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CD Release

第44回 聴かせてよ君の声

はじめに

 つい先日…じゃなかった、昨日(21日)にまーちゃんの7本目のシングル「聴かせてよ君の声」がリリースされました。ご存知のように、まーちゃんがパーソナリティを務めるラジオ番組「飯塚雅弓のMEGA-TON スマイル!」のOPテーマとして使用されています。
 はじめから、そこで使われることが決まっていたので、今回はテーマをあらかじめ決めておいてから詞を書くという、新しい手法で曲を作ったりもしています。で、そのテーマになったのは「ラジオ」。だから、ラジオを聴いていての、あるいはまーちゃんが番組をやっていての想いがたっぷり詰まっているんじゃないでしょうか。
 ま、今回はそんなところから始めて、この曲やラジオのことを、あるいはラジオを扱った曲のことを見てみようかな、と思っています。

ラジオというメディア

 多分、今思えば、私が初めてラジオってメディアの特徴についておぼろげに認識させられたのは、まだまーちゃんは歌を歌ってない頃(94年)だと思います。友達のところに(水戸から千葉まで自転車で)泊まりに行って、借りてきた渡辺美里さんのアルバム「ribbon」。そのライナーノートを見たときでしょうね。その最初のページに、こんな言葉がありました。  

私には、手紙を通じての友だちがたくさんいます。
(中略)
真夜中のラジオの生放送にハガキを送ってくれた友だち。
(中略)
今もその頃の手紙を読み返したりすると
一緒にうれしくなったり時には悲しくなったり
また励まされたりします。
(後略)
 その言葉を読んで、おぼろげに意識していた「双方向性」っていうラジオ番組の特性を、まーちゃんの番組を聞くようになって、時々本当に実感することがあります。
 まあ、一番認識させられたのは、たぶん「飯塚雅弓のいたいのとんでけ!」が終わった時でしょうし、それ以降も、「メガスマ」、「飯塚雅弓のやさしいチカラ」と「飯塚雅弓のberry-go-round」といった、まーちゃんが持っている番組が終わるたびに認識してきました。
 こっちが出したはがき(あるいはメール)にまーちゃんが素のままで反応して、それにこっちが素直なツッコミを入れたり、共感したり、時には「それは違うんじゃない?」って言ったり…。それがまたまーちゃんの何かを引き出して…。そんな、率直なやり取りができるのが、ラジオっていうメディアだろうし、だからこそ、番組が終わる時には、いつだって寂しさが湧いてくるんだろうし、まーちゃんにはいつまでも少なくともひとつはラジオ番組を持っていてほしいって思っているんだろうな、と思います。また、だからこそ、まーちゃんの話を聞いてこっちが元気づけられたり、時には背中を押してもらえたような感じがするんでしょうね(私にだってそういう経験はあります)。

聴かせあおうよ、僕らの声

 まーちゃんは、時々「あなたにとってファンはどんな存在?」と聞かれた時、「大切な友達」って言っていますから、ラジオのリスナーに関する気持ちは、きっと上に書いた美里さんのものと変わらないでしょう。そして、そうした気持ちをしっかり認識しているし、そうした気持ちの上でラジオをやってきて、自分で素敵なものができたっていう確かな実感があるからこそ、この「聴かせてよ君の声」っていう曲の歌詞が出てきたんだろうと思います。
 歌詞を読むと、本当に、まーちゃんからこっちへ「聴かせてよ」って言っているのが分かる一方、私たちが番組を聴く体制を整えて「聴かせてよ」って待ち構えているのも見えるんですよね。そうしてお互いが気持ちをかわしている、素敵な時間ができているから、「一人じゃない」ことを実感できるし、そこで生まれた気持ちは「ひとりじゃ抱えきれない」んでしょうね。
 また、こういうお互いが共有できる時間を意識しているってことの証左として、ラジオを聞いている人にはより深い意味が取れるフレーズを使っているっていうのも挙げられるかな、と思いますね。「合言葉」=(ここでは)「メガメガ〜」だったり、時間設定が夜になってるのは、まーちゃんのラジオの放送時間に合わせてあるのかもしれませんし(無論、まーちゃんが星空が好きってのもあると思いますけどね)。こういう仕掛けをすることでも、「私たちには分かるよね」っていう感じで親近感を確かめられるってのがあるんじゃないかな、と思います。
 実際、ラジオをテーマにした曲っていうのはけっこう数があると思うけど、これだけパーソナリティとリスナーの親密な関係が描かれた曲っていうのはちょっと思いつかなかったりします。
 私が「ラジオを使った曲」っていってすぐ思いつくのは、「壊れかけのRadio」だったり、「涙のリクエスト」や「お願いD.J.」ってあたり(…それにしても昔の曲が並ぶなぁ)なんですが、この辺の曲って、リスナーとしての気持ちを描き出したものなんですよね。D.J.に恋焦がれてみたり、ラジオのリクエストに気持ちを託したり、答えを求めてみたり…。それぞれが素敵な気持ちなんですけどね。また、けっこう変り種っていっていい曲に、「悩んでないで Lets Go!デス」ってのがあって、ラジオの「普通のお便り」コーナーをそのまんま曲にした感じなんですが、これは逆にパーソナリティの方によっているかな、と。
 だから、今回まーちゃんが歌った「聴かせてよ君の声」って曲は、ブースの中とラジオの前の双方の気持ちの交流が描かれてるっていう点で、かなり貴重なものなんじゃないかな、と思ってます。

最後に

 詞を読むと分かることなんですが、実はこの曲、「ラジオ」っていうそのものずばりの名詞は出してないんですよね。それでいて、これだけ聞く側にそれが分かるような表現になっているんだから、けっこうすごいですね。それに、何も知らない人にも、「ひとりじゃないよ」っていう語りかけは最低でも聞こえるでしょう。まーちゃんを知らない人にもおいしく、知っている人にはさらにおいしい、そんな曲なんじゃないかと思います。
 あと、余談ですが、豊嶋真千子さんがやっぱりラジオ番組で「ラジオ」をテーマにしたカバーアルバムを出してますが、「1年作るの早かった!」とか半分冗談で思ってたりするんじゃないですかね?


 次は年が明けて1月の12日の更新ですね。年明け→新しい始まり→朝、あるいは、「聴かせてよ君の声」→メガスマの前のOPは「完ペキなスマイル」→朝。ということで、「朝の歌」いって見ましょうか。

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