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Strawberry Rainbow Tour 2002
2002.06.29 at 東京都千代田区・日比谷野外大音楽堂 2002.07.14 at 大阪府大阪市・ON AIR OSAKA(夜) 2002.08.03 at 東京都渋谷区・SHIBUYA-AX
前置き
「やさしい右手」から始まった今年のまーちゃんの音楽シーンは、その途中からライブツアー「Strawberry Rainbow Tour 2002」を織り込みながら、「恋の色」、アルバム「虹の咲く場所」をリリースして、最後にSHIBUYA AXでのライブで締めくくりとなった。
今回は、ライブツアーの中から、僕が行った3回を比べながら、感想や流れを書いてみようと思う。
プロローグ
ライブの前の雰囲気というのは、どんな時でもあまり変わらない。並んでいたり、そこいら辺で三々五々集まって話している間にも、どこか待ちきれないといったような雰囲気が空気の中をしだい次第に漂っていく。そして、開場されて、人が会場内に動き始めると、ライブに向けた空気が高まっていく。それは、まーちゃんが入ってくる時に向かって、ゆっくりと、確実に動いていく雰囲気だ。
日比谷野外大音楽堂
| この日は雨。といっても、小糠雨というにも弱く、傘がいるのかいらないのかっていうぐらいの降りかた。中には合羽を着ている人もいたけど、大方の人は雨に降られるに任せていた。「これだって野外の醍醐味でしょ」ということだろう。そのぐらいじゃうずうずしてる空気を鎮めることはできないということだ。時々、会場のほうからギターか何かの音が漏れてくるのが、気分を高めてくれていた。
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On Air Osaka
| この会場、大阪駅から地下道で直結しているから、昼か夜かもわかんないんだわ。まあ、この日もあまり天気は良くなかったから、外で待たされなかったのはよかったのかもしれないけど。それはともかく、会場の前では、ホイッスルの紐の色をそろえようとしている人がいたり、まあいろいろな人がいた。
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場面1 虹を描こう
赤いストライプの上着に白いズボンのまーちゃんが出てくると、会場のボルテージは一気に上がる。今回、最初の「恋の色」がああいうノリのいい曲だから、新曲で入っても戸惑うところは特になく、みんなノってやっていたように思う。その後も、「月と帰り道」、「約束の午後」と、ノリのいい曲を並べて会場の空気を盛り上げて、最初のMCまで突っ走った。
日比谷野外大音楽堂
| 開演前に、リズムを効かせたBGMがかかっていたのはいつものことだけど、今回、何か弦(むろんキーボードの、だけど)の音が聞こえてくる。だけど、自分の立ち位置が左過ぎて、メロディラインがつかめない。後で、MCを聞いて、「あ、rememberだったんだ」という有様だったとさ。
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今度は、シングルの中から聞かせる2曲を持ってきて、ちょっとしんみりとした空気を作る。じっくりと聞いて、空気が静かになったところで、今度はまーちゃん、後ろからギターを持ってくる。曲はライブになるまで1度もどこでもかからなかった「とびたつ季節」。習い始めのギターも、この曲を集中的に練習したらしく、けっこう聞けたんではないだろうか。このあたりで、ステージのセットにそれぞれの曲の色の光を当てていることにも気がついた。
ギターを持ち出してきたまーちゃんと盛り上がった1曲が終わると、再びMC。ギターの話だとか、アルバムの話をする。そして、次の曲「remember」の紹介の後、曲に入った。
日比谷野外大音楽堂
| 初めて「とびたつ季節」を聞きながら、「この曲、ひょっとして『青』か?」と思っていたら、見事にそのとおり。やっぱイメージが浮かびやすい曲なんだろう。MCでは、まーちゃんのギター選びの顛末。まーちゃん、手も小さいから、なかなか合うギターがなく、かなり小さいものになってしまったよう。それでも普通に見えちゃうって…(苦笑)。
ウケたのは、「remember」に入る前。「ギター置いてくるわ」…「(マイク)スタンド置いてくるわ」…「まーちゃん置いてくるわ」…って、置いてくるんじゃないっ(笑)!
