タイトルバー トップへ メールはこちらから
トップ>歌に願いを>第217回

CD Release

第217回 ワスレナグサ

はじめに

 2月も今日(28日)で終わりなので、そろそろ暖かい日が多くなってきています。その証拠に、一昨日からしばらくは雪の日ではなくて、雨の日が多いようですしね。そんな風にして、次第次第に寒さが緩んでくると、やっぱりどこかほっとする気分にもなります。そして、そろそろいろんな所でいろんな花が咲いてくる季節にもなりますが、そんな中に勿忘草もあるわけですね。
 今回は、その花の名前のように、想いを忘れることなく歩いていこうとする「ワスレナグサ」から、いくつか書いてみようと思っています。

その日まで会えないから

 ひとつの曲についての解釈は人によってそれぞれかと思いますが、私はこの曲については、究極の別れの後の気持ちなんじゃないか、と思っています。歌詞の読み方によっては、何らかの事情によって、そう簡単には会えないところへ離れていった、というふうにも読めるんですけどね。2コーラス目の言葉の選び方が、何か生別じゃなくて死別を思わせるところはどうしてもあります。
 で、そうしたところから生まれてくる気持ちを根底に感じるので、曲で歌われるいろんな場面がより重くも感じられます。もちろん、追憶の暖かさも感じるんですが、もはや自分の最期の日までは会うことが叶わないので、一緒にいた日の楽しさも後悔も、より気持ちの底で受け止めるようになっているんじゃないか、と。だからこそ、曲を聴いていてもより深い所に入ってくるように思いますし、まーちゃんがレコーディング後に疲れてたと話してましたが、それだけ心の奥から気持ちを動かすのは、その重さで大変なことでもあるということでしょう。
 そして相手に対して、今までよりも真摯な気持ちを抱いているというのも、そこからくるんじゃないかな、と思います。生きている人に対しては、過ちを犯してもまだ挽回する余地はあることが多いでしょうし、時にはごまかしも効くんでしょうけど、自分の胸の中にだけ生きている人に対しては、そうしたところはまるっきりなくて、常に最大の本音と本気でいくしかないでしょうから。だから、この曲での誓いや疑問も、より真剣みを持って聴こえてくるんだと思います。
 そうした、あるいは重さも感じるような暖かさと真摯さが、この曲の魅力なんでしょうね。

今だからこそ

 さて、ご存知のとおり、この曲はアルバム「君へ。。。 with MAYU★冬SELECTION」に収録されています。そして、まーちゃんはタイトルチューンの「君へ。。。」について、「今だから出逢えた曲」という言い方をしていますが、同じことはこの曲についてもいえるんじゃないか、と思います。実際のところ、そのあたりは、この曲をどう解釈するかにもよってくるんですが、さっき書いたような私の解釈からは、そう思えるんですね。
 もちろん、例えば20歳だったとしても、大事な人と死に別れるということは経験するでしょうけど、その痛みや喪失感は、歳を経てからのことの方がより大きいようにも思います。それだけ、長い時間を一緒に過ごすことにもなるでしょうし、気持ちの奥のところを共有する度合いも増えるでしょうから、それがもう叶わなくなる喪失感は大きくなるでしょう。
 まーちゃんも30年以上生きている中で、そうした、大事な人との別れを何度も経験してきたから、この曲での想いをよりしっかりと受け止めたり、自分自身に投影したりして歌うことができてきてるんじゃないでしょうか。だから、気持ちがちゃんと伝わってくるんだと思います。その意味において、この曲は今のまーちゃんだからこそ歌える曲なんだろうな、と思っています。

最後に

 と、「ワスレナグサ」について、思うことを2つ書いてみました。もちろん、ここでは私なりの曲の解釈に基づいていろいろと書いているわけですけど、今回はそれが特に表に出てるように自分でも思います。それだけ、その根本にある気持ち、あるいは事実が暖かくも重くて、印象的なものなんだろうな、と思います。繰り返しになりますが、そこがこの曲の魅力なんでしょうしね。


 さて、次回はどうせ3月ですしね。なぜか今までやってこなかったこの曲で行きましょうか。「It's a beautiful day〜永遠に続く日々〜」です。

Top | Past & Now | 作品紹介 | Data Files | 歌に願いを | Event Report
Photograph | まーちゃんラジオメモ | 管理人室 | 更新履歴 | Links | Contact
©2001-2025 by TyM