
第78回 At Ritzberry Fields
はじめに
掲示板にも書きましたけど、5月5日に岡崎律子さんがご逝去なされました。データファイルの方で見てもらえれば分かりますが、まーちゃんに作詞で6曲、作曲で6曲書いてくれていました。アルバム「AERIS」以降、「虹の咲く場所」までしばらくなかったんですが、「SMILE×SMILE」で久しぶりに提供していて、また今後少しずつ書いてもらうのかな、なんて思ってたんですけどね。
今回は、岡崎さんの歌や、そのほかいろんなことを思い出してみようと、そんなふうに思います。
気がついてみればずっと…
岡崎さんは80年年代末ごろから活動を開始していたので、知っている人はその頃から知っているんでしょうけどね。林原のめぐさんに「Bon Voyage!」書いてたり。でも、私の場合は結局はまーちゃんのアルバム「かたおもい」で「初秋」や「口笛でル・ラ・ラ」に触れたのが最初ってことになりますか。
「かたおもい」は、仕事に行く前にもう一休みって言ってそのBGMに使ってたんですけどね(笑)。で、その時にプレイヤーに曲順をセットしてたんですが、最初の2曲はだいたいが「口笛でル・ラ・ラ」→「かたおもい」の順でした。そうでない時はその2曲の順番が逆になってるだけだったような気が…。あの頃は、今よりもっとお気楽モードだったからなぁ。そういう気分にさせてくれるあの曲はお気に入りでしたね。
それ以降、「ミントと口笛」や「so loving」でいくつか曲を提供してくれていたわけですけど、特に「ミントと口笛」に入っている3曲には、それぞれにちょっとした記憶がありますね。「いつも君を見つめてる」は、CD聞きながら歌ってるとだいたいまーちゃんのメロディラインじゃなくって、岡崎さんのハーモニーパートを一緒に歌ってたり、「everyday」は聞きながら自転車を走らせてたら、突然何かが心に飛び込んできて自転車を停めた、なんてこともありました。でも、一番なのは「Babyblue」で、当時は毎日仕事をしながら口ずさんでましたし、私の中では、「今でもまーちゃんの曲の中で一番綺麗な曲」っていう評価をしてます。
「so loving」に「星空にお祈り」を書いて後、しばらくまーちゃんへの曲の提供はなかったんですが、去年までの間にも林原めぐみさんの「ふわり」や「VINTAGE A」、「feel well」などから岡崎さんの曲は聞いていましたから、結局切れ間がない…ですねぇ。「引っ越し」とか「Bon Voyage!」、「サクラサク」ていったあたりを「いい曲だな〜」って聞いてました。だから、本当にずっと岡崎さんの歌はちょっとずつでも聞いてるんですね。
さて、これから…
でも、そんなふうに「いい曲だな」って聞いてはいたんですけど、意識の中に岡崎さんが定着するのは遅くって、だいたい去年の秋ごろですね。まーちゃんの最初のライブの映像をやっと見たんですけど、その中の「everyday」のシーンです。ミキシングからして、まーちゃんのバックでコーラスしてるって言うより、ツインボーカルの感じだったんですけど、あれを聞いて「すげぇ」って思いました。それから少しずつ岡崎さんの歌とか声に関する関心が出てきました。
店にあった「ラブひな OKAZAKI COLLECTION」を思わず買ってたり、堀江由衣さんの「Romantic Flight」を聞いて…と言うか一緒にコーラスして酔ってたり(笑)。で、結局この間、手持ちの岡崎さんの作った曲を集めて作品集を作ってみてたりもしました。まぁ、その後すぐにメロキュアとして「メロディック・ハード・キュア」を出してこられたので、それに関してはなんとかせんとな、なんて思ってるんですが。
で、この間池袋のとある書店に岡崎さんのピアノ譜集があるのを見て、昔の曲を聞きたくなってたところだったんですね。あるいは、今後「Symphonic Rain」ってゲームをやってみようと思ってたり。そんなようにこれから岡崎さんの曲に対する気持ちが大きくなってきそうなところだったんで、これ以上新しい曲が増えないことにいきなりなってしまったことにショックを受けてしまった…ってのが、今の状況です。
どこかな
さて、岡崎さんの曲で好きになるのって、どこがいいのかなっていうと、多分、メロディの綺麗さと優しさじゃないかって思います。まぁ、「Babyblue」は長谷川智樹さんの作曲なんで除外されるんですが、「everyday」とか、「Romantic Flight」、「引っ越し」、そうした曲を思い浮かべると、やっぱり心が綺麗になってくるようなメロディを持ってると思います。
また、優しさって方では「everyday」とか「Angel恋をした」、「引っ越し」あたりはもちろんなんですが、改めて考えてみると「いつも君を見つめてる」とか、「サクラサク」、「心晴れて 夜も明けて」みたいな元気よく励ましてくれるような曲でもその根底には優しさが溢れてるように感じます。
こうしたところがあるから、岡崎さんの曲って聞いたあとに心がすっとして力が出てくるのかなという気がします。それを無意識のうちに求めてたから、「ラブひな OKAZAKI COLLECTION」を買ったばっかの頃しょっちゅう聞いていたんでしょうかね? で、その浄化作用が時にすごくなりすぎて、CD聞きながら涙が出そうになるときがあります。例えば、「Bon Voyage!」とか「Merry Christmas to You」あたりを聞いた時には特にそうですね。
後、軽やかな曲は本当に心が浮き立つような軽やかさを持っている一方、本気でしんみりさせることもちゃんとできるっていうのも素敵ですよね。「ラブひな〜」で最後の2曲「イツマデモ♥ドコマデモ」から「Merry Christmas to you」へのつながりだったり、あるいは2〜3曲目の「はじまりはここから」〜「Friendship」なんていうところを聞いてるとそう思います。本当にすとんと気持ちを変えてくれるんですから。
最後に
今回の知らせを聞いて、改めて作った岡崎さんの作品集を聞いたんですけど、「Bon Voyage!」を聞いていてつい、「自分で実証しなくっても」って思ってやりきれなくなったのは事実です。だけど、その曲でちゃんと励ましてくれてるんですから、それに応えていかないとな、っていうことも同時に思ったんですけどね。
実際、確かにショックだったし、惜しい人を亡くした、もっと曲を書いてほしかったと悲しむ気持ちはあるんですが、だけど、彼女が作ってくれた曲を聞いて泣いてばかりいたら、岡崎さんも悲しくなるんじゃないか…と思います。「初秋」みたいな悲しい曲はともかく、「口笛でル・ラ・ラ」や「サクラサク」みたいな歌を聞いた後は笑ってないといけませんね。それが岡崎さんがこれらの曲を作った時の願いなんでしょうし。
もちろん、悲しさを知った後の笑顔は、前の笑顔と同じにはならないんでしょうけど。でも、それはきっと乗り越えた笑顔だから、深みを増したものになるんじゃないかな、と思います。
最後に、改めて、心から岡崎律子さんのご冥福をお祈りいたします。いずれは、まーちゃんもめぐさんも、ほっちゃんもまみちゃんもmegもそれから喜久子ねーさんもそちらに行くんでしょうから、それまでのんびり曲を作りながら待っていてあげてくれたら嬉しいです。
今度は本当に天使を探しに行きます。フォンティーユに…じゃないですけどね。5月21日の夜〜22日の未明の更新です。
|