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Strawberry センチメンタルCANDY 2013
2013.09.08 @ 東京都豊島区・高田馬場CLUB PHASE
いろいろな光の中で
客席側の照明が落とされると、まず最初に流れてくるのは「まゆみ」をオーケストラ風にアレンジしたメロディ。そのある種豪華なサウンドの中、バンドメンバーが黒のライブTシャツを着て入場してくる。そして、5人が所定の位置について、しっかりとスタンバイしたところで、金のラメの上着に白のミニスカート、腰と頭に黄色いリボンをつけたまーちゃんが登場。ひときわ会場が盛り上がる中、八分音符の力強い刻みから「とびたつ季節」でライブがスタートする。しかし、2コーラス目に入ったところで、一度マイクが声を拾わなくなるハプニング。状況を察した客席が、慣れた曲ということもあって素早くカバーしている間に、マイクもどうにか元に戻って1曲完了。そこから「Shining Shining」で皆で声を合わせ、「Baby, dance with me♪」でちょっとしゃれた感じに動きを合わせて、会場の空気を熱くしていった。
3曲が終わったところで最初のMC。「雅弓って言う名前でよかった」という言葉からスタートし、挨拶も交えながら、16枚目のアルバム「センチメンタルCANDY」への想い、あるいはそのアルバムと一緒に歩いたこの夏の気持ちを話していく。「この夏は長いようなあっという間だったような…」という感じだったようで。
再び曲に戻るときに、ステージの照明は緑が主体に切り替わる。その中から聴こえてくるのは「ミントと口笛」。収録されたアルバムのライナーを思い出しながら、あるいは「キミとヒカリ」と同じ場所で撮影されたPVを思い出しながら1曲聴いていた。そして、外ではすっかり日が落ちている頃、ステージ上に夕暮れがやってきて「コスモスガーデン」の世界を彩っていく。さっきとは一転、会場が曲の世界にしっかりと入り込んで聴いていた。照明がカクテルカラーに変わり、今度は夜空の雰囲気で「Milky way」。曲に導かれるように、気持ちを静かに高めていきながら静かに、穏やかな空気感を作っていった。
再びMC。前3曲を軽く紹介したあと、「ミントと口笛」の頃からずっと抱いていた想いを話す。「何年経っても聴き続けてもらえる曲をって思ってやってきた」とのこと。実際、それが実っているのは今でも「ミントと口笛」などをここで歌えてることで分かるかな? そこから、日ごろ思ってる「出会いと運命」のことを話した後、ライブの次の流れ「ヒカリへ向かっていく曲を」と紹介していった。
ということで、「きっと ずっと」からライブ再開。再び始まった流れを力強く刻んでいってから、「キミとヒカリ」へつなげて、一緒にヒカリの先へ行こうという気持ちを新たにしていった。そして、ステージ上が青い光で満たされ、そのどこか幻想的な光の中「ブルーのストーリー」を歌っていく。夏の終わりにふさわしいナンバーで、どこか切なく、でもしっかりとした気持ちを残して、まーちゃんは一度舞台から下がっていった。
切なさも元気さも
今度はまーちゃんがどんな姿になって登場するのかを楽しみにしつつ、バンドメンバーが奏でているこのライブのテーマを聴いている。それぞれにソロを披露しているときは、当然ながらそちらに視線が集まっていく。あるいは、コーラスに合わせてちょっと口ずさんでみたりみなかったり。そんなふうに、思い思いに幕間の時間を過ごしていった。
バンドの演奏が終わり、まーちゃんが戻ってくる。淡い水色の生地の上に、白のレースを重ねたドレスといういでたち。頭や服には白とピンクの花がところどころ飾ってあるし、おなかのところには銀のラメで作られた花の模様がある。静かになった中、まーちゃんの声から入っていく曲は「SENTIMELODY」。温かさも切なさも、時に激しく時に穏やかに歌い上げていく姿を見ていると、どうしたってその存在感の大きさを感じないではいられなかった。そして、少し落ち着いた風情で「瞬き」を歌う。曲の場面ごとに、違った表情や雰囲気を見せるまーちゃんに、つい見入っている間に2曲が終わっていった。
