タイトルバー トップへ メールはこちらから
トップ>歌に願いを>第171回

CD Release

第171回 青い夕暮れ

はじめに

 「春は出会いと別れの季節」などとよく言われますが、それまで一緒にいた場所や人と離れる人というのも多いでしょうね。もちろん、そうした寂しさがある中で次の生活を始めていかないといけないわけですけど、時にその気持ちが大きくなってきたときにどうするかってのは多分あって、その方法のとして、いっそ記憶にある場所に行ってみるっていうのはひとつの方法なのかもしれません。
 今回は、そんなふうにしていつかの海辺を訪れている「青い夕暮れ」からいくつか書いてみたいと思っています。

あの場所で

 時々書いていますが、私がこういうポピュラーソング方面に入っていったのはサザンオールスターズの「真夏の果実」からなので、こうした「別れた後の浜辺の歌」はある意味一番馴染んでいるタイプの曲だったりもします。私がまーちゃんを聴き出したのはアルバム「かたおもい」からで、その中で一番集中的にかけていたのは「かたおもい」と「口笛でル・ラ・ラ」ですけど、「青い夕暮れ」で馴染みのタイプの曲も聴けたから、より入っていけたっていうのはもしかしたらあるのかもしれません。
 これっからが本題ですが、何かと別れた後にその場所でという行動をとる人もいるらしいですね。まぁ、私もどちらかと言えばそのクチなんですが(苦笑)。そういう人が多いからこそ、こうしたタイプの曲がけっこう生まれてくるのかもしれません。サザンはほんとにお手の物で、アルバム「バラッド3 -the album of LOVE-」をちょっと眺めただけでも「忘れられたBig Wave」、「あなただけを〜Summer Heartbreak〜」、「TSUNAMI」、「BLUE HEAVEN」といった具合に出てきます。他の人でも、浜辺じゃないですが、水樹奈々さんの「大好きな君へ」がありますし、坂本麗衣さんの「空と海のように」もそんな感じなんでしょうか。
 もちろん、そこに行くのは自分ひとりなわけで、そこにいてくれた誰かは今はいないわけですけどね。だから、ある意味ではそうすることはその事実を自分でしっかりと認識するための儀式めいたところはあるのかもしれません。その上で自分の中の痛みの大きさとか、意志の強さが自覚できた時に、その儀式の最終段階として歩き出す、といったところだと思います。まだ儀式の真ん中あたりなのが「青い夕暮れ」であり、その先へ進みだすところまできたのが水樹奈々さんの「星空と月と花火の下」だとか、桑田佳祐さんの「風の詩を聴かせて」でしょう。
 もちろん、そうした痛みに負けないで歩き出すっていうのは絶対に必要なことですから、早いところそうしたほうがいいんですけど、その一方でこの痛みは甘美なところもありますからね。それだからこそ、「青い夕暮れ」みたいな曲に魅力を感じるわけですし。それぞれの場面の気持ちはしっかりと感じておいたほうがいいってことでしょうか。

5つの青

 さて、まーちゃんの曲で「青」という言葉がタイトルに出てくるのが「青い夕暮れ」、「Babyblue」、「Capri blue☆friend」の3つ。それ以外で青い色を念頭に置いて歌詞を書いたのが「Only You☆」と「とびたつ季節」なので、まーちゃんの曲の中では5つの青が描き出されてるってことになりますか。で、こうしてひとくくりにもできてしまう「青」という色ですが、もちろんその中にはさまざまな色が含まれているわけで、当然この5つの青も違ってくることにはなりますね。
 私のイメージ的なところもある程度入ってきますが、それぞれの「青」を見てみると、まず「青い夕暮れ」ではほとんど日が落ちて、真っ暗になりかかった頃の空の色でしょうね。ほとんどミッドナイトブルーって言ってもいいぐらいかもしれません。次に「Babyblue」なんですが、青い空の色に新緑の緑をほんのわずかにさしたような、そんな色でしょうね。曲中の季節は夏ですけど(笑)。「Capri blue☆friend」と「Only You☆」のアクアマリンについては、アルバム「クリスタルデイズ」にその色のスワロフスキーの写真が出てますね。カプリブルーについては、曲でのイメージもそんな感じの深みのある青でしょう。アクアマリンが、スワロフスキーのほうからまーちゃんはイメージを引っ張ってますので、クリアな空の色って感じになってますね。いろんなところで見てみると、実際は石の色よりもうちょっと緑がかってるような感じなんですが。で、最後に「とびたつ季節」の青はいうまでもなく果てしのない空の青く透明な色、と。
 こんなふうな違いはありますが、もちろん、それぞれに魅力のある色だからこそ、まーちゃんもそこをイメージしたりそこからイメージを引っ張ってきたりするわけです。それなのに、聴く側がそれをひとまとめに「青い色」として聴いていたらもったいないので、それぞれの歌詞や雰囲気から、しっかりと色をイメージの中において聴いていきたいですね。そうしたところから、よりまーちゃんのメッセージや気持ちを身近に感じられるようにもなってくるんでしょうしね。

最後に

 「青い夕暮れ」に絡めて、2つほど書いてみました。この曲はまーちゃんの作詞ですけど、今までのすべてを通してみてもこの曲みたいなのはそんなにはないかもしれないですね。そのぐらい、暗みのある青が印象的な曲でしょう。


 次回は、「赤い靴のカウボーイ」からいくつか書いてみたいな、と思います。春になって、だんだん活動的なものもいいでしょうしね。

Top | Past & Now | 作品紹介 | Data Files | 歌に願いを | Event Report
Photograph | まーちゃんラジオメモ | 管理人室 | 更新履歴 | Links | Contact
©2001-2025 by TyM