タイトルバー トップへ メールはこちらから
トップ>歌に願いを>第268回

CD Release

第268回 ひとりの夜

はじめに

 春と言えば出会いと別れの季節ということになっています。実際、この時期に生活環境が大きく変わることが多いので、それに伴って周囲にいる人ががらっと変わったという方も多いと思います。その結果、好きな人と遠く離れるということもあるわけですね。
 今回は、どういう状況でかは分かりませんが、そういうことになってしまった「ひとりの夜」から何かしら書いてみようと思っています。

同じ空の下でも

 好きな人と遠く離れてしまって、つい夜の星を見上げながらいろいろなことを自然に回想し、願いもしているというのがこの曲での状況です。そんな時に、「同じ空の下にいるんだから」というのはいろいろな曲で聞かれる表現ですし、まーちゃんは曲のみならずたびたびブログでも書いたりしています。確かに、そう思うことでひとりじゃないというのを実感できたりしますしね。
 とは言うものの、そのどこかにいることは分かっていても、もはや会うことがかなわない場合、逆にそれは辛さを増幅させる要因にもなってくるんでしょう。そんな場面がこの曲でしょう。あるいは、「かさぶたの恋」や「青い夕暮れ」、「忘れない。」といったあたりもそんな雰囲気はありますね。特に、これらの曲の場合はそうなった直後ということもありますので、なおさら辛い、というところもあるでしょう。
 もし、そんな状況でなければ、「星空にお祈り」みたいに電話で話すこともできるんでしょうし、「優しい約束〜TO MY FRIEND〜」や「聴かせてよ君の声」のように願いはきっと通じてると信じられますから、「同じ空の下」が暖かさをもたらすんですけどね。時期によっては同じものが辛くもなる、ということのひとつの例でしょうか。

時間だけが過ぎれば

 そんな状況から抜け出すのに時間がかかりそうなのは、この曲の中でもうすうす気がついていますし、もしかしたらもう抜け出し始めているような雰囲気は最後のところで描写されてもいます。結局のところ、自分がそばにいなくても幸せであってくれたらという願いを込められるのは、気持ちの中で痛みが暖かさに変わってきだしているからでしょうしね。
 もちろん、そんなすぐに全ての気持ちがそうなるというのはないでしょうし、その後もつい声を聞きたくなるときはあるでしょう。それはもしかしたら、どれだけ時間が経っても残るのかもしれないですし。それでも、結局のところ、時間が経てば暖かい気持ちで思い出すことができるようになると思います。「あの日のlove letter」や「ワスレナグサ」といったところでそうしているように、ですね。
 それまでは、「初秋」にあるように、痛さや辛さを抱えたままでもいいから、どこかに向かえていると信じてやっていくしかないんでしょう。そうすることで、ふと気がついたときに暖かさを持って思い出すことができている、というようになるんだと思います。

最後に

 「ひとりの夜」から思ったことを書きました。「星空にお祈り」や「優しい約束〜TO MY FRIEND〜」など、夜空を見上げて何かを想う曲はまーちゃんにも結構ありますが、その中でも、切なさがより響いてくるというところが、この曲の特徴でしょうね。


 次回は4月の後半、ということでそろそろ晴れた空が気持ちいい頃でしょうから、「君と大空へ」から何か書いてみようと想っています。

Top | Past & Now | 作品紹介 | Data Files | 歌に願いを | Event Report
Photograph | まーちゃんラジオメモ | 管理人室 | 更新履歴 | Links | Contact
©2001-2025 by TyM