MCでは、アルバムの曲を選んでいる最中のことから話していく。「今歌いたいもの」が次へ繋がっていくように、とか、曲に教えてもらったことなどを話していた。そして、ここでバンドのメンバーを紹介する。今回の一言トークのテーマは「最近の甘いこと」。自分に甘かったり子供や女の子に甘かったり…という話が多かった。そこから、まーちゃんが最近見つけた昔の自分の映像を見て思ったことなんかも話してたり。
そして、「キミと逢いたい明日のために」からライブ本編に戻っていく。ロングのドレスなのに、元気よく動いているのがまーちゃんらしいなぁ、とか、この曲みたいにあれたらいいよね…なんてことを思いながら、舞台上のまーちゃんと時に一緒になって動いたり。そうした気持ちは次の「Power to Power」でも続いていく。力強い曲が続いて、まーちゃんの動きもどんどん大きくなる。もちろん、それに答えるこっちもパワーを増していく。その中で、一瞬「あれ?」と思ったんだけど、「やっぱ気のせいだよね」ってことにして、曲に乗りつつ進んでいく。そして、この元気ゾーンの3曲目は「君といたmemory」。まーちゃんも皆も、冒頭から元気よく動いていく。あれ? またなんか見えた? と思っていると、ボーカルのないところでまーちゃんがマイクを外して最前列の女の子と何か話している様子。どうやら、動きの元気が良すぎて、ロングスカートなのに太もものあたりぐらいまでは軽く見えてしまっていたらしい。それを知ったまーちゃん、だいぶ慌ててた様子。実際、ライブ中にあんなに取り乱したまーちゃんは初めて見たぐらい(苦笑)。その後は、ちょっとだけ慎重にスカートを手で押さえたりしつつ、でも元気に1曲、皆と盛り上げつつ歌いきった。ま、動揺はしてるようには見えたけど(苦笑)。
曲が終わり、ここでMCになる。スカートのことは置いといて(笑)、前の曲、そして次の曲にまつわる気持ちを話してから、「CANDY SKY」へと入っていく。話している間に気持ちも静まったんだろうし、曲の雰囲気も落ち着き気味ということで、すっかり普段の様子で、穏やかに気持ちを歌っていった。そしてもう一つ、どこまでも続く空の曲の「ロマンチックだね」に続いていく。すっかり元通りに、皆で元気に動きを合わせながら1曲使って、会場の空気を盛り上げていった。
そして、本編最後のMCに入っていく。こうして16枚のアルバムを重ねてこられたことへの想いに加えて、これからまた綴っていくための意気込みを話していく。こうした真面目な話のときは、客席もじっくりと聴いている体勢。そして、最後になる曲を紹介してから、「まゆみ」へと繋いでいく。自分の気持ちも確かめつつ、会場にいる人たちに語りかけるような、そんな穏やかな声と表情で、ライブのメイン部分の最後を締めくくった。
最後はみんなで
まーちゃんが裏に下がると、ここで客席からはアンコール。最近はここでウルトラオレンジのサイリウムを振る人も。ま、まーちゃんの場合、客席が明るめの場面も多いし、指まで要求してるときも結構あるし、サイリウムの出番がなかなかってところはあるか。その間、まーちゃんやバンドメンバーは着替えたり水分を補給したり…なんだろうね。
やがて、クラッシュジーンズに水色のライブTシャツ(もちろん加工済み)、頭にピンクのリボンをつけてまーちゃんが戻ってくる。「アンコールありがとう」から、まずはメンバーを一人ずつ呼び込み、恒例になったブログ用写真タイム。今回ぐらいの会場だと、案外後ろまでちゃんと写るから油断できなかったり(笑)。
