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CD Release

第280回 愛しい時間

はじめに

 もう10月も半ばになり、日によっては長袖1枚ではちょっと肌寒いかなということも感じるようになってきました(私がいるところに限らず、都内でも)。そうなってくると、時に適度に暖かい日や、あるいは暑かった日を思い出すこともあるわけですね。
 今回は、そんなふうに季節がすぎた後で夏の日を思い出しているような雰囲気もある「愛しい時間」から、何かしら書いていけたらな、と思っています。

季節が過ぎても

 この曲において歌われている始まりの場面は、夏の日差しの中で二人が出会った場面ですね。だから、その時はもちろん「暑いよね〜」とか言っていたとは思います。それが時間を重ねていくことで、不快だった部分は浄化されて、出会いの温かさが残ったという雰囲気ですね。そして、そのことを大事にしつつ、明日へとつないでいこう、という曲です。
 面白いと思うのは、夏のことを思い出すシーンから入っていくのに、曲全体を包む雰囲気は暖かいものになっているという点でしょうね。どちらかと言えば、冬に聴くのが合いそうな気さえする暖かさかとも思います。そのあたりは、情景よりは心情を素直な感じで歌っていっているところからくるものでしょう。
 だから、それほど季節感がどうとか言うところではないのかもしれないんですが、それでも通年で夏のことを心地よくほのかに思い返しつつ聞けるのが、この曲のひとつの魅力なんでしょう。あるいは、その季節のことを、まったく別の季節に聞いててもほのかに感じられるのが、表現がうまくいった曲ということになるのかもしれないですね。

その時に思ったこと

 さて、この曲は2004年発売のアルバム「∞Infinity∞」に、初めて星舞の名前で作った曲として収録されています。当時、まーちゃんはそれが自分のことだとはいうアナウンスをまったくせずに、他の人たちによる曲とまったく同列に並べて発表しました。なので、「この人誰だろう?」という疑問はけっこう多くの人が持ったんじゃないかと思います。
 私もそうしたことを思いながらこの曲を聴いていました。その中で、この曲にはどこか岡崎律子さんに通じるような暖かさを感じていました。このアルバムの発売前に岡崎さんは亡くなられているので、願望的なところもあったかもと思いますが、そう思わせるところもあったのは事実でしょうね。
 まーちゃんの場合、デビューアルバムの「かたおもい」からずっと岡崎律子さんや大津美紀さんの暖かさを感じさせるナンバーを歌ってきているので、そうした蓄積が自分で曲を作るときになって自然と浮かびあがってきたということでしょうか。本人がいなくなっても、何かしらどこかしら想いや記憶が繋がっていっているのかもしれませんね。

最後に

 と、「愛しい時間」から連想したことを書きました。まーちゃんの音楽活動においても、もちろんいくつかのターニングポイントと言うのはありますが、この曲はその明白なひとつでしょうね。ここから少しずつ、自分で曲を書くこともするようになっているわけですし。その場所にある曲が、まーちゃんの持つ暖かさを十分に感じさせるものであるのが、やっぱりいいなと感じます。


 次回は特定の曲ということではなしに、スローライフな場面に聞いてみたい曲を選んでみようかな、と思っています。基本はもちろんまーちゃんですが、他のところも少し挙げましょうかね。

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