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CD Release

第310回 まゆみ

はじめに

 年が明けて、まーちゃんの年明けライブの3日の公演が終了しました。まだ詳しくは書きませんけど、今年に臨むまーちゃんの決意がどこか感じられるライブだったように思います。で、ファンクラブの会報を見ると、去年あたりの一連の動きがあって、今年は原点も見つつ、新しく踏み出すための年にしようとしているようですね。そこへ向かう意識を作ったのは、「まゆみ」をアルバムに於いてカバーしたこともひとつあるのかな、と思います。
 今回は、その「まゆみ」から、何か書いてみようと思っています。

たくさんのまーちゃん

 作品紹介の方でも書きましたけど、まーちゃんがこの曲を歌った場合、本当に不思議な効果が出てくるんですよね。過去の自分に語りかけているようでもあり、今の自分自身をより客観的な目で見つめて歌っているような雰囲気もあり、あるいは今の素の自分が見えていたり、そして、時には周りにいる人たちに向けてメッセージを発している感じもするという感覚ですね。最初に聴いたとき、「いったい何人のまーちゃんがいるんだろう」という気がしました。
 人それぞれに、大変なときに心を支えてくれた曲というのはどんな形であれ、程度の差こそあれ、あるんだと思います。それが、まーちゃんの場合はKANの歌う「まゆみ」だったということは、この曲について話をする時にまーちゃんは言っています。当時のまーちゃんは、この曲のメッセージをどこかで飯塚雅弓自身に向けなおして聴くことで、気持ちを励ましていたんでしょうね。
 そうした経緯があったからこそ、もともとは「まゆみ」という名前を仮に設定した相手の女性へのメッセージだったと思われるこの曲をまーちゃんが歌ったときに、過去も現在も、主観も客観も全てその中に織り込んで、その上で先へ進んでいくような気持ちまで生まれてくるような、重層的で複雑な「まゆみ」という曲になったんだと思います。そして、その全てを感じ取れるから、聴いた時に「色々あるけれど、しっかりやっていこう」という気持ちになっていけるんじゃないでしょうか。

カバーするタイミング

 さて、この曲をカバーするに当たって、「以前からカバーもやってみたかった」ということは言っています。ただ、そのタイミングがなかなかなくて、実現しなかったようですが。そして、今回はアルバム「センチメンタルCANDY」制作の最終盤に、後1曲をどうするかで「カバーやってみる?」となった時にぱっと浮かんできたこの曲が、アルバムのテーマにぴったりはまるから、ということで決定したという話ですね。
 周囲の受け手からすると、「自分のアルバムなんだから、自分の好きなようにカバーもやっちゃえばいいんじゃない?」という気もしないじゃないんですけどね。ただ、当のアーティストとしては、なかなかそうもいかないようですね。何かをカバーするにしても、「その曲を今歌う必然性」というものが気になるところがあるみたいです。岡崎律子さんも、サイトにそうしたことを書いたことがありましたしね。ライブではよくカバーをやってくる人も、自分のオリジナルアルバムではほとんど入らないというのは、そうしたことがあるんでしょう。
 その一方で、いい曲があれば歌ってみたいというのは自然に出てくる欲求でしょうから、タイミングがきっちり合ったときにはそうしたものを取り入れていくのも悪くはないのかな、というように思います。ま、もちろん前提として、しっかり自分の中に取り込んで、表現しなおせることというのはありますけどね。今回は、そこまできっちりできたということで、かなり上質のカバーになったんじゃないかというのは素直な感想です。

最後に

 ということで、「まゆみ」から思ったことを書いてみました。アルバム「センチメンタルCANDY」ではいろいろと新しいものが見えていますが、その中のひとつがこれですね。今後のまーちゃんを想像したときに、今回のアルバムは大きなターニングポイントになりそうな気はしますが、その中でも大きな要素なんだと思います。原点を見つめなおそうという、大きなきっかけになったんじゃないでしょうか。そして、その上でまーちゃんがこれからどんなふうになっていくのか、楽しみに見ていたいと思います。


 次回は、「SENTIMELODY」です。夏のライブの時のこと、初めて聴いたときのこと、そのあたりを思い返しながら書いていこうかな、と思っています。

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