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CD Release

第121回 君だけを‥

はじめに

 バレンタインも過ぎ、空気の中に暖かさがだいぶ感じられるようにもなってきました。私は学校をとうの昔に卒業しているのでともかく、学生の方はあと少しでいろんな状況が変わり、それに伴って馴染んだ環境や人と別れるのが近づいている時でしょう。
 今回は、そんな季節の心を歌った「君だけを‥」でいろいろと書いてみようかな、と思ってます。

見つめる視線

 この曲、シチュエーションとしてはもう付き合ってるようにも、あるいはまだ気持ちを伝えられてない頃にも取れます。どういう風に聴くかはそれぞれの自由なんですが、私の場合はそばにいても気持ちが伝えられずに、片想いのまま別れようとしている…って感じですか。やっぱ、受け取り方は各個人の経験なんかにも因ってくるってことでしょうね。ここからはそうした前提で話を進めましょうか。
 多分、実際にやってることを外から見た場合、例えば「かたおもい」や「ユニフォーム」で歌われてる頃とあまり変わらないと思います。とは言え、自分の心の中ではもう残された時間が少ないことはちゃんと分かってるわけで、見つめる視線の中に切なさの割合はより増えてきてるはずでしょう。でも、相手がそれに気がつかなければなおのこと、気がついてても、自分のほうで身を引くことを決めちゃってるから、なおさらそれまでと変わんないわけで。その分さらに切なくなるかもしれません(苦笑)。
 ただ、一緒にいられないことが分かってるのに、自分のほうを見てほしいっていうのは、言ってみればわがままだから、そうしたことで負担をかけないように…っていうのは、健気で切なくて、そして思いやれてる素敵な心の表れでしょう。

さくらの花の咲くころに

 そうして別れて、少しだけ時間が流れて桜が咲く季節になるわけですけどね。もう考えるのも嫌になるほど嫌いになって別れたんならともかく、たくさんの想いを残したままですから、想い出に変わるのにもかなりの時間が必要ですか。その間は、けっこう何につけても「一緒にこの気持ちを感じたかったな…」ってな感じでひとり切なく感じるんでしょう。
 小森まなみさんが「桜の下で」で歌ってるように、桜の咲く春は新しい始まりであると同時に別れたばかりの切ない季節でもあるんですよね、本当に。主に自分に対しての気持ちが「桜の下で」では描かれてるんですが、どうしても相手に向かってしまう気持ちもあるわけで、そのへんは渡辺美里さんの「さくらの花の咲くころに」になるんじゃないかな、と。まーちゃんが「かたおもい」で「小さな想い出だけこころの隅に…」って言ってますが、離れても思い出してくれたらな、っていうのはどうしても気持ちとしてあるでしょうから。どうせ、思い出しても離れてる自分には分かんないはずなんですが、でも、記憶や気持ちが鮮明すぎて押さえられないところだと思います。
 世間一般的には、桜の頃は気持ちが浮き立ってる時期なんですが、その裏ではそうした切ないものもたくさん隠れてる、ある意味複雑な季節なんですよね。

最後に

 「君だけを‥」で感じてることを2つ書きましたが、いかがだったでしょうか。「23degrees。」は「あたたかさ」をテーマに持ってきてるミニアルバムですが、その中ではちょっと毛色が変わってる曲なのかな、という感じがしますね。その「切ない暖かさ」がアクセントとして有効なんですかね。


 さて、次は「記憶に残る歌」あるいは「残っている歌」について書いてみようかな、と思ってます。

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