タイトルバー トップへ メールはこちらから
トップ>歌に願いを>第211回

CD Release

第211回 そっと

はじめに

 このところ、私のいるところでは夜にはけっこう曇っていることが多く、秋の夜長とは言っても、月や星を眺めるのがちょと難しいことになっています。まぁ、実際問題として、今の季節の夜空の星はそれほど明るくはないので、長時間眺めていないと満天の星空というのは望めないんですが。その分、見えてきたときは嬉しかったりもしますけど。
 今回は、そんな夜空の中を漂っている感のある「そっと」からいくつか書いてみようかなと思っています。

夜の空を見る視線

 この曲の場合、夜の空を見上げてたり、あるいはその中を漂っていたり…という、どこかファンタジックでもあるシチュエーションが描かれています。で、そんな詞の世界とゆらゆら揺れる三拍子の雰囲気がよくマッチしていて、そこが魅力なんでしょうね。実際、こうして夜空の下で…っていう曲の場合、あまり活発なほうの曲を聴かないようにも感じますか。堀江由衣さんの「月の気球」なんかのように、夜空をのんびり飛んでいく…っていうようなものの場合は当然でしょうけど、そうでなくても、「優しい約束〜TO MY FRIEND〜」だとか、渡辺美里さんの「ココロ銀河」、水樹奈々さんの「星空と月と花火の下」みたいに、遠い人に思いを馳せる…みたいな時はそんな感じですよね。
 だから、同じ夜空の下でも、どこかに視線の先が固定されているとまた違ってきて、「君を迎えに行くよ」みたいな雰囲気のある「Magic!」や堀江由衣さんの「Romantic Flight」だったり、どこか遥か先を目指して旅立っていく、水樹奈々さんの「SUPER GENERATION」なんかは、もっと元気なサウンドになっています。
 とは言うものの、その両方には「夜の空の下」っていう共通項があるわけで、やっぱり、サウンドとしては、どこかにきらめきというか、綺麗で透明な感じを感じられるようなものっていうところは共通しているんじゃないかな、と思います。ただ、それが多分、よりゆったりとしたものの方が感じられやすいようなところはあって、だから、そちらの方がより夜空の印象が強くもなってくるのかな、と思います。

距離感

 そんなふうに、同じ夜の空の下でも「Magic!」と「そっと」だとかなり曲調、主にサウンドやスピード感に違いがあるわけですが。大雑把に言ってしまうと、好きな人に会いたくてはやる心のうちと、会えて安らいでいる気持ちと、ということでしょうね。会いに行く段階だと、その先の楽しみへの期待やらなにやらで、自然と行動テンポも早くなるものでしょうし、そうしたところが「Magic!」のサビのちょっとせわしない感じに結びつくのかな、と。一方で、好きな人が隣にいると、世界がそこだけになって、時間の流れがある意味ゆったりと感じられるっていうところが反映されて、「そっと」のようなある意味のんびりとした、包まれるような感じが出てくるんでしょう。
 とはいうものの、大事な人が隣に…というのは、別に物理的に隣じゃなくてもいいわけで、とにかく、何かしらの形でつながっていることを感じられればいいみたいです。だから、「星空にお祈り」だとか岡崎律子さんの「流星群の日」だと電話で話してる時間の暖かさになりますし、もっと言えば、同じところにいることを信じられてればいいわけで、そのあたりが例えば「優しい約束〜TO MY FRIEND〜」をはじめとする、いろんな曲で歌われているシチュエーションになるわけでしょうね。
 同じところ、同じ空の下にいることを信じられていればいい…とは言うものの、あまり長時間がそれが続くと気持ちもしんどくなってきますから、岡崎律子さんが「長距離電話」で歌っているようなシチュエーションになる前に、たまには会いに行きましょうよ…というのも事実でしょうけど。
 そんなふうに、好きな人との心理的な距離で、同じ夜の時間曲でもいろいろと違ってくるんだな、という話でした。

最後に

 というわけで、「そっと」から思ったことを2つ書きました。ともあれ、暖かさとファンタジックさに溢れた曲なので、聴いてるとほんわかした気持ちに慣れるのがこの曲の魅力じゃないでしょうか。まーちゃんの曲の中で、こうした色合いの曲はそんなにないような気もしますが、どうでしょうね?


 さて、今年は年末から年始にかけて、アルバムやライブがいろいろと入ってきます。なので、次回が冬ライブに向けての妄想(笑)、その次2回がアルバムのことになります。それぞれ、どんなものになるんでしょうか。

Top | Past & Now | 作品紹介 | Data Files | 歌に願いを | Event Report
Photograph | まーちゃんラジオメモ | 管理人室 | 更新履歴 | Links | Contact
©2001-2025 by TyM