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CD Release

第149回 Your Song

はじめに

 4月も半ばを過ぎて、もう春真っ只中…のはずの今の時期ですね。ですが、ちゃんと桜の花が咲いたかと思えば、それを散らすのは雨ではなくて雪だった…と言うほどこちらでは寒い日があったり、かと思えば、さすがに厚着しては持ちこたえるのが大変なぐらいな気温の時もあったりで、春の陽気が落ち着いてくれないこの頃です。
 とは言うものの、日を追っていくにつれて、いろんな花も咲き出してきているわけで、今回はそんな季節にちょうどいいんじゃないか、とも思う「Your Song」から2つほど書いてみようかな…なんて思ってます。

生きるすべて感じ…

 この曲を聴いていて一番印象に残るのは、たぶん「生きること」に対する意欲なんだろうな、と思います。まーちゃんの普段の大きなスタンスとして、「日常的なことを歌っていきたい」というのがあって、その限りにおいてはそれほど強烈に「生きる意欲」を見せなければいけない時っていうのはそれほどないですから、なおさらこの曲で歌われていることが印象的に聴こえるんでしょうね。
 「10 LOVE」のレコーディング中のまーちゃんの周辺のことについては改めて書きませんけど、生きていれば嬉しいことや楽しいこともあり、逆に悲しいことや嫌になることもあるわけで、その辺のことをきちんと全部受け止めていこう、そしてそれをいつか実になるようにしていこうという、まーちゃんの気持ちが強く出ているんじゃないか、と思います。だから、この曲を聴いていると、時にどうしようもなく気持ちが動いてたまらなくなってくる時もありますね。
 この曲の作詞は室生あゆみさんですが、私が聴いている中ではこうしたのは岡崎律子さんがよく言っていることですね。この間林原めぐみさんが歌った「A Happy Life」とか、本当に最後のメッセージなんじゃないか、とも思える「I'm always close to you」、あるいは「空色」などで、そうした意思、あるいはそうしてほしいという気持ちが聴こえてきて、それが、弱くなっている気持ちに力強く響いてくるんですよね。曲調は穏やかだったりポップだったりするだけに、その力の強さがなおさら印象に残ります。
 ただ、励ましになるのはそれほど特別な言葉じゃなくてもいいわけで、それはまぁ、上に書いた曲でも同じですが、例えば坂本麗衣さんの「明日」で歌われているみたいに、「また明日」のひと言でも明日を生きる力にもなるわけですしね。まーちゃんの「またね。」にしても然り、ですが。
 そうしたことが積み重なっていくと、いつかは大津美紀さんが「Baptism」の最後の部分に記した言葉になるのかもしれませんね。

世界中の人が…

 また、この曲でもうひとつ印象的なのは、まーちゃんの目線が隣にいる人だけじゃなくて、世界中の人に向いているところでしょうね。こうした表現もまーちゃんにはあまりなくて、近くにいない人に対して歌ってるときでも、気持ちの距離は近い相手に対しての曲が多いですから、この曲みたいにどこか不特定多数の存在を感じながら…っていうのは珍しいんですよね。「Ladybird」については、作詞をした長谷川智樹さんが「世界平和を願って」ってことをライブで言ったことがありますが、この曲ほどに前面に出てきてるのは今までないですから。
 私もそんなに多くの人の歌を聴いているわけではないですが、声優さんはあまりこうした歌を歌ってないような気もしないじゃないですね。もちろん、そうしたものを求められるかどうか、という、ある意味根本的な疑問もあるんですが、もうちょっとあってもいいかもしれないな、とも思います。聴いた中で、はっきりとそうした色が分かるのは國府田マリ子さんの「愛も積もれば地球〜ほし〜になる」ぐらいですかね…。緒方恵美さんのアルバム「stop, and go→」はライナーを見る限り、かなりその色が強烈なんですが、実はまだ全体を聴いてないから、明確には言えなかったり…(苦笑)。
 ある意味、CDを聴くっていうのは、自分の感じていることに共感する部分を見つけていくことでもあって、だからこそ私がサザンオールスターズの「Mr. ブラック・ジャック〜裸の王様〜」を聴いて、快哉をあげるわけですし。つまりは、社会を見て皆が感じてる矛盾や問題、あるいは願いを言ってしまいたいってのは多くの人の正直な、しかし難しい気持ちでもあるでしょうから、そうしたことをこちら側の人ももっと歌ってもいいんじゃないか、と、そう思わないでもないですね。

最後に

 …と、2つほど見てみました。この曲は、多分聴く側の心の持ち方次第でいろんなところに共感できる曲じゃないかな、と思います。それだけ受け幅や懐の深い、包容力のある曲…ってことになるんでしょうか。その辺は、たぶんサウンド面でも出ていて、男声コーラスが入ることで曲に幅が生まれてるんですよね。それは「10 LOVE」全体の特徴でもありますが。
 ともあれ、まーちゃん、いろいろな想いの詰まったいい曲を送り出してくれたな、とこの曲については思います。


 この間、「Babyblue」を聴いている時にふっと「透明感ってどこからくるのかな…?」なんてことも感じまして。次はそのあたりのことでも考えてみようかな…と思ってます。

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