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CD Release

第271回 君想う空に願う

はじめに

 もちろん、地域によっては入梅しているところもある5月末の時期ですが、まだ関東近辺…と言うか、日本のほとんどの場所では入梅前なので、青い空が一番気持ちよく見える、そんな季節が今ですね。そんな空を見上げながら、ついつい思いを馳せるなんてこともあるかもしれません。
 今回は、そんな場面を描いた「君想う空に願う」から何かしら書けたらな、と思っています。

「今を生きる」って?

 この曲は実際には冬の歌で、朝の陽が降り注ぐ中、今までのことや大事な人を思い返して、今をしっかりと生きていこう、という曲ですね。状況とか雰囲気とか、岡崎律子さんの「冬の陽」を思い起こさせるものがあるように感じます。そして、そこでも言っていますし、あるいはrinoさんの「今を生きて」でもあるように、「大事なのは今を生きることなんだ」ということですね。
 とは言え、単に「今を生きる」と言ってもどういうことなんだろうという疑問もでてくるときはあります。ぼーっとしてても、生きていることには変わりないんじゃないか、という意見はもちろんありますしね。その疑問に対する答えのひとつが、この曲で提示されているんだろうと想います。
 つまりは、今あるものやこれまで得たものをしっかりと認識して、目指すところをしっかりと意識した上で、じゃあ今はどういう立ち居地にいるのか、ということをちゃんと確認しつつ日々を送るということでしょう。それが時に表現として出てくる「今を生きる」ということの意味なんでしょう。もちろん、それを常日頃し続けるのは大変でしょうけど、ある程度の頻度ではやっておいたほうがいいことなんでしょうね。特に、将来的に目指すものがある場合には。

まーちゃんの本質

 さて、まーちゃんのアルバムについては、ライナーノートに演奏者のデータもちゃんと書いてありますが、この曲についてはピアノとチェロだけというアレンジになっています。しかも、1コーラス目はピアノだけなので、本当にシンプルな作りと言えるでしょう。その分、まーちゃんの声の質が際立つわけですね。
 度々書いている通り、まーちゃんの声についてはその透明感が魅力なんですが、ここではそれに加えてどこか張り詰めたような、そんな雰囲気も感じます。こうしたところは、冬の凛とした空気をどこかに感じているというところと、しっかり自分の中を見つめていこうとするところからきているんだと思います。
 他にまーちゃんのボーカルが目立つ曲だと、「すきです。」はどこかしら不安な部分がありますし、「Babyblue」は爽快感でしょう。あるいは、「ひまわり」のアルバムの最後に入っているバージョンだと、確固たる医師だと思います。
 「B.B.B.」に収録されている長谷川智樹さんのインタビューで、「まーちゃんは本質的には役者なんだ」というようなことが語られていますが、そうした面が、こうした場面場面で現れている、ということでしょうね。それが、より曲の世界をしっかりと感じさせてくれるということにつながってきてるんだと思います。

最後に

 「君想う空に願う」から思ったことを書きました。この極にすることを決め手から、冬の歌だったことに気がついたんですが、まぁ、いい曲は季節はあまり問わないで聞けるということもありますしね。こういうのもたまにはいいでしょう。


 さて、次回は「虹と素足のストーリー」でいってみたいと思います。梅雨時に入るでしょうし、そんな晴れ間を期待しながら、ですね。

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