いろんな小さな音に、いろんな空気を感じて、聞いてもらったときにすっと体に入ってく空気のようなのを作ろう、というアルバム。この頃はまだ詞にけっこう苦労してた頃で、アドバイスを受けながらやっていた。
ジャケットの撮影のとき、天気と相談しながら取っていたけど、できてみたら霧がいい感じ。…今よりも大人っぽく撮れてる?　丸い?

アルバムが発売されて、この中の曲たちが、みんなに見守られながら、どう育っていくかが、一番の楽しみだし、ライブでも大きくしていけたらいいなって言うのが願い。

ジャケットやライナーの写真は、直射日光が入る爽やかなハウススタジオで撮ったり、富士山の近くのもやがかかった草原で撮ったりして、「AERIS」にぴったりな感じの、満足できるものが仕上がってきました。この時、髪を切った後だったので、これまでのアルバムの写真とは違ったふうに見てもらえるんじゃないかなって思ってるそうです（ちなみに、この時デジカメかなんかで撮った映像が、ＴＶＣＦに使われたようです）。さらに、表紙の地の色が白になっているのは、そこでも「AERIS」を感じてほしいし、聞いてくれる人それぞれの「AERIS」で聞いてほしい、それぞれの色に染めてほしいということだからです。

ナチュラルな感じで、肌にすっと入ってくる音楽を収録したアルバムに相応しいタイトルを…と探していて、「AERIS」という、ラテン語で「空気」、「空気感」という意味を持つ言葉を見つけたが、「アイリス」という本来の読みでは、音的に「空気」というイメージが薄いので、「エアリス」に読みを変えて決定したそうです。まあ、そういうタイトルではあるんですが、そういう曲だけじゃなくて大きな意味を持った歌とか、深い曲とか、葛藤があっても進んでいく曲とか…、いろいろ入った1枚です。

この時は、何曲か軽井沢のウッドストックスタジオで制作してますが、東京でレコーディングする時と違って、気持ちが解放されるので、そういう曲を録音したようです。また、全１０曲で、２曲の作詞に参加しています。で、１０曲の中に、バースデイソング、ドライブソング、記念日ソング、ライブでのエール交換の歌といったように、いろいろなものが詰まった１枚になってます。

仮歌やオケ録りに始まって、トラックダウンまで、全ての作業に立ち会って作っているのは、やっぱり、全部を見守っていない時がすまないし、必要な時には注文を出したりすることもある、と。それだけ、自分の作品を大事に思っているってことですね。

これまでのアルバムよりも、もっと心に気持ちよく入っていけるような曲や歌詞を目指していっているアルバムだと言ってました。

このアルバムのテーマは、「空気感」。飯塚雅弓っていう人の声が、とくに高音域だと透明感にあふれてることもあって、クリアな感じがする曲が多いですね。それでいて、どこか温かい感じもしてきます。
ところで、「かたおもい」の時のロングヘアと、このアルバムのショートカット、どっちが好きですか？