タイトルバー トップへ メールはこちらから
トップ歌に願いを>第66回

CD Release

第66回 ASDVD〜生まれたばかりのLove Song

はじめに

 去年の春、「AS〜エンジェリックセレナーデ」というゲームが出ました。最近は、それほどゲームの数をやっているわけではないんですが、このゲームは物語や楽曲の美しさで、好きなゲームの中に入っています。もちろん、まーちゃんの曲に自分で伴奏をつけられる、という点も気に入った理由のうちにはありますけどね。
 で、今年、そのデータを増強し、ストーリー面により幅を持たせ、歌曲も一部新しくした「ASDVD〜生まれたばかりのLove Song」が発売になりました。印象としては、前回に描かれなかった日常の部分や、キャラクターの内面により触れられるストーリーになったかな、というところです。
 今回は、その「ASDVD」について、色々と書いてみようと思います。

生まれたばかりのLove Songたち

 さて、前述したように、「ASDVD」では、4つの曲が新しくなっています(ただし、内一つは通常のゲーム中では出てこないんですけど)。さすがに、新しくしただけあって、以前にあった曲よりもさらに世界観によく似合うものができてきたんじゃないか、っていうのが全体的な感想です(今回に引き継がれなかった「天使の歌う小夜曲」、「羽根のブランケットにつつまれて」が世界観にあっていないわけではないです。それらの曲よりも高いレベルのものになったんじゃないか、ということです)。では、それぞれの曲についてみてみましょうか。

祈りの歌

(作詞:上松範康 作曲・編曲:藤間仁)
 まーちゃんが演じる少女・ラスティは小さい頃のとある事件で言葉をなくし(ただし、歌うときには言葉が使えるんですが)、事件の忌まわしさを残す赤い瞳となってしまっています。それ以降、ラスティが街の人からどんな扱いを受けてきたかは、想像に難くないんですが…。
 それでも、主人公とであったことがきっかけで、自分の力で街の人たちの視線を変えていったラスティが、街の人たちの苦難の時に想いを乗せて歌うのがこの歌です。
 今までも、そしてその時の思いもすべてを自分の中で受け止めて、街の人たちのために歌うときに、この歌に秘められた強さが見えてくるんじゃないか、と思います。

生まれたばかりのLove Song

(作詞:中島えりな 作曲:高木真由美 編曲:島田充)
 もう、タイトルがすべてを物語ってますが(笑)。
 さっき書いたとおりの状況に、ラスティはゲーム開始前まで置かれていたわけですから、12歳(現在)まで恋愛なんてものとは縁がなかったわけです(まぁ、普通に暮らしてても12歳までに初恋を迎えてない人だって多いんですけどね)。
 そんなラスティが、初めて経験する恋を高らかに歌い上げているので、とても瑞々しく初々しい、歌になってるんではないでしょうか。

小さなオルゴール

(作詞:中島えりな 作曲:高木真由美 編曲:島田充)
 前々作「エンジェリック・コンサート」をやっている身としては、タイトルからはステファ(…と言うかサフィ。CVは堀江由衣さん)の歌に見えてしまうんですけどね。れっきとしたラスティのイメージソングです。
 ラスティにとってはこれは初めての気持ちなわけです。この出会いによってきらめき始めた世界や伝えたい想い、変わっていく心の中を一途に歌っています。

粉雪につつまれて

(作詞:上松範康 作曲・編曲:藤間仁)
(作詞・作曲・編曲:上松範康)
 ストーリーの展開によって、4人いるメインキャラのうち、誰とのエンディングを迎えるかは違ってくるわけですが、どうなるにせよ、エンディングを飾るにふさわしい内容の曲です。
 主人公との出会いによって触れることができた暖かさ、この先への願いがある一方で、「遠い昔の幻」である天使から託された主人公とこれからの時間を精一杯生きていこうという意志を穏やかに、だけど芯の通った気持ちで歌っています。

 このゲームのキーとなるのは「天使の奇跡」。その言葉や現象の持つ神秘性が、特にOP「祈りの歌」やED「粉雪につつまれて」ではよく表れているように感じます。まぁ、だから「生まれたばかりのLove Song」のちょっとテクノっぽい冒頭はどうかな、と思う節もないではないんですけど。
 でも、聞いていて暖かくなれる、いい曲たちが生まれてきたと思います。悲しさをどこかに含んだ暖かさ、っていうのがこのゲームを支配する雰囲気ですからね。

ミュージックアクション

 さて、このゲームではミュージックアクションとして、上記4曲と前作から引き継がれた4曲の計8曲に自分で伴奏をつけられます。そうした部分も、このゲームを好きになっている理由のひとつではありますね。やっぱ、まーちゃんが歌う歌をより身近に感じられるひとつの方法ですから。私は不器用なのでなかなかできないんですが、慣れた人は多分キーボードを叩きながら歌うこともできるんでしょうね。それこそ、もうほとんど弾き語りに近い状態ってことです。それができるのっていいよなぁ…。
 それはともかく、このゲームをやっていてある程度気をつけてることってのはあるわけですが…。やっぱ、一番難しいのはテンポキープなんですかねぇ。タイミングが指定されている以上、それに従ってキーを叩いていかないといけないわけですし。周りを聞かないとテンポが取れないし(特にゆっくりしたところでは)、逆に聞きすぎると遅れるし(特に速い所では)…ケースバイケースで、自分でしっかり刻むところと周りに合わせるところは切り替えないといけないんですが、時々それに失敗してたりもします(苦笑)。
 ただ、こうしたゲームで高得点を出すためには指定されたタイミングで演奏しなければいけないってのも、時としてどうか、と思うことはあります。まぁ、人間とセッションしているわけではないので、仕方ないんですが、時にはちょっとテンポを揺らして気持ちよさを感じてみたかったりとかってこともあるんですけどね。特にメロディラインに乗っかっている時はそうですが、それができないってことが、もしかしたら感性に影響するってこともあるかもしれないな、とちょっと思います。
 とはいえ、やっていて面白いと感じていられればそれでいいのかもしれませんけどね。

最後に

 「悲劇ほど心に強く刻まれる」と、昔、本で読んだことがあります。そして、このゲーム「AS〜エンジェリックセレナーデ」はおそらくその神秘的な物悲しさで印象に残るゲームなんだと思います。初めから悲劇として作ってあるエンディングもありますが、そうでなくとも、根底に200年前と5年前の事件がある以上、もともと「みんなが幸せになりました」っていうのは望みえないように思います。
 でも、だからこそ、そのどこかに漂う悲しみを乗り越えて先に進んでいく、物語の終わりはより美しく感じるんじゃないでしょうか。そうした物語に、色々な歌やBGMが神秘的なきらめきを与えているのが、このゲームの魅力のひとつですね。


 次回は12月13日の更新です。2月にはミニアルバムが出ますが、前に出したミニアルバム「Fly Ladybird Fly」はクリスマスを中心としたアルバムですね。なので、次回はそのアルバムについていくつか書いて見ましょうか。

Top | Past & Now | 作品紹介 | Data Files | 歌に願いを | Event Report
Photograph | まーちゃんラジオメモ | 管理人室 | 更新履歴 | Links | Contact
©2001-2025 by TyM