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CD Release

第146回 プロモーションビデオから

はじめに

 1ヶ月ほど前に発売されたDVD「B.B.B」に「赤い靴のカウボーイ」と「コスモスガーデン」のプロモーションビデオが収録されて、これで普通に見られるものは13本になりました。おさらいしておくと、DVD「Strawberry Smile 1999 & video Clips」に「ロマンチックだね」、「ミントと口笛」、「星空にお祈り」、ベストアルバム「berry best」の初回版特典DVDに「Steal on Sunday」、DVD「Strawberry Story 2001」に「ひまわり」、DVD「虹の咲く場所music clips」に「やさしい右手」、「恋の色」、「とびたつ季節」、「remember」、DVD「Strawberry Stage 2003」に「Pure♥」、アルバム「∞Infinity∞」の初回版DVDに「I'm in the Pink」、そして最初に挙げた2つですね。
 けっこうな数になってきて、ちょうどいい機会なので、今回はそれらのPVを眺めて、思ったことを書いていこうかな、と思ってます。

表情と物語

 プロモーションビデオをパッと見て、「物語的に作ってあるな」ってのもあれば、「歌ってる表情が印象的だな」って言うのもあるわけで。ここで言えば、前者は「ロマンチックだね」とか「ミントと口笛」、後者は「やさしい右手」や「コスモスガーデン」になりますか。ただ、全体を通した印象としてそういうのはあっても、もうひとつの要素がまるっきりないってのは珍しいんじゃないでしょうか。
 「ロマンチックだね」のPVを見てると、ストーリーの合間にまーちゃんがキャベツ畑で歌ってるシーンが挿入されてますし、「ミントと口笛」にしたって然り。逆に、「恋の色」は6月26日に向かってくっていう物語が漠然と描写されてますし、多分「とびたつ季節」にしてもそういうのはあるでしょう。
 ただ、プロモーションビデオの目的としては、「歌ってる姿を見てもらう」ってのがありますから、突き詰めると「やさしい右手」だとか「星空にお祈り」のように、歌ってる姿や表情をじっくり追っていって、ストーリー面が排されるってことになるんじゃないかと思います。ただ、その場合でも、ある曲について作られてる映像である以上、その物語を匂わせるものは必要なわけで、「やさしい右手」にはオレンジの花が一輪瓶にいけてあったり、「コスモスガーデン」にはコスモスの花とオレンジの空が後半から終盤にかけて出てきてます。
 逆に、ストーリーを使う場合、その曲からどこかしら連想されるものを使わないと意味がないわけでして。「Steal on Sunday」だとまーちゃんのある日曜日って感じですし、「ロマンチックだね」はなんか小さな恋のロマンスとでもいうような雰囲気じゃないでしょうか。で、「Pure♥」のもこっちになると思うんですけど、ここで描かれてるストーリー(?)は「この曲ができるまで」でしょうね。まぁ、変り種って言うことになるんでしょうか?

外と中

 で、プロモーションビデオを撮影する時に、スタジオの中でやるのか外でやるのかってので変化も出てきますか。もちろん、曲のイメージと無関係に場所を決定できるわけじゃないですけどね。まーちゃんので言うと、外でやったのはやっぱり「ロマンチックだね」や「ミントと口笛」、中でやってたのは「恋の色」や「やさしい右手」ですか。「I'm in the Pink」はビルの階段を使ってるから微妙ですし、「Pure♥」の場合はドキュメンタリー映像を編集したところもありますから、一概にどっちか一辺倒ってわけじゃないですけどね。
 屋外で撮影すると、その開放感が魅力的なものができるんじゃないかな、と思います。「とびたつ季節」はその代表で、晴れた空と広いところへつながってく海、そして直線的な道と、大きさを感じさせる風景を存分に織り込んで作ってます。面白いのは、日常では曇ってると開放的な感じはもちろんしないんですが、映像で見てると曇り空でも空が大きく見えてればそれでかなりの開放感があるんですよね。「ミントと口笛」のラストシーンなんか、けっこういい例じゃないでしょうか。
 一方、屋内で撮影すると、その舞台装置にいろいろなものを使いやすくなるってのが利点でしょう。「コスモスガーデン」みたいに空のスクリーンとコスモスの花を使って擬似的に外にいるような雰囲気を出すこともできますし、「やさしい右手」や「恋の色」に出てくるようなパッと見て不思議な空間を作ることもできますしね。
 そうしたものをいろいろと考慮して、各プロモーションビデオの撮影場所は決定されてるんでしょうね。

最後に

 とまぁ、全体を見て、2つほど書いてみました。ちょっと方法論的な話になってますが(苦笑)。
 ちなみに、私が好きなのは「やさしい右手」と「コスモスガーデン」ですね。やっぱ、まーちゃんの表情がじっくり見られるのがいいんですけど、それでなおかつ柔らかい表情で歌ってると、引き込まれるらしいです。「やさしい右手」には時々表情が三重に重なってるところがありますが、その辺は特にですね。
 で、まーちゃんってことじゃなしに、印象に残ってるのは渡辺美里さんの「きみに会えて」という曲のもの。背景は黒一色だけにして、美里さんの表情だけをずっと追っていってるんですが、映像に力があるんですよね。20年以上前に作られたものですが、あれは、もしかしたら究極のプロモーションビデオかもしれません。たくさんの映像クリエイターが「真似しようと思った」っていうのも分かる気がしますが、あれは早々まねられないようにも思えますね。機会があったら、一度見てみてください。


 さて、次回は「いつもの帰り道」から気持ちを膨らませていこうかな、と。旅立ちのシーズンですしね。

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