
第65回 Strawberry Stage 2003
はじめに
夏のライブから2ヶ月ほど経ちました。普段なら、まだその時のことを思い出しながら、年明けのライブを心待ちにしている、というところなんでしょうけれど、今年はちょっと勝手が違って、もうスペシャル野外ライブまで終わってるんですよね(苦笑)。
そのスペシャルライブも、十分楽しめたものではあるんですけど(詳細はもう少しお待ちくださいませ)、でも、その直前に出た夏ライブのDVDを見ると、やっぱりその時に気持ちは戻っていきます。
そんなわけで、今回はそのDVDを見ながら、夏のライブのことを思い返してみようかな、なんて思ってます。
新しい音
今や、まーちゃんのライブではすっかりおなじみになったアコースティックなんですが、今年の年頭の「Strawberry Land」までで分かる限りで使った曲を思い出すと、「あなたが生まれた日」、「love letter」、「ひとりの夜」、「あなたがいれば」、「くもりのちはれ」、「風のKiss」、「優しい約束〜TO MY FRIEND〜」、「おやすみ」、「はつこい」ってところですか。見事なまでにバラードが並んでますね。
で、今回使ったもので、「ごめんね」はともかくとして、「DESTINY」があるわけです。これまでの曲が、ごく普通にライブで使った場合でも「聴く曲」だったのに対して、「DESTINY」は「一緒に盛り上がる曲」なんですよね(「バラード」っていうくくりにすると、まーちゃんの考えではこれも同じところには…入るんですが)。そうした曲を、この場面で使ってきたってのが、今回、一番目をひいた新しさかな、と思います。
以前、「CDで慣れ親しんだ曲を、どう料理しなおして持って来るかっていうのも、また楽しみのひとつ」なんだと、ライブに関して書いたことがあります(第10回)が、実際、「DESTINY」をこのような形でやったことで、この曲にまた引き込まれた人って多いのかもしれません(私もけっこうそんな感じ…まぁ、個人的事情はありますが)。
また、これには受け入れ方の差異はあったんですが、アコースティックとは逆方向のサウンドにいったのがロックメドレーっていうことになりますか。まーちゃんの曲って、もともとサウンド的にはかなり穏やかさが前面に出てきますから、かなり大胆なことをやったかな、っていう印象はありますね。私はそれも自分の中に取り込んで楽しんでましたけど。
今回、こうした試みをやったことで、ライブにおける表現の振幅が広がったんじゃないかな、と思います。ライブの流れとしてもそうだし、あるいは1曲1曲の表現を見てもそうですけど。だから、次以降にどうやってステージを作るかっていう選択肢は確実に広がった(実際、「DESTINY」をああいう形でやったことが、多分どこかでスペシャルライブでいろんな曲をゆっくりめに、噛みしめながら歌ったことに繋がったんでは?)と思いますし、こっちとしては「先の読めない楽しさ」の幅がこれからはより大きくなるんじゃないか、と思います。
振幅の間での戸惑い
もちろん、DVDではまーちゃんやステージを中心に見せているわけですから、客席を見られるシーンってのはあまりないです。もし、客席を中心にとっているカメラなんてのがあったら、戸惑っている部分っての言うのもきっとたくさん入ってきてるんでしょうね。特に今回のDVDは初日の公演ですから。
バラードの場合は、じっくりと聞いていればいいわけですし、初めての曲でも「Pure♥」みたいにまーちゃんの動きにはっきりとした特徴があれば、それにくっついていけばいいんで、楽に自分の動きや気持ちを作れるんですけど。
いつも、ライブに行って戸惑うのは、まーちゃんの曲の多くの数にのぼる「穏やかな曲」でどういう風に自分の動きや気持ちを持っていくか、ってことなんです。今回で言えば「My best friend」とか「そよ風とカフェオレ」のあたりがそうですね。単に手拍子だけって言うのはなんかいやですし、そんなにどこでも腕を振るっていうわけにもいかないですし。
結局、そのへんの明確な答えが出ないままに、ライブが終わってるんですが、そうしたはっきりしない部分が、ライブが終わった後にかすかな不満として残るんですよ。そこがどうにかできれば、盛り上がるところでも、静かなところでも、そしてその間のところでもしっかり楽しむことができて、大満足のうちに帰れるんですけどね(いや、ライブ後に満足感はもちろんありますよ。ただ、そこが埋まれば、より高いレベルで満足できるっていうことです)。
最後に
「どこまで行けば、うなずける私になる?」と言うのは、「STAGE」において、まーちゃんが自分に対して問いかけていることですが、今回のライブって、その答えを探していく時に、途中で目に留めた「色々な表現」っていう景色をしっかり心に刻んでいくためのライブだったんじゃないかな、なんてことを、書いていてふと思いました。
スペシャルライブで、もうその表現が形を変えて使うことができているようにも感じますが、この先も、この夏のライブで得たものをしっかり還元させていることを感じられればいいな、と思っています。
次回は11月23日の更新です。最近、時間があるときには「ASDVD〜生まれたばかりのLove Song〜」をやっているので、そこに出てくる歌のことを書いてみたいと思います。
|