ファンサイドからは「この曲が好き」って言ってもらえてたりもしたけど、新谷良子さんからそう言ってもらえたのがけっこう意外だったようで。

高校生の頃のことを色々と思い出しながら書いた曲なので、懐かしさで胸が一杯になってたり。当時聞こえた音や見ていた風景とか…昔の日記を見返してみたりもしたようで。いろいろなことを思い出す曲。放課後になった時の風景が好きだったので、そこから書き起こしていった曲。
学生には、今の気持ちを大切にしてほしいな、という願いも入っているそうです。

前年、「やさしい右手」で大苦戦した記憶があるから、吉田氏に曲を頼むかどうか悩んだけど、やっぱり頼んで、出てきたのは前向きで明るいメロディ。そこに漂う懐かしい感じから、学生時代に校舎の2階から部活を見ていた頃を思い出しながら詞を書いたそうです。今回は、わりとすんなり書けたし、吉田氏にも「いい詞できたね」って言われた後に、彼が曲をアレンジして持ってきたのは、元のものとは違って切ないメロディ。曰く、「詞を見たらそうなった」とか。その辺の変化みたいなものも聞いてほしいそうです。

好きな人のそばにずっといたくて、触れあいが欲しくて、見ていたくて。だけど、積極的にはなりきれなくて、さりげなさを装ってみたり……。この人って、その頃を思い出しながら、多分すごい色々なものが入った、奥の深い笑顔をしてると思う。懐かしさって無論あるし、相手の今が分からないもどかしさもちょっと、好きなままでいる淡い恋心、届かない切なさも少し。そうしたものが全部混ざった笑顔の裏で、（曲には書いてないけど）「元気で、幸せでいてね」って祈ってるんだと思うよ。そういうふうに、時間が経っても相手のことを気にかけていられるってことが、相手のことを好きだった証だから。