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CD Release

第225回 明日晴れたなら

はじめに

 今年は梅雨に入ったのが若干遅めで、なおかつ私がいるあたりでは本格化するのが7月に入ってからという予報なので、7月7日の七夕に晴れることはちょっと望み薄らしいですが、それでもひとつの風物詩なのは変わりがないでしょう。だからこそ、先日通りかかった平塚駅前の商店街ではもう準備が始まっているわけですしね。
 とは言うものの、やっぱりその夜には晴れて星空が見えてほしいと思う人も多いんだと思います。今回は、そんな思いの込められた「明日晴れたなら」から、何かしら書いてみたいところです。

七夕に

 まーちゃんが七夕の頃の気持ちや風景を織り込んで歌詞を書くのは「ユニフォーム」に続いてこの曲で2回目です。前回は回顧ですが、この曲では始まりを願っているということで、気持ちとしては対極といってもいいんでしょうか。そうは言っても、こうして複数回出てくるところに、季節感を大事にして生活しているまーちゃんらしさを感じたりもします。別に、本当のスタートを決めるタイミングはそこじゃなくってもいいといえば言えますし。
 ただ、作り手側としては、そうした特定の場面、それも風物詩となっているものを織り込む、あるいはモチーフとすることでその想像の翼を羽ばたかせやすくなるというのは多分あるんでしょうから、まーちゃんじゃなくってもそうしたものはけっこう目にします。特に、七夕の話はきっと少なくとも極東の人なら誰もが知っているでしょうしね。私の手元にあるのは、曲じゃないんですけどね(苦笑)。例えば、「シスタープリンセスRe Pureキャラクターズ」の春歌の話とか、今読んでいる途中のもので言えば、バリー・ヒューガートの「鳥姫伝」が例でしょうか。
 いずれにせよ、どこかにロマンティックな要素が含まれる、そうでなければ前面に出てくるのは、やっぱり七夕の物語が恋人同士のものだからなんでしょうね。そして、それに触れた人たちにもどこか甘いような気持ちを生み出させるのが、その波及する力の強いところなのかもしれません。……ところで、水樹奈々さんの今度のアルバムに「7月7日」という曲がありますが、これはどんなのになってるんでしょうかね。普通に考えれば七夕ですけど、この人の作詞ですし(笑)。

明日

 この曲では、次の日が七夕、しかもその日に向けた大きな決意があるので、より晴れてほしいという気持ちが強くなっていますが、そうでなくても次の日は晴れてほしい、あるいはいい方向に向かってほしいと願い、そしてそこに自分も向かっていこうとするのは、人の自然な気持ちでしょう。だからこそ、「Tomorrow is another day.」という諺もあるわけでしょうしね。
 だから、そういう願いはいろんな曲に託されてて、チェッカーズの「もしも明日が…」とか、岡崎律子さんの「愛すべき明日」や「リセエンヌ」、堀江由衣さんの「JET!!」、まぁ、他にもいろいろありますし、まーちゃん自身にしたって「明日になれば」が出てきますからね。そんな風に、明日がいい日になることを願い、信じていようっていうのが普通でしょうけど、いろんなことを経るうちに弱気になったり、諦めが忍び込んできたりもして、「何も変わらないさ」なんて嘯くようにもなってくるんでしょうか。それでも、心の片隅で「明日晴れるかな」と呟くのは、結局のところその願いは最後まで変わらずにあるっていうことなんだと思います。
 大津美紀さんの詩集「生まれたばかりの子ねこを抱きしめるように」に、「無意識の意思」という1篇があって、悲しみに襲われても、その次の幸せを願うのは止められないと言っています。結局、それだからこそ、人は歩いていけるってことなんだと思います。そして、その気持ちは失わないで持っていたいものなんでしょうね。

最後に

 ということで、「明日晴れたなら」から、思ったことを書いてみました。アルバム「Stories」の中の1曲ということで、恋がいよいよ動き出すその直前というところにどうしても目がいってしまいます。実際、そこでの微妙な気持ちの揺れ動きが聴いてて切ないところですしね。ただ、その他に、こうしたところもあるんでしょうというところを今回は書いた感じですね。


 さて、次ですが、ライブ直前ということで、そのステージに願うことを描いてみようと思っています。どれだけテンションを上げて描かないといけないんでしょうかね(笑)。

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