ショウジョウバカマ、スミレがずっと咲いている。カタクリは群落こそないもののあちこちに咲いている。そして、ルートで一番暑くてしんどい尾根道を越えると、イワウチワ尾根(?)だ。いままで、一人の登山者だったのに、鞍瀬峠から5人、4人、2人のパーティが来ていた。それでも少ないほうだ。イワウチワがいっぱいで腰を下ろす場所がないが、女性2人がもう終わりますからと変わってくれた。お昼を食べて、さ〜撮影タイム!!
 
 
 時間を忘れて、滑り落ちそうになりながら撮ったが難しい〜、あっちむいたり、こっちむいたりしているし・・。終えて戻ると、撮影を終えたおっちゃんがコーヒーを沸かしてくれていた。(^^♪
 下山路の尾根道に“白石山”という古い標識が建てられている。去年咲いていたバイカオウレンが見あたらなかったので、気を付けて歩いていると、花は終わって実になっていた。
 尾根道を外さず降りればいいが、ちょっと迷いやすいところがある。「あれっ!」と思う所があったが、見覚えのある伐採地があり、往路はトラバースした所だった。No.4鉄塔のトラバース道は慎重に通過しないと、少し怖いところがある。
 撮影は失敗だった・・・が、爽やかな春風の中で静かな尾根歩きができて楽しかった。