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On Air Osaka
| 「とびたつ季節」の時に、ギター弾きのお約束、ピック投げを披露。2枚投げたうちの1枚は奪いあいの対象に。まーちゃんが仲裁に入って、じゃんけんで当選者(?)を決めた。
この日まで、ギターの名前を決めていなかったらしい。MCの時、客席から飛んだ「名前決めた?」の声に、少し考えた後、「レインボー」と命名していた。
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Shibuya AX
| 実は、この日まで「とびたつ季節」の間奏の間に、マイクスタンドの前を離れるとなかなかうまく戻れなかったのだが、この時はうまくいったようだった。
「リハーサルの時に練習してたんだよ」って言うのは、間奏のときの動きではなく、ピック投げのこと。「後ろの金網(ミキサーのボックス)のところまで飛ばせるようになってたんだけど」と言っていた。
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いろいろな思いを込めて作った「remember」を歌い上げると、衣装交換のため、まーちゃんは一度楽屋に引っ込む。その間、バンドメンバーがジュディ・ガーランドの名曲「Over the Rainbow」(ミュージカル『オズの魔法使(The Wizard of Oz)』のテーマソングね)をそれぞれにアレンジして腕を披露。なんていったって、「Strawberry Rainbow」だからね。みんなが、何らかの思いをこの時に馳せていたんならいいな、と。
さて、やがて青のギンガムチェックのサンドレスに着替えたまーちゃんが登場すると、一度音を切って、サクソフォンの音が流れ出す。静まった空気の中、しっとりとした「青い夕暮れ」が流れる。1コーラス終わったところで、伴奏の雰囲気が変わる。ここまで来て、やっと「あ、メドレーか」と分かる。その後、5曲を穏やかに、でもしっかりと歌い上げ、12分のメドレーは「Over the Rainbow」で終わりを告げた。
MCでは、それぞれのバラードへの思いや、気持ちの移り変わりをじっくりとかみ締めるように喋っていた。
日比谷野外大音楽堂
| このメドレー自体も初披露だったが、今までライブで歌ったことのない曲も含めていたメドレーのため、全部分かった人のほうが若干少なかったのかな? 「星空でお祈り」なんかは、本当は晴れてれば効果満点だったんだろうけど、ま、これは仕方ないか。
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Shibuya AX
| 今回のこのメドレーも、このステージで最後になるし、今まで歌ったことのない曲にも、いろいろな思いがこもってるから、まーちゃん、歌い終わった後に「Over the Rainbow」を聞きながら、涙ぐんでいた。
ここまでの5回でもやっていたことだけど、舞台上方のセットの布に虹の7色があたっている。今度は、それが大きな、本当に大きな虹に見えて、見ているほうも、自分のことやまーちゃんのことを、いろいろと思い返して胸が熱くなった。
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場面2 虹を跳ぼう
ここから、ピンクのタンクトップになったまーちゃんの得意の、そして会場のほうでもおなじみの曲たちが並んでいく。「It's a beautiful day〜永遠に続く日々」に入ると、会場の空気が爆発するのはいつものこと。その勢いを保ったまま「ブルーのストーリー」まで終わると、爆笑MCを展開。お気楽トークで頭をリラックスさせる。
そして、このライブで最後のバラードナンバー「小さな私から」を歌う。この曲を歌えるようになるまでにいろいろあっただけに、やっぱりこの曲は大事な曲なんだろうな、と思いながら聞いていた。
日比谷野外大音楽堂
| MCでは、妹さんを投げようとして怪我した話とか、まゆたまぼーずの中のみかんの奇跡の話をしていた。まゆたまぼーずの効果はともかく、どーなんだろう? ああいう天気だったけど、あれはあれでいいものだと思うし。
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On Air Osaka
| ここでは、無愛想なタクシーの運転手の話をしていた(あ、耳が痛い)。こういうのを聞いていると、やっぱその辺にいる子でもあるんだな、とも思う。
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Shibuya AX
| リハの帰り、仕方なく一人で渋谷を歩いていたら、怪しいスカウトに声をかけられたとか。あまりにしつこいので、「8月3日、AXで会いましょう」と子供イベントの宣伝文句のような感じで言って、煙に巻いて去っていったそうで…。
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一度静めた空気を再燃させて、ラストまで突っ走ろうという曲がここで並んでくる。「LET'S!」のサビの部分での絶叫、「がんばって!」の会場全体での盛り上がり、それぞれに一体感を出した後、いよいよ「ストロベリーキャンドル」。まーちゃんが「こんなことやっちゃいます」とホイッスルを吹くと、会場のほうでもすぐにそれに順応。そのまま、この新しい動きを取り入れて、まーちゃんライブ最大の盛り上がりを見せる曲を突き抜けた。
会場の空気を燃焼させきった3曲が終わると、まーちゃん以下バンドメンバーは「ありがとう」の言葉を残し、ステージを後にした。そして、当然の如くに「アンコール」の声やホイッスルの音が会場を満たしていく…。
日比谷野外大音楽堂
| 開演前に、グッズを見に行った時にホイッスルがあるのを見て、「何に使うのかな?」と思いながらも買ったら、まさかここで出てくるとは…。ま、てってーてきにやらせていただきましたけどね。慣れてないから、時々間違えたけど(…って、間違えるほどのものか?)
