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CD Release

第233回 Ladybird

はじめに

 10月も後半になり、次第に秋から冬へと季節は移っていくので、見ていて楽しい虫もそうでない虫もその辺で見かけることは少なくなってきています。まぁ、虫というと実際には敬遠する人も多いでしょうけど、それでも可愛いものは可愛いんじゃないか、と思います。てんとう虫とかちょうちょはそうした虫の代表でしょうね。
 今回は、そんなてんとう虫のおまじないからイメージを膨らませている感のある、「Ladybird」から2点ほど書いてみたいと思っています。

願うこと

 空に向けた指にてんとう虫をとめて、ふーっと飛ばすと願いが叶う…というのが、この曲のモチーフになっているおまじないですが。けっこう、その願いごとは多岐にわたっているようで、恋の行方から世界平和までという感じになっています。まぁ、正直な話、世界平和云々は「Strawberry Christmas for You 2005」で曲を作った長谷川氏のトークを聴くまで気がつかなかったんですけどね(苦笑)。
 普通に平和を祈念する、あるいは反戦の歌を作るとなると、多分一兵士の視点から書くのが一番やりやすいんだろうな、というのはあって、例えばチェッカーズの「Lonely Soldier」とか、桑田佳祐さんの「しゃァない節」、あるいは緒方恵美さんの「ただ明日のために」や「Can you hear me?」あたりなんかがぽんと出てくるんですけどね。逆に言うと、この曲はそうじゃなかったからすぐには気がつかなかった、というのもありますか。確かに、時も距離も越えて喜びの歌を歌うっていうのは、世界中が平和じゃないとなかなかできないでしょうしね。
 そこに気がつくと、今度はまーちゃんの他の曲の中にもいくつかそうしたものがあるんじゃないか、ということになるんですけどね。例えば「SOMEDAY」にもそんなところが少し含まれているような気がしますし、より明確な形としては「Your Song」があるでしょう。まーちゃんの場合は、次第に暖かさを周りに染み込ませていく形でそうしたことを歌っているように思います。切迫感や悲壮感からではないところが、まーちゃんの性格なのかもしれないですね。

時間の幅

 さて、願いごとの範囲が多岐にわたっているのと同様に、季節も単一の時を扱うわけじゃなくて、春もあれば冬もあるという感じで、幅が広くなっています。この曲が入っているミニアルバム「Fly Ladybird Fly」は特に後半でクリスマスを意識しているところもかなり感じられるので、この曲の季節の幅の広さをより感じられることにもなりますか。
 単一の時期、あるいは時間に集中して描かれたものは、その時の情景をより事細かに描きます。アルバム「Stories」や「ファイト!!」、あるいは「君へ。。。」といったところは、ひとつの曲だけじゃなしに、アルバム全体を通してそうしたことをやっている感じがありますね。もちろん、収録されているそれぞれの曲にもそうしたところはあるわけですが。
 その一方で、こうして周年的だったり、あるいは1日の中のいろんな時間を扱っていたりすると、今度はそこで描かれている事に広がりがより出てくるように感じます。渡辺美里さんの「初恋」だったり、岡崎律子さんの「長距離電話」、あるいは「春の歓び」あたりですかね。まーちゃんで言ったら、1週間のスパンで「everyday」、1日の中では「君は君のままで」でしょう。より大きな時間の流れを感じて、どこかゆったりともした気持ちになれるのが、こうした曲の魅力なのかもしれません。

最後に

 こんな感じで、2点書いてみました。実際、時間や空間の扱い方が広がりを感じさせる曲ではありますが、もうひとつ、最後の子供たちのコーラスもそうしたところを伝えるもうひとつの要因だと思います。これらが全てあいまって、どこか大きな理想郷的なものを感じさせる、そんな1曲になっているんじゃないでしょうか。


 さて次回ですが、「オレンジと観覧車」から書いてみようと思います。そろそろ夕暮れのいい季節でしょうしね。

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