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CD Release

第273回 すきです。

はじめに

 梅雨の真っ只中の6月終盤となりました。先週のファンクラブイベントなど、時には天気が落ち着いているときもありますが、やっぱり、この時期は基本的に雨続きですね。台風が来たのは何年ぶりなんだか、というところですけれど(苦笑)。その分、気持ちとしてはある意味落ち着いた感じで過ごしている日々が多いようにも思います。
 今回は、雨の中で自分の気持ちを確かめている感じもある「すきです。」から、何かしら書いてみようと思っています。

まーちゃんのひとつの面

 2002年の「Strawberry Rainbow Tour 2002」の時、ON AIR OSAKAでもらった会場のパンフレットには、「優しいウィスパーボイス」とまーちゃんのことが紹介してありました。その頃から10年、今はかなり元気なイメージの方が前面に出ているまーちゃんではありますが、それでも「ワスレナグサ」など、そうした雰囲気を感じさせてくれる曲もあるわけで、そちらもまーちゃんの大きなひとつの面なんじゃないか、と思います。
 で、そんなまーちゃんのウィスパーの魅力を最大に引き出したことで、そのイメージの確立に大きく寄与したのがこの「すきです。」だということになると思います。それまでにも、「初秋」や「Babyblue」、「everyday」などでそのウィスパーの魅力を示していたわけですが、この曲でそこを最大限に生かすアレンジをしたことによって、シンガーとしてのまーちゃんの持つ魅力の大きな一面としてそこが認識されるようになった、というのはあるんでしょうから。
 何せ、冒頭はまるっきりの無伴奏ですし、曲が進んでいってもシンプルに、まーちゃんの声を引き立たせるためのアレンジというのに終始してますから。それはよりその魅力が聞こえてくる、というものでしょう。曲の制作段階で、アーティストとしてのまーちゃんのひとつのポイントにすることをどの程度意識していたのかは分かりませんが、今振り返って考えると、こうした意味でこの曲がポイントの一つということになると思います。

歌詞表現

 さて、この曲では、特に冒頭において訥々とした語り口で自分の気持ちを確かめているようなところがあります。そのことが、ライナーノートに記載されている歌詞を見たときにより印象付けられるわけですね。実際、アルバムを購入して最初にライナーを見たときにインパクトは大きかったですし。何せ、歌詞が全てひらがなで表記されてますから。それもあって、たどたどしいけど気持ちは真剣な…というのがより分かるようになっていると思います。
 もちろん、曲は耳から入ってくるものではありますが、そのイメージをうまく補完する形で詞の表記がなされた場合、その言葉たちはより強く印象に残ってくるというところでしょう。まぁ、歌詞カードをまったく見ないという人には効果がないという一面もありますが(苦笑)、文字は視覚情報なので、そこから受ける印象までしっかり考えて表記した結果、ここでは目と耳の相互作用で強い印象を与えるものになったということですね。
 で、実際の話、この表現方法を使ったのは後にも先にもこの1曲だけです。何せ、インパクトが強すぎてそういつも何度も使えるようなものでもないでしょうし。それに、この曲の場合はうまくいっているとは思うんですが、曲によっては逆に表現のインパクトが強すぎて逆に気持ちに入ってこなくなる危険性もあるんじゃないかと思います。この辺、当て字なんかと同じですね。表現方法の選択というのは、難しいものなんだと思います。

最後に

 と、「すきです。」から思ったことを書いてみました。この曲の一番のポイントは、シンプルだけど強い気持ちというところでしょうか。そうした真摯な部分をウィスパーに乗せて、そっと確かに気持ちに届けてくる、そんなところが魅力でしょう。だからこそ、ラジオで「この曲に励まされて」といったような話が出てくるわけですしね。ライブなどではめったに聴きませんが、やはりいい曲のひとつだと思います。


 次回は「りょうおもい。」から何か書いてみたいと思います。夏にそろそろ入りそうですしね。明るいのもいいでしょう、ということで。

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