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CD Release

第254回 海辺で綴ったラブレター

はじめに

 9月も10日を過ぎ、だいぶ気温の方も過ごしやすくなってきました。それでも、まだ暑いときは暑いんですが、その中にも秋の気配をだいぶ感じるようになっています。ここまで来ると、各地の海もだいぶ清閑な光景になっているんではないでしょうか。私は山地に住んでいるので、海辺の様子は想像ですけど、それでも真夏の賑わいもだいぶ遠いこととなったと思います。
 今回は、そんな時期の海辺にまーちゃんが出向いて曲を作った「海辺で作ったラブレター」から何か書いてみようと思っています。

まーちゃんの個性

 「愛しい時間」以来まーちゃんは自分で作曲するときには星舞の名前をクレジットしていますが、唯一本名の飯塚雅弓をクレジットしているのがこの曲ですね。アーティストブック[soave]が2000年の暮れに出版される際にどうせなら自分でひとつ曲を作ろうか、という経緯で生まれた曲なので、そうなっているわけです。「愛しい時間」から数えると大体3年半ぐらい前のことになるんだと思います。そんなちょっとしたクレジットの違いというものはありますが、どちらにせよまーちゃんの作った曲というのには変わりないですね。
 今、まーちゃんが作曲した曲は全部で14、三重野瞳さんに提供した「サヨナラバイバイ」を含めると15あります。もちろん、その中には「M」のようなじっくりと語りかけるようなバラードもありますし、「りょうおもい。」のようなポップで元気なナンバーもあります。いろいろなものがある中で、共通しているのはどこかに暖かさを感じるところなんじゃないか、というように思うんですよね。「サヨナラバイバイ」でもそこから、ヴォーカルの三重野瞳さんの後にまーちゃんを感じられるんでしょうし。
 この曲はどこか言葉数は少なく、じっくり語りかけるような雰囲気もありますし、どこか切ない色も感じさせつつ、そうした中にもちゃんと暖かい感覚というのはあるように思います。そして、最初に作ったナンバーでそれをしっかり感じられるということは、それが作曲する時のまーちゃんの個性といえるんじゃないでしょうか。これからも時に応じて曲を作ると思いますが、そうしたところはずっとあってほしいですね。

全体の状況とその場の空気

 さて、この曲は9月の上旬に鎌倉の海へ小さなキーボードを持っていって作っているわけです。やっぱり、夏の賑わいが去った後の海というのはどこか切なさを感じさせるらしくて、そうしたところがこの曲の色に大きな影響を与えているのは確かでしょうね。まーちゃんでなくとも、夏の終わりの海の切なさといったらサザンの「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」とか、いろいろあるので、その辺は人にとっての共通認識というところでしょうか。
 とは言うものの、当時のまーちゃんはちょうど「Very Strawberry Tour 2000」が始まったばかりなので、多分テンションも上がっていたと思うんですが、そんな中でこの曲が生まれたというのが、思い返すと不思議でもあり、面白くもあり、というところなんですよね。以前に岡崎律子さんが「楽しい時に楽しい曲を書くとは限らない」ということをWebサイトで言っておられましたが、じゃあどういう要素で…って言ったら、その場の雰囲気や空気感なのかな、と。
 まーちゃん自身も、その時のことをアーティストブックの中で振り返ったときに、「あの切ないメロディが自然と浮かんできた」と言っていますし、そうした周りの状況っていうのは気持ちに大きな影響を与えるというのがここでも見られるってことでしょうね。全体の状況がどうであれ、その時その時でまた別の気持ちっていうのが面白いところなのかもしれません。

最後に

 「海辺に綴ったラブレター」から思ったことを書いてみました。それにしても、もともとアーティストブックの付属CDとして作ったものが、オリジナルセレクションアルバムの中に入ってきたり、ライブで歌ったりしてくるんですから、けっこうまーちゃんとしても眠らせるにはもったいないっていう、思い入れみたいなものがあったんでしょうね。それはこっちにとっても嬉しいことだと思います。


 さて、次回は「LET'S!!」で何か書いて見たいと思います。スクールカレンダーなんかだと半分を過ぎる頃ですし、いいタイミングなのかもしれないですね。

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