第190回　SS☆S08

はじめに

　1月の3日、まーちゃんがミニーちゃんになった日（笑）に、今年の冬のライブツアー「Strawberry Hop Step Jump Tour 2009」がスタートしました。そして、その日には去年の夏のライブ「Strawberry Summer Stories 2008」の渋谷公演を収録したDVD「SS☆S08 Iizuka mayumi Strawberry Summer Stories 2008」がライブ会場及びファンクラブでの数量限定で発売になり、会場を訪れた人の中には、買って帰った人も多いと思います。
　今回は、そのDVDを見ながら思ったことを書いてみたいと思っています。

会場で見るのとDVDで見るのと

　夏のライブは、アルバム「Stories」で紡いだ物語をより鮮明に描こうというのが前半部分のコンセプトでした。そのために、まーちゃんのモノローグをたくさん入れたり、あるいは衣装をこまめに換えたり、あと、これは渋谷の会場だけになりますが、モノローグ時に映像を入れたりして、曲に加えて、そうしたいろいろな要素で物語を感じさせるようにしていました。
　とは言え、実際のライブ会場では全てのところに目が届くわけにもいかず、まーちゃんの衣装を見たり、モノローグを聴くことはできていても、席の位置によってはまーちゃんが表情で伝えようとしているところが見えてこなかったり、映像が見えなかったりと、その全てを感じるのも難しいですね。だから、こうしてDVDという形になると、合間の映像もその場所にきちんと取り込んでおいてくれていますし、まーちゃんの表情での表現も近くで見られますので、そうした意味ではより物語を感じられるものになっているのかな、と思います。
　ただ、その一方で、例えば「Polaris」や「君へ続くストーリー」の前のモノローグはステージ上でまーちゃんが直接に語りかける形をとっていたので、同じ場所にいたほうがより気持ちが伝わるんだと思います。やっぱり、そこにいることで感じる空気感というものは、ライブ会場でだけのものなので、そうしたところはやっぱり会場にいないと…ですね。他にも、曲を歌ってるときの雰囲気的な大きさとか、そうしたところも入ってきますか。
　ライブDVDがライブを見に行ってない人に楽しめるものであるのはもちろんなんですけど、それ以上に、今回は「物語」というコンセプトにのっとったライブを収録しているだけに、会場に行った人にはより楽しめるものなのかもしれない、とも思います。

いつもの部分は

　さて、ライブの後半では「今までにライブで作り上げてきた曲」というコンセプトで、アンコールまで含めて、みんなで一緒に気持ちを盛り上げていこうという流れになっています。だから、映像でもその辺を意識していて、前半に比較すると格段に客席を映し出す回数が増えています。そして、そこにいる人達が、あるいはまーちゃんまで含めて一緒にライブを盛り上げて言っている様子を描き出してるわけですね。
　実際、このライブのときは前半がすべて新曲でもあり、さらには先に書いたような構成でもあったので、いつものような盛り上がりというのはそちらではあまり見られてなかったですね。「Love Knot」あたりでは引き画面で客席とまーちゃんを同時に映して、みんなの一体感を見せているシーンはけっこうありますが、客席メインの映像はそうないですし、やっぱり、いつもどおりのライブの雰囲気は後半により見えてくるな、というのが感想ではないでしょうか。
　それにしても、「君といたmemory」でも「恋の色」でも、あるいは「ひまわり」でもそうですが、映像で見るそうした一体感っていうのはすごいな…と思う一方で、会場で「もう少し自分の部分があったらな」とも感じているのを思い出しもするんですが（苦笑）。まぁ、客席の前の方が見える映像で見ると、必ずしもほんとに全員が同じことをやっているわけでもないし、それぞれでやりつつ、でもポイントはしっかり押さえて、というような感じで各自やってるんじゃないだろうか、とは思いますけどね。多分、それが一番いいんでしょうし。

最後に

　と、今のところの感想はこんなところですね。あと、もうひとつ大事な要素のコメンタリーについては本文中では書いてないのでここで書くと、三人それぞれのライブの経験からくる意見の持ち方とか、進め方の同じところ、あるいは違うところ、そうしたところが聞いてて面白かったですね。一応、ライブのコメンタリーなので、ちょっと脱線気味なのはどうかな、と思わないでもないですけど（苦笑）。でも、面白く聞けるものではあると思います。
　なので、本編もコメンタリーも、くり返し見たり聴いたりして、何かしらその都度感じ取っていけたらいいんじゃないかな、と思います。

　次回はまーちゃんが2005年に出したミニアルバム「プレゼント」から「M」を取り上げてみようと思っています。曲自体について書くのはもちろん、タイトルからも何か書けそうですね。