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第79回 天使が来たりて

はじめに

 さて、このところ晴れたり曇ったりが続いてますが、体の方は大丈夫でしょうか? 私は、こういうときには雲を見るのが好きなので、けっこう楽しい帰り道が続いています。まぁ、雨が降ってないときに限りますけど。雲を見ていて面白いのは、純粋に白かったり、鉛色だったり、あるいは夕陽に照らされて赤く染まってたり、そんなふうにいろんな色を、微妙に見せてくれるところですね。
 さて、私は不可知論者なので、実際にいるのをまだ信じてはいないんですが、もし本当にいるのなら、それはそんな雲の上で遊んでいるのかもしれませんね。ということで、今回はその「天使」について、いろんな歌で探してみようかな、と思っています。

天使の天使たる所以

 まぁ、普通だったら天使は神に直接仕える身のわけで、それだけ人よりは神に近いんでしょう。だから、人間には持ちえない純粋さを持っているってことになりますか。でも、もしかしたらその純粋さは、本当に小さくて、何も知らない子供の頃には持っていたのかもしれないんですね。だから、まーちゃんは「天使のパラダイス」で子供の表情を見てその頃に戻れるよねって思うわけですし、チェッカーズの「Smiling like children」だと小さな温もりや足跡が自分の中に何かを残すって感じるんでしょうね。
 でも……それは本当に人間には持ち得ない純粋さだったりするかもしれなくって、だから、舞ってくる雪を見て「天使の羽根のような…」なんて感慨が生まれてくるんでしょうね。そんな光景が例えば水樹奈々さんの「真冬の観覧車」だったり、サザンオールスターズの「クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)」で描写されてます。あるいは、ゲーム「AS」で、ラスティやアルテのエンディングを迎えたとき、その年最初の雪が降ってきますけど、それはラスティによってフォンティーユの街にもたらされた天使の力をひそやかに象徴しているものかもしれませんね。
 さて、さっきも書いたとおり、天使は神に仕える身なので、その愛は本来は神様にだけ向けられないといけないんでしょう。ですが、その愛が神様以外のもの―言ってしまえば人間―に向けられた時、どうやら天使はその聖性を失うことが多いようです。私はクリスチャンではないので、断片的にしか知らないんですけど、実際にべリアルは人間に対する色欲のために地上に降りてきたようですしね。まぁ、単に色欲って言うのではなくて、心からの愛情でもそうなってしまうのかもしれなくって、その辺が例えば藤井フミヤさんの「堕天使」だとか、水樹奈々さんの「TRANSMIGRATION」なんかに描いてあるんでしょう。あるいは、「ASDVD」で全てのエンディングをみた後にもう一度ラスティのひとつめのエンディングに行くと、ステファが存在を失うという結末が待っていますしね。ただ、堕ちてしまったその原因が、「愛に殉じた」せいなのは、人の身にすればどこか甘美なものを感じる、と言ってしまうのは罰当たりなことなんでしょうか?
 また別の天使たる所以は、人よりも強い力を持っているって言うところにも多分あって、その力をもっていろんなことができるんでしょう。例えば、どこか淋しさを感じている人に「それは束の間だよ」って教えることができたり、天罰を下してみたり(…ってあのなぁ)、胸の中に秘めた思いをそっと気づかせてくれたり…
 そうしたことができる力を持っていたり、人にはなかなか表れない純粋さを存在の表面に出していたりするから、人は天使にあこがれるんでしょうか。

探し物は見つかったの?

 ところで、人が天使の存在を感じるのは、純粋なものを感じたときだけじゃないらしいです。また「AS」の話になりますが、フィアのエンディングで「探し物は見つかったの?」とクラビスにフィアは問います。その時にクラビスは胸の内で「探していた天使は隣にいるフィアだったんだ」と答えています。……こういう気持ちになるのはどうしてなんでしょうね。
 好きな人のそばにいると、気持ちが知らないうちに暖かくなったり、満たされたりしますけど、それは自分一人だとそうしようと思ってもなかなかできないことだから、ですかね。好きな人がそばにいるだけで、何か魔法のような力で心が温かくなるから、そうしたどこか人にできないようなことをやってくれるから、好きな人を「天使」ととらえるんでしょうか。
 そういうところで「天使」って言う表現を使う曲はそれこそ多くって、例えばサザンオールスターズの「Blue Heaven」や「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」、槙原敬之さんの「どうしようもない僕に天使が降りてきた」、チェッカーズの「ONE NIGHT ANGEL」や「MY ANGEL(I WANNA BE YOUR ONE)」、後は黛ジュンさんの「天使の誘惑」なんてのもありますし…。ほんと、いくらでも出てきますね。たぶん、UNDER17の「Angelic Magic」もこの範疇でしょうし。
 これが少し変化すると、相手を天使に見立てるんじゃなくて、自分が相手にとって天使になりたいって言うところにもなって、例えば田村ゆかりさんの「Angel Pride」や堀江由衣さんの「Angel 恋をした」なんてあたりが出てきます。まぁ、逆に天使じゃなくても相手の心を和ませられればそれでいいって言う考えもあって、どちらも否定はできない考え方ではあるんですけどね。

最後に

 …って言うところで、今回は天使を探してみましたが、いかがだったでしょうか。ざっと見てみただけでもいろんな表れ方をしているようで、その中のどれが自分の天使なのかは、結局自分の胸に聞いてみないと分からないのかもしれませんね。時にはこういうことを自分に聞いてみた方がいいんでしょうか。


 さて、次はそろそろ梅雨入りが近くなってくるころでしょうから、これでいってみましょうか。「くもりのちはれ」です。(6月13日更新予定)

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