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CD Release

第14回 雨から晴れまで

はじめに

 「女心と秋の空」なんて言葉があります。このふたつぐらい、変化が早くて掴みにくいものはないって意味で使われますね。こういう引き合いに出されるほど、今の季節の天気っていうのは、日ごとにころころ変わります。週間天気予報を見ていても、2、3日、ことによると1日ごとに天気マークが違っていますしね。
今回は、こういう季節なんで、天気の移り変わりをテーマにした曲を見ていこうかな、と思います。

天気ことば

 いきなり、わけのわかんない造語がでてきました。まあ、花言葉というものがありますが、それはその花の姿や様子から連想されるところが大きいものでしょう。それと同様に、ある天気には、それに付随する気分というものがあります。だから、アニメーションやドラマなんかで、天気をとり入れた描写が頻繁に出てくるわけですしね(「チャンス」の6、7話を見た方は思い出してみてください)。そうした、天気から出てくる気持ちというのをここで確認しておきましょうか。

晴れ:爽快、希望、飛翔、暖かさ…「光」に象徴されるもの
曇り:憂鬱、悩み…「影」に象徴されるもの
雨:悲しみ、挫折…「冷たさ」からの連想
嵐:苦難、苦痛、障害…「激しさ」からの連想(かな?)
雪:静寂、神秘、(派手に積もると)圧力…「白さ」や音を吸収するところからの連想

 まあ、ここに挙げたのは一例ですので、皆さんのほうで追加することができるでしょう。それでも、代表的なものはここに挙げたぐらいになるのではないでしょうか。

歌の中の天気

 さて、それでは前回の最後で予告しておいた曲たちの中で、天気の移り変わりがどう絡んでいるか、 見てみることにしましょう。

嵐のち晴れ(椎名へきる:シングル)

 実は、けっこう驚きました。この人の曲で、このタイトルだから、もっと激しい曲なのかと思ってました。この人の曲だと、いろいろと激しいのもあることですしね。
 まあ、それはさておきまして、この曲の場合、大事な人に吹きつけてくる嵐を、自分がそばにいることで晴れに変えてあげたいってことを、穏やかに歌っているわけです。だから…もしかしたら、嵐の間に休むための家っていう感じなんでしょうか。

雨のち晴れ(Mr. Chidlren:アルバム「MR CHILDREN 1992-1995」等)

 実は、今日初めてまともに聞きました。で、「えらい複雑な曲だよなぁ」ってのが素直なところ。投げやりに、降る雨に半ばやけになって打たれてるようなところもあるし、かと思えば、サビの部分は、晴れる日が来るのを信じてるし…。「このままじゃ、でも…」っていうもどかしい気持ちがね、えらい共感を呼ぶところがある。ま、最後にはね、晴れる日が来るのを信じてがんばろうってところに落ちつくんだけど。

雨のち曇りのち晴れ…(林原めぐみ:アルバム「ふわり」)

 前節で書いた「天気にまつわる感情」を一番内に秘めているのがこの曲でしょうね。恋人を失った悲しみの涙が、だんだんと止まって、少しずつ光の差す方を向くようになる気持ちが描写されます。その様子が、(おそらくは柔らかな)雨が、次第に止んで、雲が少しずつ薄れていく様子にたくされているんでしょう。
 タイトルで、「晴れ…」ってなっているように、曲中ではまだ光に包まれるところまではいかないけど、それでも光を感じられるようにはなるところまでは、悲しみも和らいでいるようです。

くもりのちはれ(飯塚雅弓:アルバム「ひまわり」)

 躓いたり、逃げ出したりしてしまう自分を見て、「弱いな、ダメだな」って憂鬱になってしまう、そんな曇り空な心の時っていうのは、雅弓さんのみならず誰にでもあると思います。
 それが、ほほえみっていうきっかけで楽しいコトも悲しいコトも受け止められるようになりますが、それは雲間から射してくる光のような、優しさや柔らかさにあふれたものですよね。青空に溢れる光に比べたら、小さな小さなものかもしれないけれど、ほほえみからくる光が、柔らかく包んで、強さをくれるわけです。
 そして、もらった光を誰かに、あるいはくれた相手に返せるような気持ちになり、楽しいコト、嬉しいコト、素敵なコト…つまりは笑って待っているお日さまを一緒に探しに行こうと思えるようになる、素敵な歌だと思います。
 作品紹介の方にも書きましたけど、サウンド的にはどこかに憂いを含んでいるのに、この曲を聞き終わった後には雲間から射す光を十分に感じられるようになっているのは、雅弓さんの歌い方や、歌詞の表現なんかに起因するんでしょうね。

 「雨のち曇りのち晴れ…」みたいに、曲中に天気を明示している曲もありますが、「くもりのちはれ」や「雨のち晴れ」のように、そうはしていない曲もけっこう多くあります。そのどちらにせよ、心の中の状態を空模様に反映させることで、心の中の大きな広がりが感じられるように思うんですけどね。みなさん、どうでしょうか。

逆パターン

 雨から晴れになる曲は多いけど、晴れから雨になる曲は思いつかないなぁ…なんて思いましたが、そういう曲はやっぱ作りにくいような気がします。要するに、明るく楽しくやっていたのが悲しみに突き落とされるっていう曲になるわけですしね。あるとしたら、ラブバラードになるんでしょうか…。
 で、ざっと考えて思いついたのが雅弓さんの「すきです。」。誰かのことを好きだっていう気持ちは、明るい気持ちのはずですが、それを伝えられないつらさや悲しみがあり、それが降り出した雨と重なってきます。それでも、最後には「こいもゆめも かないますように」って、明るい光を望んでるんですけど。

最後に

 とまあ、こんなふうに見てきましたが、いかがでしたか? 人の心は、天気によって変わりますが、 歌の場合には、心が空に映るんですね。あるいは、同じ天気でも、心によって感じ方が変わったり…。 そういうところが少しは見えたかな…と思いますが、どうでしょう。


 さて、10月に入り、新しいアニメーション、実写ドラマが続々とと始まってきています。それに伴い、それらのテーマソングも発表されています(まあ、発売はもう少し先のものが多いかもしれませんが)。そこで、次回は心に残っているテーマソングについて、 書いてみようかな、と思います。アニメーション、実写、その他問わないので、掲示板の方までお願いします(10月26日まで。27日は作業できないので、1日早くさせてください。ご了承のほど、お願いします)。

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