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CD Release

第23回 caress

はじめに

 そろそろ、冬のうちでも一番寒い時期を抜けて、寒くなったり、暖かくなったりしながら、だんだんと暖かくなっていきます。それでも、まだ朝晩は冷えますし、まだ春の足音のかけらも聞こえない地方もあるんでしょうね。
 そして、この曲が生まれた地は、まだ本当に春は遠いんでしょうね。まーちゃんが、憧れの地に行って、いろいろなものを心の中に持って帰ってきた曲、「caress」を今回は見てみたいと思います。

スウェーデンの空

 この曲が作られるようになった理由、および制作過程は、作品紹介にも書いてありますが、あえてもう一度。
 まーちゃんは、スウィディッシュ・ポップが好きで、以前からそちらの方の曲を歌いたいという希望を持っていました。99年の夏のライブ、Strawberry Smileが成功裏に終了した時に、周辺のスタッフから与えられたご褒美は、「スウィディッシュ・ポップの名プロデューサー、ウルフ・トレッソン氏に楽曲を提供してもらう」というもの。そして、日本での打ち合わせのあと、同年の11月頃に、まーちゃんは憧れの地であるスウェーデンでのレコーディングを行い、音楽に対する向き合い方や、自分がスウィディッシュ・ポップを好きな理由など、歌手としてのいろいろな財産を心の中に持ちかえってきたというのが、この曲の制作の経過です(より詳しく知りたい方は、アーティストブック「soave」や、「berry best」のDVDなんかをどうぞ)。
 まーちゃんが行ったときは、晴天が多いといわれるスウェーデンにしては折悪しく曇り模様の日々だったんですが(フォトエッセイ集「PLACE TO BE〜今、ここにいること〜」を見ると、少し分かります)、スウェーデンの空が移っている写真を見る機会があれば、その青さに目を向けてみてください。日本の空より、もっとすっきりとして、深みのある青に見えるはずです。

朝の光

 まあ、「caress」の曲中の時間は朝なので、そこまでの深い青空じゃないのかもしれませんが、それでも、朝の光っていうのも、十分素晴らしいものなんだと思います。それまで、黒だけで構成されていた世界(まあ、街中だと街灯でそうでもないですが)が、ゆっくりと色づいてくる様子は、けっこう神秘的なものがありますし、人間、闇は怖いものですから、それが取り払われる朝っていう時間は、希望の象徴でもありますしね。
 で、そうした朝の光がより印象的になるのは、冬のような気がします。空気が肌を裂きそうにさえ感じるほどの寒さを、和らげてくれる兆しだからでしょうか。あるいは、冬は空気が澄んでいますから(どういうわけだかは知りませんが)、より光が純粋に感じられるからなのか。
 とにかく、そうした朝の光を描写したこの曲が、明るさや希望といったものを穏やかに、だけどはっきりと心に届けてくれるように思います。

暖かさ

 これも作品紹介の方で書いたことなんですが、この曲に関して僕は「真冬の露天風呂」という印象があります。要するに、「身を切るほどの寒い空気を感じるけど、心は暖かさを感じる」っていうことです。まーちゃんの方では、「スウェーデンで得た優しさがとても反映された、「caress」な曲」って以前言っています。
 まあ、私としては、スウェーデンに行ったことがない(どころか海外旅行経験がない)し、スウェーデンに関係する知り合いもいない(まーちゃんはともかく…かな)ので、スウェーデンにどんな優しさや暖かさがあるのか、って言うのは本当にはまだ分からないのかもしれませんが、それでも、その場所で生まれたこの曲に、とても大きな優しさや暖かさがあるのは分かります。まーちゃんの声や、いろいろな楽器の音に、暖かさを感じることができます。「caress」って言葉は、「優しく撫でる」、もう少しきちんとした言葉で言えば「愛撫する」って意味ですが、サウンドや声に愛撫されているように、聞いていて感じることがあります。
 スウェーデンは、地理的には北欧に分類されるわけで、その言葉を聞いただけで寒さが想像できます。そんなところで生きているからこそ、心の中は暖かくなって、それがこういうところに出てきているんでしょうか。

最後に

 実は、多分、去年のバースデイライブで聞いたときから、私にとって、まーちゃんの曲の中ではこの曲はトップクラスで好きな曲です。寒さも暖かさも一緒に感じることができたり、聞いていて暖かさが心に入ってくるところが好きなんですが、たまに口ずさむと、あるいはカラオケで歌うと、何かが溢れ出しそうになることがあります。自分の中に満たされた暖かさが出ているんならいいんですけどね。ともあれ、この曲は、ずっと聞いていたいと思っている曲です。
 で、個人的には、もともとスカンジナビア半島の3カ国や、アイスランドといった国には興味はあったんですけどね。「caress」を聞いてたら、やっぱり行きたいところになりましたね。ちなみに、他に「冬の朝の曲」を聞いてみたいな、と思っている方は、渡辺美里さんの「BELIEVE」をどうぞ。こちらは、心がしっかり支えられるような曲です。


 さて、次回はひな祭りソング…ってそんなのはないですね。3月に入りますしね、「旅立ちの歌」ということでいきましょう。何かありましたら、3月2日までにお願いします。

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