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第12回 泉川そら
はじめに
7月に発売されたアルバム「ひまわり」において、かつてないほど曲作りに携わった名前に、「泉川そら」というのがあります。
そこで、今回はこの人の紹介を少しばかりしてみようかと思います。
略歴
1971年のバレンタインデーに広島で誕生。小さな頃からエレクトーン、ピアノ、歌、ダンスをたしなむ。また、作詞・作曲なども早い時期からはじめ、小学校の校友歌も作曲した。後に、妹と二人で広島、福山で独自のステージを展開したり、バンドを結成し、オリジナルやコピー(レベッカ、プリンセスプリンセス)を演奏。同志社大学卒業後、一時OLとしての生活に入るが、歌の夢を捨てられずに上京、1998年の誕生日にパイオニアLDCからデビューを飾る。2年間のメジャー活動の後、現在はインディーズに活動を移しているが、その独自の音楽性を生かして、楽曲提供も行っている。また、その独特のセンスは音楽のみならず、イラスト、ファッションなどの方面でも発揮されている。
ってまあ、こんなところですね。
雅弓さんとの出会い(推測)
雅弓さんが98年の暮れに出したミニ・アルバム「Fly Ladybird Fly」に入っているナンバーで、ライブでもおなじみの曲に「風のKiss」があります。本来、この曲は97年の9月から文化放送でオンエアされていた「週刊アニメージュ 飯塚雅弓のまだまだ日曜日だよ」のエンディングテーマでした。
ということは、その頃にそらさんとは会っているんでしょう。結構、もう長いつきあいってことですね。長谷川智樹さんと同じぐらいかな?
衝撃
ライブでもラジオでも雅弓さんが話していたので、このことを聞いた方は多いでしょう。
98年、「ミントと口笛」の製作に入って、曲を集めていた頃、そらさんからの曲の中に「小さな私から」が入っていました。そのメロディラインなのか、歌詞の世界なのか、全体の雰囲気なのか、とにかく、小さからぬ衝撃を受けた雅弓さんは、「歌いたい」と強烈に思ったものの、「まだ早い」との判断により、この時はこの曲を歌うことはありませんでした。
それから3年、今年のアルバム「ひまわり」でついにこの歌を歌ったわけですが、その時の満足感や達成感ってのは、相当大きかったんじゃないでしょうか。
雅弓さんに書いた曲について
今のところ、「風のKiss」「いつもの帰り道」「くもりのちはれ」「さんきゅっ」「そよ風とカフェオレ」「あなたがいれば」「小さな私から」の7曲です。個々の曲の感想については、作品紹介を見ていただくことにして、全体的なことを少し。
どの曲を聞いてみても、多かれ少なかれそらさんの曲の特徴が出ています(音楽的なことがわかれば、ここがこうとか言えるんですが)。その一方で、「内側からの強さ」や「風の雰囲気」ってあたりは、雅弓さんの歌の特徴で、そのあたりもしっかり捉えているんですよね。
だから、特に「くもりのちはれ」や「小さな私から」ではそうなんですが、雅弓さんの歌だし、雅弓さんの個性も感じ取れる一方で、後ろにそらさんが見えるような気もしてくるんです(「くもりのちはれ」に至っては、コーラスに入ってるんじゃないかって思ったぐらいですから)。
受けがいいのは…
ってことを知りたかったので、Starryの掲示板などで聞いてみました。まあ、延べ数で13件ほどなので、これが傾向ってことは言えないんですが、「そよ風とカフェオレ」「小さな私から」ってところに集まったようでした。ただ、ほぼすべての曲に意見が入ったってことは書いておきます。
オリジナル曲の紹介も少し
全曲目は一番下に書きますが、好きな曲のレビューを少し。
- 神様がくれた日:とても素敵なウェディングソング。感謝とその先への願いが胸に響きます。
- 星のクリスマス・ツリー:世界中の人が同じ日に幸せを祈っている、そんな感じが、重層的なコーラスを通して伝わってきます。
- ヤッホー!(タートルバージョン):おだやかに、だけど強く前に進んでいく気持ちと、それをはっきりと誰かに伝えようとする意思が感じられる曲です。
- ずっと・・もっと・・:雅弓さんが歌ってもよさそうな歌詞ですが…。ともあれ、大きな優しさや愛に包まれはじめた安心感の歌です。
