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第127回 流れの行き着く先で
はじめに
私の好きな曲の一つのタイプに、「終わり方に特徴がある曲」って言うのがあります。「えっ?」って思わされたり、気持ちを増幅されたり、ということがあると、けっこうそれだけでも好きになることがあります。そもそも、サザンとか渡辺美里さんを決定的に聞くようになったのがそういうきっかけでしたしね。まーちゃんもある意味ではそうかもしれないし…。
今回は、そうした曲をいくつか挙げてみようかな、と思ってます。
うっわ、驚いた
前回に書いたとおり、こうした音楽を最初に聴くようになったのはサザンの「真夏の果実」ですけど、はまったのは「Oh! クラウディア」です。アルバム「バラッド」を聞いてたんですけど、どこまでも静かに、ある意味淡々と流れてた曲が、最後になっていきなり激しくなって、そして唐突に終わったのに出くわして、一気に引きずり込まれた記憶がありますね。もちろん、それだけってわけじゃないですが、もしかしたらそれにまた会いたくていろいろ聞いてるようなところはあるかもしれないですけどね。
さっきも書きましたけど、渡辺美里さんもそうしたきっかけですね。こちらの場合は「10years」で、バンドだけをフェイドアウトさせて、美里さんの声が残るんですけど、それがすごく綺麗で魅力的なんですよ。今、美里さんは頻繁にオーケストラをバックにしてのコンサートをやってますけど、それに負けない声の質はすでにこの頃に片鱗が見えてたのかもしれないですね。
まーちゃんの場合、あまりそうした記憶は今のところないんですが、そんな数少ない曲の中に入ってくるのが「ストロベリーキャンドル」だと思います。それまで元気にやってたのが最後はふっと静かになるっていう、「Oh! クラウディア」とは逆のパターンですね。やっぱり、最初の時にはいきなりだったからかなり驚いたんですが。今この曲をライブで聴くと「今回は何を言うんだろう?」って状態になってますけど、こういうつくりだからできることなのかもしれないですね。
曲の一番最後じゃなくって、1コーラスの最後だったらAice5の「友情物語」ですか。アニメ「いぬかみっ!」のEDで最初に聞いたとき、いきなりちょっとアラブ風味が入ったバックになったのにはつい笑ったんですが。でも、こういうふうに遊んでる曲ってのもけっこう好きなんですよね、私は。
それぞれに気持ちを重ねるやり方
驚かせるんじゃなくて、気持ちを重ねるって言うか…そんなやり方もけっこう好きですね。
元気な、あるいは強気な曲だと同じフレーズを重ねてくることがありますか。「2004年のdiary」はかなり好きな曲ですけど、コーラスワークとラストが気に入ってるんじゃないか、と思いますしね。まぁ、でもこうして言うのは本当はもっと短いスパンでの繰り返しで、例えば水樹奈々さんの「SUPER GENERATION」の最後とか、同じ形を立て続けにやってくるっていうパターンなんで、それはまーちゃんのだとちょっと思いつかない…かなぁ? ま、ある意味まーちゃんの曲ってのだったら「dear friend♥」があるんですけどね。歌ってるのは小清水亜美さんですけど。
話は変わって、オムニバスのCDを作る時にけっこう極端に静かな曲で締めてることがありますが、そうした曲の静かな終わり方ってのが好きだから、それで全体を終わりたくってやってるんですよね。備忘録のほうに書いてあるものだったら水樹奈々さんの「遠いこの空から」とか、井上喜久子さんの「1mmの心配も…」あたりがそうですね。なんていうかな…思ってることを静かに確認させてくれるっていうような意味で、やっぱり気持ちは重なってくるんじゃないか、と。まーちゃんだったら「すきです。」とか、「everyday」。全体が静かって曲じゃないけど、最後はってのなら「Dream」あたりですかね。他だったら「For フルーツバスケット」かな。まぁ、こういうのってやってる側はすごく神経使うんですけどね。
最後に
終わり方が好きになってる曲をいくつか挙げてみました。好きになってる曲のすべてにそうしたところがあるわけじゃもちろんないんですが、単純なんで、そういうところにはけっこう惹かれやすいんですよね、私は(苦笑)。もともと、最後ってのはまとめの部分だから、そこは特に大事に作ってるんだとは思いますけど。
さて、次回はしばらくぶりに曲に戻って、「おはようとシャンプー」からいくつか連想してみようかな、なんて思ってます。
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