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CD Release

第138回 公園通り

はじめに

 先週の日曜、まーちゃんのライブがSHIBUYA-AXでありました。まーちゃん自身、MCで「渋谷駅から公園通りを通ってきた人もいるのかな?」なんてように言ってましたが、公園通りは道玄坂や青山通りなどと並ぶ渋谷の主要な通りのひとつです。さすがに、渋谷の通りだけあって、よほどの深夜早朝でない限りは人で溢れていますが、それがここの特徴のひとつでしょう。
 今回は、そんな場所でのひとコマを切り取った「公園通り」から思いついたことをひとつふたつ書いてみようかな、と思います。

心理状態と背景

 上にも書きましたが、公園通りはほぼいつでも人ごみで埋まってるような場所なので、この曲もそんな光景を背景にして、彼氏と喧嘩した時の女の子の気持ちを描いています。で、その前後で、人ごみの見え方が変わってるんですよね。喧嘩する前は別にそれを気にする風もなく溶け込んでいたのが、気持ちに波が立っちゃった後はそれが気障りになってしまってます。そんなふうに、気持ちのあり方次第で周りの見え方なんて変わるもので、人ごみだけとってみても、色々とあるんじゃないか、と思います。
 彼氏を待っているなんて幸せな状況だと、周りのことなんて気にしない…というかそれも何かを思うきっかけになっちゃうってのが「そよ風とカフェオレ」の場合。逆に、相手と別れたばかりのときは、ちょっと似た人をその中に見つけるたびに振り返ったりあきらめたような独り言を呟いてしまったりなんてこともありますか。
 二人でいて、幸せな気持ちなら周りのことなんて機にならないんでしょうけど、一人でいたり、相手のことを遠く感じたりしてると、人ごみの中で疎外感を感じることはよくあることでしょう。この曲でもそんな気持ちがありますが、他だったら岡崎律子さんの「BLUE POINT」や「A merry December」あたりですか。
 一方、どこかに急いで行きたいときには、人ごみは単に障害物になるわけで、前をカットされたり行き場をなくしたりしながらも、前へ行こうとしないとだめなわけで。そして、それを抜けた先に何かが待ってる…ってのは、例えば水樹奈々さんの「climb up」です。
 たいていは邪魔なものに映る人ごみでも、それでも見え方は違うところはあるものなんですね。

今を投げないで

 この曲、ラストも印象的なんですけど、私の場合はそれ以上に「あきらめないでいきたい」って言葉のほうが印象的ですね。岡崎律子さんはHPで時々「いつでもが途中だし、未来に向かっているのだし、ここはひとつ逃げないでファイトね、と思ってます。」というようなことを言ってます。そうした考え方が曲という形で現れたのが、この場面でしょうね。
 この辺の考え方が岡崎律子さんがいつも言いたいことなんだろうな、というのは、こうしたことを歌っている曲がけっこう見受けられることからも伺えます。例えば、2004年の「I'm always close to you」でもそうですし、1999年の「the bright side」でもそう。さらに遡って1992年の「4月の雪」でもそういうエッセンスはありますか。「4月の雪」は岡崎さんの一番初期のほうの仕事になる「魔法のプリンセス ミンキーモモ」の曲。一方、「I'm always〜」は最後の仕事になった「symphonic rain」の曲。つまりは、最初からずっとこのことは言い続けてきてたんですよね。それだけ、この気持ちは大事なんだろうな、と思います。
 これから、また何かに当たることもあるんでしょうけど、そうした時にこれらの曲を聴いて、あるいは言葉に触れて、乗り越えていくのかな…なんていうようにも思います。先のことなんで分かりきらないところはありますけどね。

最後に

 ライブでまーちゃんが言っていましたが、98年、「ミントと口笛」の時にこの曲のデモは貰ってあったんですよね。、当時選ばれたのは「everyday」ですけど、これもいずれは…って思ってたみたいです。そう思うのも十分分かりますね。岡崎律子さん独特の儚げに見える中の芯の強さが、この曲をものすごく魅力的にしているんじゃないでしょうか。


 さて、次回はちょっと昔懐かしげに「Happy Smile♪」からいろいろといってみようかな…なんて思っています。イズミカワソラさん中心になるのかな、と。

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