- マンホール:それまで歌ってきたポップ色が強い曲とは一変して、かなりロック調の曲です。満たされなさに包まれて慣れきってしまう前に、抜け出していこうという曲。
僕は、「神様がくれた日」で初めてこの人の曲に触れて、その時に「こういうのあり?」というような衝撃を受けました。感情が滴ってくるようなバラードだったり、前に進んでいく意思を表した曲だったり、どういう曲にしても、独特の音楽的世界がありますから、とっつきにくい部分はありますが、慣れたらくせになりそうなものがあります。
今、入手が難しくなって来てますが、何らかの手段で聞ける機会があったら、ぜひ聞いてみてください。
最後に
とまあ、えらくざっとではありますが、泉川そらさんの紹介でした。少しはどんな人かわかったでしょうか? とにかく、作詞・作曲を覚えていない時に聞いても、「これ、そらさんの曲なんじゃ?」って思ったのはけっこう当たるぐらいの独自の世界を持つ人なんで、こういう人にもっと頑張ってほしいですね。
次回は、「同じタイトルの曲を聞き比べて」ということにします。例えば、僕は今、「Melody」というタイトルを聞いて、4つ違う曲が出てきます。そして、そのそれぞれがその言葉をキーにしながら、全然別の世界になっています。そういうことを見てみましょう。体験談、お待ちしております(22日まで)。
泉川そら 楽曲リスト(2001年9月15日現在)
オリジナル曲
- 等身大の地球儀:PIDL-1246
- 等身大の地球儀、神様がくれた日
- ヤッホー!:PIDL-1252
- ヤッホー!、そらへ
- そらへ:PICL-1170
- そらへ、等身大の地球儀、ヤッホー!、たった1つの窓、いつか…、私が主役!、別々の場所で、らくがき、凪、神様がくれた日
- タイムカプセル:PIDL-1263
- タイムカプセル、「おはよー」がとびでたら
- tu-la-la:PIDL-1269
- tu-la-la、星のクリスマス・ツリー
- ずっと・・もっと・・:PIDL-1275
- ずっと・・もっと・・、マンホール
- はじまるよ 〜1才なり〜:PICL-1179
- はじまるよ、釣った私に、タイムカプセル、∞のピース、tu-la-la、二重マル、こっち向いて・・、お気楽ご機嫌・Everyday、いまでも・・、ヤッホー!(タートルバージョン)、ずっと・・もっと・・
- ロケットで:PIDL-1279
- ロケットで、はじまるよ
- 普通電車にのって:番号不明
- 普通電車にのって、唄となり
- 浮かれビート 地下1階:SSDF-3005(9月26日発売)
- 開会宣言、浮かれビート 地下1階、電子レンジマジック、あかね色、うたかたの雨、麗しき月夜の話、ボクの花
提供曲(雅弓さん以外)
- 三重野瞳さん
- 「ヤッホー!(Verry☆Hall Version)」:アルバム「ベリー☆ロール」収録
- 石井聖子さん
- 「今もいつも」:アルバム「スロン ラ リュンヌ」収録
- 松村邦洋さん
- それでいいのだ!、友達として:シングル「それでいいのだ!」収録
- 麻績村まゆ子さん
- 「幸せなたんさんジュースのシゲキ」:アルバム「おかし」収録
- 篠原ともえさん
- すてきな日曜日:シングル「君んち。」収録
- 國府田マリ子さん
- 世界中のポスト:シングル「ハチミツ」収録
心の矢印、朝色のワッペン、駅までの道を:シングル「心の矢印」収録
心の矢印、トマト、ひなたぼっこ:アルバム「そら」収録
- 堀江由衣さん
- Happy happy * rice shower-type yui-:アルバム「水たまりに映るセカイ」収録
- 鳳山雅姫さん
- 帰り道:シングル「三日月」収録
乾いた胸:シングル「乾いた胸」収録
ラジオ:泉川そらのドレミファそらジオ
RCC中国放送:月・24:30〜25:00
RSK山陽放送:月・23:00〜23:30
KRY山口放送:水・21:30〜22:00
本人作成公式HP:そらまめ
http://www.sorasora.com/
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