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CD Release

第308回 瞬き

はじめに

 というわけで、12月の第2週目です。まーちゃん的なことで今年を振り返ると、夏のライブでのワンシーンで思ったことが今でもしっかりと刻まれていたりもします。1年でも一瞬のように過ぎてしまうのに、その中にずっととどめていられる一瞬のことがある、時間の不思議さですね。
 今回は、そんな時間を背景に、大事な気持ちを温かく歌っている「瞬き」から何か書いてみようと思っています。

一瞬と長い時間と

 本当に、時間の流れっていうのは不思議なもので、ほんの一瞬のことがいつまでも続くように思えたり、あるいは長い月日が気がついてみたらあっという間に過ぎていたり、その時々で感じ方が変わりますね。ごく普通に過ごしていても、岡崎律子さんの「月下の散歩」の冒頭にあるような気分になることはよくあります。それが、何か大事なものに出会った一瞬と、普段の時間の差だったら、なおさらなんじゃないでしょうか。
 この曲の場合、その一瞬が息を止めた時だったり、大切の意味に気がついた時なんでしょう。そして、その場面があったからこそ、瞬きのように過ぎていく時間をより意識するようになっているような気がします。その中で、移り変わっていく周囲の中にあって、変わらずにあったものや変わらずにいてくれた人への気持ちの温かさ、というところがひとつの主眼でしょうね。
 そうしたところが次第次第に積み重なって、ずっと昔、それこそ実際に出会う前から知っているような気持ちになったり、あるいは、ある意味で時間が止まったようになり、それ以上は何もいらないとも思えたりするようになるんでしょう。そうした時、ふと振り返ると全てが輝いているように感じるんだと思います。長い時間をかけて昇華させた気持ちの美しさですね。でも、その時間でさえも一瞬に思えるのかもしれませんが。

溢れ続けた想いは

 さて、詞を読んでいてふと思ったんですが、この曲は「SENTIMELODY」の後の話という解釈ができるんじゃないでしょうか。もちろん、「SENTIMELODY」の段階でも相手と出会ってからある程度の時間は経過していて、そこから最初の頃を思い返してもいるわけですが、その後さらに長い時間が経過した後の気持ちをこの曲で描写しているように思います。
 なので、「SENTIMELODY」では時に激しささえも感じさせるような表現でその気持ちを歌っているのに対し、「瞬き」においてはそうした感情まで含めたすべてのものを穏やかに包み込んでいる、そんな気もします。だからといって、その想いが減じているかといえば決してそうではなく、むしろさらに深くなっているようにも感じられます。
 「SENTIMELODY」の頃はほとばしるように気持ちがあふれ出しているのが明確に分かるのに対して、そのままの状態でさらに長い時間が経った後、溢れ続けた思いはそう簡単には底が見えないほどに深くなり、同じ勢いであふれ出していても表面からはそうとは気づきにくい、そんな状態なのかもしれないですね。そして、その想いの量に気がついた時には、すでにそれに包まれているんじゃないかと思います。

最後に

 「瞬き」から思ったことを書いてみました。冒頭の部分からなんだと思いますが、この曲でイメージするのは、ちょうどいい気温のときの穏やかな陽だまりなんですね。その温かさ、心地よさは自然と染み込んでくるものなので、そこにずっといないと本当の快さまで届かないのかも…なんて、最近は聴いていると思います。だから、夏のライブの時はこの曲の本当の良さにちょっと気付ききれなかったのかもしれないです。繰り返し聴くことでその魅力に気がついていく(「気がつく」じゃないんですね)そんな曲でしょう。


 次回は、「まゆみ」…に行く前に、年明けライブの前に思うこと、ですね。また来年も楽しくスタートできるように、という気持ちも込めながらいきますか。

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