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CD Release

第266回 小さな私から

はじめに

 世間では次第次第に世界標準でもある9月を節目にしようという動きもでてきていますが、それでもまだ日本では主な節目は3月にやってくるといっていいでしょう。この時期になると、いろいろな物事を整理して、次に進んでいく人も多い頃だと思います。その最中に、懐かしいものを見つけてしまい、作業の手がついとまってしまう、というのもよくある話ではないでしょうか。
 今回は、そんなふうにして遥かな昔を振り返っているのかも…といった感のある「小さな私から」について、何かしら書いてみたいと思います。

昔を振り返り

 この曲の場合、ふとしたきっかけで昔を振り返り、それで今いる場所や今ある気持ちを改めて意識することで、これから大切なことをしっかり表現ながら歩いていこうという場面が歌われています。その意思や過程のせいなのか、曲全体に流れる雰囲気がだいぶ大人を感じられるものになっている、というのは発表された当時からの感想ですね。
 そんなふうに、昔を振り返ることで今の意識を高めるという曲だと、以前のこともよく見える上に、その上にしっかり立脚できるからなのか、大人の雰囲気を感じさせるものが多いんじゃないか、というように思います。まーちゃんで言ったら「For you」や「Polaris」あたりで顕著だと思います。他に、水樹奈々さんだったら「Sing Forever」、渡辺美里さんなら「JUMP」、CooRieでは「My Dearest」といったところが出てきます。
 常に過去のことを振り返りながら、という必要もないでしょうけど、時にそうすることで自分のいる場所が明確になるというのもひとつ確かなことでしょう。それをより落ち着いてできるのは、ある程度の時間が過ぎた後でしょうし、そうしたものをしっかりと受け止められるのは、ある程度の強さが必要なわけで、そうしたところが重なり合って、これらの曲に大人の雰囲気を生み出してきているんだと思います。

感じる雰囲気

 さて、まーちゃんはアーティストとして15年目になりますが、時系列を眺めてみると、アルバム「AERIS」から「ひまわり」にあたるこの頃はかなり大人な雰囲気を出していたように思います。それが顕著にでているのはこの曲であり、「For you」であるわけですけど、他にも「My happy day」のような軽やかな余裕を感じさせるものや、「MELODY」のような確かな意思を感じさせるものもあり、いろんな面の気持ちを出せるようになってきたこともひとつあるかもしれません。
 アルバム「so loving」までのひたむきさや素直さに加えて、そうしたところも出せるようになってきたというのは、この時期の明確な成長なんだと思いますし、それを踏まえた上で出した翌年以降の曲にも、どこか影響しているんでしょう。「恋の色」のようにひたすら元気で明るいものもありますが、「お・し・え・て」のように深さを感じるラブソングもあったり、幅が出ていったように思います。
 そして、2011年から12年にかけての今、「TRUST〜君と歩く未来〜」や「君の笑顔は僕の宝物」でいろいろなことをしっかり受け止めて、自分にできることをやっていく、そんな一人の人としての姿を見せているわけですが、再びそうした雰囲気が顕著に出ている時期になっているのかもしれません。もちろん、社会情勢などの要因もあり、気持ちがどうしてもそういう方向へ向かわざるをえない時期ではあったわけですが。
 そうしたものを踏まえて、これからのまーちゃんがどんな風に歌っていくのか、興味深いところではないでしょうか。とりあえずは次のアルバムがどうなってくるか、ですね。

最後に

 「小さな私から」について見てきました。アルバム「ミントと口笛」の候補曲にもあったというのは、まーちゃんがかつて話していたことですが、ここまで待ったことで曲の深さというものも加わってきたのかもしれません。そして、この時期の雰囲気を代表するようなものになったというのもあるでしょうか。そう考えると、やっぱり歌うタイミングっていうのはあるのかな、とも思います。


 次は「I'm in the Pink」から何かしら書いてみたいと思っています。時期的なものとは関係はまるっきりないんですけどね(笑)。

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