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第30回 Next! Next!
はじめに
アルバム「so loving」が出る時に、「Eternity〜ひとひらのlove song〜」の紹介で、「この曲は『ブルーのストーリー』、『DESTINY』との3部作の曲」ってまーちゃんが言っていました。このことは、ここでもところどころで触れていますし、まーちゃんもけっこうしゃべっていたので、知っている方も多いでしょう。あるいは、シングル「My wish」の時に、「『love letter』での女の子が、さらに大きくなって…」って言ったこともありました。
今回は、そうした、どこかしら繋がっていて、続けて聞くと楽しさ倍増、というところがある曲を探してみようかな、と思っています。
歌による物語
複数の歌で、ひとつの大きなストーリーを作るっていうのは、それこそギリシャ・ローマの昔から行われてきたことです。たとえば、ホメーロスの「イーリアス」や「オデュッセイア」は、もともとは竪琴を持った詩人が歌い継いできたんでしょうしね(ちなみに、岩波文庫版の邦訳では、それぞれの章を「第〜曲」と呼んでいます)。それがもっと分かるのが、「ニーベルンゲンの歌」で、タイトルからして、もともとは英雄の事績を歌にしたものだったんだろうという推測ができます。
そうした表現形式は、近世に近づくにつれて、次第に歌からオーケストラによる合奏に、あるいは、歌とオーケストラ、演劇の集合体であるオペラやミュージカルに譲り渡されたような感もありますが、今でもこういったことがなされないわけではない…と思います。
例えば、The虎舞竜の「ロード」は、今のところ12章までが発表されているようですが、結婚式の朝に事故により急逝してしまった恋人を悼み、悲しむ様子を、時間の経過と共に描いています(私は「届くことのない手紙 ロード〜第5章」まで聞いています)。ちなみに、全部で24章構成だと聞いたことがあります。
飯塚雅弓作「ある恋の物語」
とはいうものの、なかなかこのように連作として曲が発表されることは少ないので、それなら、聞き手の方で作ってしまってもいいんじゃないかと思うんですよね。そんなわけで、ひとつ考えてみました。
「ある恋の物語」
1.ある女の子が、心から好きだと思える人に出会う。…「恋の色」
2.告白したら、OKをもらって、二人で一緒に楽しく、満たされた時間を過ごす。…「My happy day」でも、「SALAD DAYS」でも、「Babyblue」でも、お好きな曲でどーぞ。
3.何らかの事情で、二人は別の道を行くことに。それでも、好きな人に
心配をかけないよう、悲しみを軽くするように気丈に振舞う。…「大好きな君だから」
4.泣いてばかりいた日々からは立ち直れたけれど、まだふれあいを求めて、自分の気持ちを風に乗せている日々。…「love letter」
5.彼の辛いことをふと耳にして、それに負けないようにと、声のないエールを送る。…「優しい約束〜TO MY FRIEND〜」
6.自分があの人を好きだったことを誇れるように、彼に負けないように頑張っている日々。…「My wish」
とまあ、こんなところでいかがでしょうか? 実際、まーちゃんの頭の中で、これらの曲が続いているという保証はどこにもないです(笑)。ただ、「ラブ・ソング」ということが共通点なだけで、それで、歌われている場面に注目して、ひとつの恋の物語になるように、こっちで勝手に組んでいっただけのものなんですが、それでも、それなりに楽しめる物語にはなっているんじゃないでしょうか?
どうせツクリなんですから、一人の歌手にこだわることは本当はないんですよね。上のもので言えば、2のところにはいくらでも皆さんの方で思いつくでしょう(例:「Until Strawberry Sherbet」)。
また、ギャグでいくなら、「もしも明日が…」〜「死体置場でロマンスを」っていうのが楽しいかな(女房にばれないように頑張ってデートして、そろそろかってところまで来たのに…)? とにかく、自分で楽しめるように作っちゃいましょう。
Through the Year
さっきの「ある恋の物語」は、ストーリーが作れるように曲を並べていったわけですが、そこまでしなくても、テーマが共通な曲を続けて聞いてみるだけでも、けっこう楽しめることがあります。以前やった、「同タイトル曲の聞き比べ」なんてのは、その最たるものですが、そこまでいかなくても、テーマが共通なだけで、けっこう面白いですよ。
例えば、まーちゃんの曲で言えば、「am↔pm」と「everyday」とか、「アクセル」と「あこがれ」みたいなものですね。人を変えれば、「やさしい右手」と「もっと 遠くへ…」みたいなのが例になりますかね。この場合、曲調が違ってれば違ってるほど面白いんですよね。
で、こうしたやり方が極端になってくると、しまいにはテープ1本これで作ったりします。Starry Music Nightの掲示板を見てた方はご存知かもしれませんが、1年12ヶ月のそれぞれに、どんな曲がぴったりか、なんてのを考えたことがありますが、実は、それで作ったテープがあるんですよ(曲目は下に書いておきますので、よかったら見てみてくださいね)。けっこう気に入っているので、外出する時にはけっこう持っていってたりします。やっぱ、こういうことするの、面白いですよ。
最後に
というわけで、いくつか例を挙げてみてみましたが、いかがでしょうか?
皆さんの方でも、テーマを共通させて聞いてみたり(…って、考えてみればこのコーナーの常套手段だったか)、ストーリーを作ってみたりしてください。うまいのができれば、自分で作った分、下手なテレビドラマより楽しめるものになるかも知れませんよ。その場合は、私にも教えてくださいね。
さて、次回は、ライブ直前ということで、希望と願望で、ライブにどんな曲が入ってくるかな、ってのを考えてみようと思います。私の予想がどれだけ当たるか、楽しみにしてください(競馬の予想が当たらんやつが何いっとるか)。また、自分で予想してみましたって方は、例によって投書箱にお願いします(6月23日まででお願いします)。
Through the Year
Opening:Eternity〜ひとひらのlove song〜
January〜Her Birthday〜:あなたが生まれた日/place to be
February〜Cold Air, Warm Sunlight〜:caress/am↔pm
March〜So Many Departures〜:It's a beautiful day〜永遠に続く日々〜/あこがれ
April〜Shining Scapes〜:SALAD DAYS/Steal on Sunday
May〜Bracing Zephyr〜:My wish/ミントと口笛
June〜Romantic Days〜:ロマンチックだね/すきです。
July〜Into Brilliance〜:とぼうよ!/口笛でル・ラ・ラ
August〜Southern Winds, Southern Rain〜:Babyblue/センチメンタル
September〜Seaside Memories〜:ブルーのストーリー/海辺に綴ったラブレター
October〜Festive Scene〜:アクセル/オレンジと観覧車
November〜Starry Nights〜:星空にお祈り/優しい約束〜TO MY FRIEND〜
December〜Merry & Happy to ...〜:グッピー/X'mas time Hold me tight
Ending:DESTINY
…いや、何分、「berry best」までで作ったから、
多少強引な部分がありますが、それはお許しを(苦笑)。
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