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CD Release

第26回 風

はじめに

 春一番からは、もうだいぶ経ってしまいましたが、それでも、時々風の強い日があって、干してある洗濯物だとか、少し開いたドアにはきついときもあります。実際問題、台風でも来れば別ですが、それを除けば、春は年間でも風の強さではトップクラスでしょう。そんな風が、季節の訪れを実感させてくれるわけですから、歓迎するとまではいかなくとも、心の中に、何か温かさをかすかにでも呼び起こしてくれるのも事実ではないでしょうか。もちろん、いろんな歌の中にも、それこそいろいろな風が出てきて、さまざまな感慨を与えてくれています。
 今回は、そんな歌の中の風についてみていけたらな、と思います。

歌の中の風

 手元に、97年まで作ったカセットテープの歌詞カードがあるので、それをざっと眺めてみたんですけど、風を前面に押し出したような曲って、ちょっと引っかかってきませんでした。「風」という言葉をタイトルに入れている曲でも、「風のKiss」を聞いてみると分かると思いますが、背景的に、さらっと触れて、曲中の人物や風景の描写に行くことが多いのかな、と。
 それでも、そういった背景に使われる風には、けっこういろいろなものがありますね。まずは、やさしく包むような風なら、「風のエオリア」や「HOWEVER」といったあたりが浮かぶでしょうか。まあ、このタイプはけっこう多くて、ちょっと家にあるCDのライナーを見てれば、 いくつか簡単に出てくると思いますけど。ハードなのがお得意の林原めぐみさんにも、「引っ越し」ってのがありますしね。
 で、これまた多いのが、切なさを呼び起こすような風。「卒業」での春一番や、「SEA SIDE WOMAN BLUES」の南風なんてあたりですか。これが、記憶の中に吹く風になると、もっと印象が強くなります。「Oh! クラウディア」なんてあたりがそうでしょうね。
 こうした甘い(切なさだって、ある意味じゃ甘いんだから)風からはなれて、試練としての風(主に向かい風)ってのもありますね。たとえば、何度も立ち向かって、何度も負かされてしまうような「I WILL BE ALRIGHT」強い風や、あえてきつさを求める「HERE COMES THE SUN(ビートルズに会えなかった)」に見られます。まあ、行き過ぎると、疲れた心を空しく吹き抜ける風になるんですけど(例「真夜中のダンディー」)。(^_^.)

まーちゃんの場合

 で、まーちゃんの場合なんですけどね。ご存知のように、この人は東京生まれの横浜(一時台湾)育ちだからか、自然の風を感じたいっていう気持ちが強いのかな、と曲を聞いていて思うことがあります。で、自然の風の中でも、緑の中や上を吹き抜けるような、爽やかな風が好きなようで、「ミントと口笛」や「My wish」ほか、こういう曲には事欠きません。他にも、爽やかかどうかはちょっと分からなくとも、暖かくて優しい風なら、「そよ風とカフェオレ」や「風のKiss」なんていうところがあります。これをちょっと変化させて、相手にとって自分が温かい風でありたいってことなら、「」ってところが出てきます。
 まーちゃんの曲の基調が、爽やかさと優しさって部分なので、試練としての風ってのは、「A Place in the Sun〜陽のあたる場所〜」で吹いていた強い風と「LET'S!!」の冷たい風ぐらいだと思うんですが(少なくとも歌詞カードを見た限りでは気づきませんでした)、「青い夕暮れ」では、この人にしては珍しいタイプ(おそらく、この曲だけ)の風が吹いてます。今となっては切ないものになってしまったけど、無くしたくない思いを消していってしまう潮風ってやつですね。今のまーちゃんがこういう詞を書くってのは、想像がちょっとつかないでしょう。ファーストアルバムだからこそ、曲中に吹かせられた風ってところですか。
 また、曲中に明示してなくても、きっと温かい風や優しい風が吹いているんだろうってのが、行間から読み取れることもありますね。たとえば、空に送った「love letter」は、優しい風に乗って「優しい約束〜TO MY FRIEND〜」となって相手のところに舞い降りるんでしょう。
 改めて見直してみると、まーちゃんって本当に「風」が好きなんだな、と思います。何せ、アルバム「ひまわり」の10曲中、6曲に何らかの風が吹いていますしね。…って、考えてみれば「AERIS」なんてアルバムのテーマが「空気感」だからそのものなんでしたね(^_^.)。まあ、振り返って考えてみると、最初に作詞した「SALAD DAYS」の冒頭部分から、爽やかな風が吹いています。そのぐらい、この人は「風」について、憧れっていうような気持ちを持って思っているんじゃないでしょうか。

最後に

 さて、今回はこんな感じで(←まーちゃんの口癖?)歌の中の風についてみてみましたが、どうだったでしょうか? 実は、今回、いろいろな歌詞カードをひっくり返してみて、案外パターンがないのに驚いてたりもしました。今はまだしも、昔は本当にバラードを中心に聴いていたから、そのせいなのかもしれませんけどね。まあ、それでも、最終的にはけっこういろいろな風が集まってきたからよしとしましょうか。まーちゃんの曲にもいろいろありましたしね。


 次はもうこれしかないでしょう。「やさしい右手」です。曲の感想をお待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。(こちら用は4月の27日までですが、それ以降でも随時受け付けています。こうした感想は、作品紹介に載せていきます)

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