無事に撮影が終わると、「恋の色」でアンコールがスタート。と、ここでまたマイクが声を拾わなくなるトラブル。もちろん、ステージからの声が届きにくいときは客席が精一杯カバーしてたんだけどね。ワイヤレスのマイクがどうにもダメで、結局は有線のものに持ち替えてどうにかこうにか一応の形にはしたってところ。1曲終わってMC。いろいろと、センチメンタルになることもあったステージだったかな? というような話をして、でも最後は元気にということで「僕のパートナー」へと繋げていった。もちろん、もうすっかり慣れた曲だから、手も動かすし、声も出る。そんなふうに、皆でひとつの空間を作って、またひとつ曲が終了。最後に、まーちゃんとバンドメンバーが前に整列して、終演の挨拶をしてから下がっていった。
その後、暗くなったステージを見ているとスタッフがなにやらマイクをチェックしている。もしかして…と思いながら見ていると、まーちゃんがもう一度戻ってきた。それに応じて沸きあがった歓声が静まると、先ほどのマイクトラブルの件から話を始める。原因はよく分からないけど、マイクに関係するところのブレーカーが飛んでしまっていたらしい。その説明をしてから、秋以降のまーちゃんの予定の告知と、次へと向かう気持ちを話してくれる。「皆が来たいって思うものを作っていけば、また次があるよ」っていうように進んでいきたい、とのこと。そして、最後の曲は夏の始まりを告げた「永遠のうた」。過ぎていく夏を惜しむような気持ちもこめつつ、でも先へと進んでいく意思も見せて、まーちゃんは歌って、客席は腕を動かしながら聴いていた。
これで、今回のライブのすべてのプログラムが終了。最後にまた皆で挨拶をして、この夏のまーちゃんの音楽にひとつ区切りをつけた。
感想
まず思ったのは、まーちゃんの話から想像してたよりは元気なライブだったってこと。もちろん、そういうところがまるっきりないとは考えなかったけど、もうちょっと落ち着いた感じになるかなとは思ってたからね。とは言え、そうしたところは「センチメンタルCANDY」の曲がだいぶ担当してるから、それ以上増やすってことにはなりにくいかな? あと、まーちゃんの曲の場合、例えば「ロマンチックだね」や「君といたmemory」みたいなものでもどこかに切なさはあるから、そういうところは実は多かったのかもしれないな、と。
で、今回は何かとことが多かったライブだったけど。ロングスカートなのに…って件は別にして(笑)、初めての会場でやる怖さってのが出てたのかも…と思わなくはない。ブレーカーに関しては、どこに負荷がかかってああいうことになったのかはよく分からないけど、なんか、声が(特に高音域)マイクに乗り切ってなかったようにも感じたんだよね。気のせいならいいけど。その辺り、もうちょっとすり合わせられたかもしれない…って気はする。
一方、この日は「センチメンタルCANDY」が発売されてから10日経ってたし、大体1ヶ月前にはライブですでに一度やっているってこともあって、新しいアルバムの曲にも自然な感じで対応ができてたんだと思う。「Shining Shining」から「まゆみ」に至るまで、しっかりと曲が浸透した上でのものになってるなって言うのは、会場の雰囲気としてあったしね。そして、その分、前の曲としっかりステージ上で融合してたと思う。まぁ、だからこそ余計に気持ちが高まって、まーちゃんはああだったのかもしれないけど(笑)。
トータルでは、「センチメンタルCANDY」っていうアルバムの特性を活かした、気持ちの振り幅が大きな、元気でもあり染み込むところもあり…ってライブだったんじゃないかと。もちろん、それは普段からまーちゃんがライブで意図しているところではあるけど、今回は特にそうしたところが大きく見えるようになっていたんだと思う。そうしたライブに参加すると、より気持ちの深いところからの活力に繋がるように感じてるから、これからもよりそこを目指していってほしいかな、というところ。 |