
第134回 手のひらからこぼれるメロディ
はじめに
8月に行われたまーちゃんのファンクラブ「ストロベリーキャンドル」のイベントでは、ミニライブのピアノ担当で、大津美紀さんを呼んで、まーちゃんと一緒にいくつかの曲を演奏してました。選曲が、まーちゃんのかなり初期の頃からのものになってたんで、その頃からの人には特にうれしかったんじゃないでしょうか。
で、今回は、その大津美紀さんがまーちゃんに書いた曲を聴いていて思うことを書いてみようかな、と思っています。
アコースティックに
この間、イベントでその最初のピアノを聴いただけで感激してたんですが、やっぱり、何をおいても「かたおもい」なんですよね。まーちゃんにおいては、多分そもそもの始まりだし、それに、私もこの曲で引き込まれたクチですから。私はもともと静かな曲に惹かれる傾向がありますが、「かたおもい」についてはピアノが雨音みたいな感じで、けっこう鳴っているのに静か…っていうような雰囲気があって、それが好きですね。
「かたおもい」はピアノがかなり前面に出ているので、そういうイメージになるんですが、パッと大津美紀さんの曲全体を思い出したとき、けっこうアコースティックな感じがするのは気のせいかな、と。実際には、どんな楽器を使うかはアレンジで決まりますけど、それでも全体としてそんな気がします。やっぱり「かたおもい」とか「大好きな君だから」のイメージが強いんですかね? あと、最初の頃のライブで「love letter」をアコースティックでやることが多かったせいもあるのかな、と。
でも、そうした面があるのは今でもそうで、例えば「君想う空に願う」とか「虹の咲く場所」辺りなんかはアコースティックな楽器の響きをふんだんに使ってますしね。やっぱり、この辺の音色はこの二人が組んだときの特徴のひとつっていっていいのかもしれません。
穏やかに、確かに
徳間ジャパンコミュニケーションズに移籍して以降、かなり元気な色を見せることが多くなっているまーちゃんですが、そんな中、大津美紀さんに書いてもらった曲は、たとえバラードじゃないにしても、以前と同様な穏やかさを見せています。そして、そうした色をずっとまーちゃんのものとして思っている人が多いからこそ、「君といたmemory」はライブでずっと大事な曲になってるんじゃないでしょうか。
大津さんのメロディには、例えば力強さを前面にだしてるっていうようなのはなくて、むしろ穏やかに流れてたり、噛みしめるような感じだったりって言うのが主だと思います。そして、それが聞いていると胸にしみこんでくる感じが、大きな魅力なんじゃないでしょうか。けっこうコミックに近いって言っていいような歌詞の「いたいのとんでけ」にしたってそうですしね。「Eternity〜ひとひらのlove song〜」とか「未来へ」と言ったあたりを聞いてれば、その典型なんじゃないか、と。
で、それがある意味で最大限に出たのが「すきです。」なのかもしれないとも思います。特に冒頭で、極端なまでに静かにして、ぽつぽつと、穏やかなメロディに乗せてまーちゃんが歌う…というよりは呟くと、気持ちを静められて、その中に気持ちが染み入ってくるんですよね。これは、ほんとに最初に聴いた時に「やられた…」と思った曲で、今でもずっと聴いているナンバーのひとつです。もしかしたら、この二人のトップクラスの作品なんじゃないでしょうかね。
最後に
とまぁ、大津美紀さんがまーちゃんに書いた曲を聴いていてのことをいくつか挙げてみました。何か、こうしてみると、まーちゃんの曲に関する初期イメージの形成に大きく寄与したのは大津さんかも…って気がしますね。
ところで、大津美紀さんは自身のライブでまーちゃんに書いた曲も歌っているようで、その曲は彼女自身のサイト「はなつきねこ」(http://www.ohtsumiki.com/)にアップされています。ちょっと聴いてみましたが、まーちゃんの素直さとは違う、「まだ内側に何かあるよ」みたいな感じがいいかな、と。興味がある人は、聴いてみてください。「かたおもい」、「love letter」、「My wish」、「あこがれ」の4曲があります。
さて、次は、まーちゃんの10枚目のアルバムが発売直前になってるわけですが…。一度最初を振り返ってみようかな…ということで、アルバム「かたおもい」について、今また少し聞き返そうと思います。
<おまけ>
大津美紀さんと岡崎律子さんは仲がけっこういいらしくて、岡崎さんのプライベートライブに大津さんが参加してたり、大津さんがCDを出したときに、岡崎さんがコメントしてたり…ということがあったみたいです。
最近は、大津さんがライブで岡崎さんの曲をカバーしたりってことも時にあるみたいだけど…。聴いてみたかったなぁ。大津さんの歌う「For フルーツバスケット」だとか「Hello!」は…。今度のライブは都合がつかなさそうだけど、その次は行ってみたいな。
|