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CD Release

第111回 ごめんね

はじめに

 さすがに9月も末になってきて、今降っている雨は夏の名残というよりも秋を深めていく雨という気がします。
 ただ、時間が止まっているような心には、もしかしたら夏の雨に見えるのかもしれませんが…今回は、そんな「ごめんね」について、改めて思ったことを書いてみたいな、と思います。

言い出せない理由

 この曲で「ごめんね。」の一言を言えないで後悔しているように、一度言えないと、もうそれっきりずっと言えないままになることは、多分生きているうちに多いんだと思うんですけどね。この場合は申し訳ないっていう気持ちだから、本当にそれで辛い思いをしてますが、「ユニフォーム」で(多分)好きな気持ちを言えないままで終わったっていうのを懐かしく思ったりもしてます。
 そうした気持ちは多分、心の相当に深いところから沸いてくる気持ちで、普段生活しているときにはそうしたところを見せなくったってやってられるから、いざ言わないといえないときに言い方がわかんないんじゃないか、と。それに、もっと単純に、心の深いところを他人に見せるのって、どういうわけか知らないけど怖いですよね。だから、こういうふうに本当に言っておいたほうがいいことや「君だけを‥」みたいに言ってしまいたいことを抱えてる時とかでも口に出せないままになる…と。
 そうしたことがあるから、いろんな場面で「ごめんね。」って感じで言ったり、「恋の色」みたいに気持ちをストレートに出せるのが素敵にも見えるんでしょう。まぁ、あまり見せすぎて相手の負担になったらそれはそれでまずいんですけどね。何事も程々が大事ってことですか。

時の癒し

 この曲は、まーちゃんにしては珍しく別れた直後の切なさを歌ってます。他に「かさぶたの恋」、「さよならの意味」、「初秋」ってあたりでしょうか。こうした曲の段階だと、まだ記憶も鮮明だし相手のことを強く思ってるから、それが余計切なさを掻き立てるんですが…。でも、たいていの場合はどんな切なさも時間とともに癒されて、「ユニフォーム」や「はつこい」みたいに穏やかに思い出すっていう気持ちに変化していきます。それがいいとは、まだその段階では思えないでしょうけれど。
 「悲痛」って言葉がこうした時にはぴったりでしょうけれど、痛いんですから(笑)、そういう気持ちにいつまでもなっていたら多分、人間だめになるんじゃないでしょうか。だから、心や記憶は時間とともにそうした気持ちを穏やかなものに変えていく力を持っているんじゃないかと思います。心のどこかでそうした準備がわずかにでもできてれば、「幸せになろう」みたいに道で元カレが新しい彼女を連れて歩いてるのを見ても、それをきっかけにまた歩き出せるのかな、と。
 でも…「ロード・オブ・ザ・リング−王の帰還−」でフロドがすべて終わって家に帰った数年後に、「時が癒せないことがある」って言ってるんですが…そこまでの経験はさすがにないから、どんな感じなのか、いまいちつかめなかったりもしてますね。おぼろげには分かるような気もするんですが。

最後に

 今回、書くのに曲のどこをキーにしようか考えてるときに、「フルーツバスケット」の18巻が出ました。「ごめんね」の場合は別れちゃってるからともかく、心に抱えてる辛さや自責を消すにはやっぱり相手の言葉かな、なんて燈路(ひろ)と杞紗(きさ)を、あるいはと依鈴(いすず)を見てて思ったんですけど。そうしてくれる相手がいなくなっちゃったってのは、やっぱり辛いことでしょうね。ただ、それでも相手のことを思い続けてるから、この曲は痛みの中のどこかに甘美さも感じるんですけど。


 次はいよいよ秋も本格化してくる頃。暗くした部屋から夜空をずっと眺めてると、次第次第にたくさんの星が見えてきます。そんな光景を浮かべながら、「星空にお祈り」でいってみましょうか。

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