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CD Release

承前

 前回書いた、「歌詞とつながってるコーラスは一体どの段階で考えたのか」ということを、FCイベントのときにまーちゃんに訊いてみました。それに対してまーちゃんは「デモを聴いたときに考えてた」ということでした。私としてはアレンジの時かなと思っていたので、けっこう意外な答えでしたね。まぁ、でもケースバイケースで、アレンジのときにということもあるとも言ってはいましたけどね。ともあれ、なかなかに早い段階で考えてるんだな、ということが分かりました。

第188回 グッピー

はじめに

 12月も半ばになって、クリスマスまであと10日ほどになりました。最近は街中の商店街のみではなく、個人の家庭でもイルミネーションを作っているところがあって、華やかさがだんだん外側に広がってきているのかな、という印象があります。とは言うものの、この曲の場合はどちらかというと暗い部屋の片隅…という寂しい光景が見えてくるんですが(苦笑)。
 今回は、そんな「グッピー」について、思ったことをちょっと書いてみようかなと思います。

ひとりの部屋でもひとりじゃないような

 クリスマスといえば、家族にせよ恋人たちにせよ、華やかな雰囲気の中で楽しくて心に残るひとときを過ごすというのが一般的な認識でしょう。ですが、まーちゃんが時々「幸せなクリスマスだけじゃないし」と言っているように、そんな日でもひとりで過ごす人だって決して少なくないわけです。この曲ではそんな、クリスマスの日に、以前に二人で撮った写真を眺めながらひとりで過ごす人のことが歌われています。
 で、普通、こうした状況だとサザンオールスターズの「クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)」のように、切なさが前面に出てきてる曲になるんじゃないかな、とも思いますが、この曲の場合は決してそういうところだけが見えてるわけじゃなくて、なんとなく暖かい気持ちにもなれるような、そんな雰囲気を漂わせています。
 それはどこからくるのかと言ったら、部屋の中にグッピーがいて、彼らが気持ちを埋めてくれてるっていうところなんでしょう。私はペットを飼った経験がないので、正直分かりきれないところはあるんですが、部屋に誰かがいてくれているって言うのは、それが人ではないにせよ、気持ちを暖かくしてくれることになるんでしょうね。まぁ、帰りを待っている間のグッピーは寂しい気持ちでいっぱいなのかもしれませんが(苦笑)。

水を感じて

 さて、グッピーは魚なので、もちろんその生活する場所は水の中です。この曲では外から水の中のグッピーを見ているんですが、サウンドの方からも水のゆらめきとかを感じますし、どこかしら水の持つ神秘性や安らぐ感じも受けるように思います。そうしたところも、寂しさを軽くしてくれているようなところではあるでしょうね。
 そんなふうに、外側から水の多くあるところを眺めていてもどこか神秘的なところは感じるんですが、その中に自分が入り込むと、よりそうしたところを感じるように思います。水樹奈々さんの「deep sea」や「水中の青空」は水の中からその上にある光を見ている、あるいはそこに向かっていくという曲で、そのゆらめく光を想像すると、やはりどこか心惹かれる謎めいた感じを受けますね。
 で、別にそうした感覚は水の量の多少に関わるものでもないのかもしれなくて、「ONE〜輝く季節へ〜」のキャラクターソング「雨はそっと」の場合は水たまりに映る光景からそうしたところも受けますし、「水中の青空」の場合は実際には目に涙をたたえたまま空を見上げて、涙の向こうに見える空ですしね。「グッピー」でも、水槽でしょうからそれほど水の量は多いわけでもないでしょうし。
 だから、水にはその量に関わらず、人の気持ちを揺らす何かがあるのかもしれないですね。

最後に

 というように、「グッピー」を聴いて思ったことを書いてみました。ところで、この曲の場合、今だと聴いて時間をリアルに感じられる曲にもなってて、要するにこの曲のときはまだ前世紀だったんだな、と(苦笑)。まーちゃんの歌ってる時間の長さを感じました。今となると、揺らぎ感や安らぎとともに、こうしたところも魅力のひとつになってきてるのかもしれません。


 さて、まーちゃんが年始1月3日に恒例でライブをやっているので、こちらもその事前に思うことを書いていくのは恒例になりますね。次回はその辺の話になります。

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