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On Air Osaka
| な〜にが驚いたかって、「がんばって!」の2コーラス目を、まーちゃん、こっちに振ってきたんだわ。こういうこと、少なくとも関東ではやったことがないから、初めて経験して戸惑ったり、嬉しかったり…。
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Shibuya AX
| 「がんばって!」はいきなりこっちにマイクを向けてきた。まあ、どっかではくるかも、と思ってたから、けっこうすぐに歌ってた。それに、会場のほうでもわかってた人が多かったらしくて、みんなの声が聞こえてたなぁ。
その後、「こんなことやっちゃいます」でまず吹いたのは…3・3・7拍子。で、その後本人曰く「こんなのはいーんです」。ちょっとずっこけたかも(笑)。ま、まーちゃんらしいんだけどね。
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アンコール
日比谷野外大音楽堂
| アンコールに応えて、けっこう嬉しい1シーン。ライブTシャツ(水色)を着てバトンを持ったまーちゃんがバンドメンバー(全員ライブTシャツ着用)を率いて入場。まーちゃんは昔覚えた何とやらで、手にしたバトンをくるくる回す。その鮮やかさに目を奪われる。
他のメンバーも、それぞれ手に楽器を持って、「レインボーセブン」として、今度のアルバムから「デュエットでラララ」をかわいく歌う。穏やかな曲なので、みんな手拍子ぐらいでゆったりと聞いていた。
曲が終わると、もう一度全員舞台後方へとマーチングで引き上げていく。そして、また「アンコール」が始まった。
そして、まーちゃんのイメージの一面を端的に表す白いドレスで登場。バンドメンバーの紹介に入る。今回はリズムに乗せて、それぞれのメンバーに応援を客席から送ってもらっていた。
「ロマンチックだね」で会場がヒートアップするのはいつものこと。まだ降り続いていた雨を感じなくなるほどに、みんなが体を動かして盛り上がっていた。
それでも、目を凝らせば(特に後ろからも大量の光を受けるまーちゃんは)雨が降っているのが分かるから、いつかは晴れの野音でのリベンジ宣言。みんな、そのときにも会おうと「やさしい約束の右手」で誓いあった。
最後は「Shooting Star」。光を受けた雨粒が大量の流れ星に見えていた人も、きっといただろう。ラジオで言っていたとおり、サビの部分はみんなでエール交換。もう一度暑い空間を作り出して、ライブの全曲が終了した。
そして、バンドメンバーとともにステージ最前に出てきたまーちゃんは、「今日は本当にありがとうございました」と感謝とお別れの挨拶。これをもって、まーちゃんの初めての野外ライブは終わりを告げた。
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On Air Osaka
| ここではいきなり「ロマンチックだね」から入っている。それでも、この曲ではやっぱり大きく盛り上がる。その後に、ここでもバンドメンバー紹介。まーちゃんから各メンバーに飛んだ質問は、「好きな食べ物は?」。「塩辛」(ベースの阿部さん…だったかな?)とか、「たこ焼き」(ギターの長谷川さん)に混ざって、「あんた、あの子の何なのさ」と言ったのは、キーボードの渡辺さん。さすがに、まーちゃんも一瞬凍ってた。ちなみに、まーちゃんの答えは「白玉」だった。
「Shooting Star」でエール交換をしてまーちゃんが引っ込んだ後、またしても当然の如く「アンコール」が巻き起こる。それに応えたまーちゃんは、もう一度会場のみんなと「がんばって!」を一緒に歌う。さらに盛り上がった空気を作り上げて、ライブの全部のナンバーが終わった。
それでもなおかつ盛り上がるアンコールに応えて、まーちゃんだけがステージに登場。バンドのメンバーはもう帰る時間になっているため、これ以上の演奏はできなかったが、まーちゃんがMCをくれた。正月(Strawberry Party)の時にこの会場でのアンコールに応え切れなかった悔しさや、今回の都合を話した後、まーちゃんがお礼を言うと、客席からも盛大に歓声が帰ってきていた。
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Shibuya AX
| アンコールに応えて、きらきら輝くバトンをくるくる回して、「レインボーセブン」の入場。野音だけかと思っていたから、けっこううれしかった。それにしても、器用だこと。そして、「デュエットでラララ」をかわいく歌って、もう一度舞台から下がるとすぐにまたアンコール。
それに応えたまーちゃんが最初にやったのは、バンドメンバーの紹介。そしてここで大きなお知らせが入る。正月3日のライブが決定したという報に、みんなが飛び上がって喜んでいた。「そのときにも来てくれる?」というまーちゃんの問いに、みんなが「やさしい約束の右手」を高く挙げていた。そのほか、「マクドナルド」や子供服「Tinkerbell」のCFといった、うれしい知らせの連続に、気分がいやでも盛り上がる。
そして「ロマンチックだね」、「Shooting Star」とライブを締めくくるべき、盛り上がる2曲を演奏。ライブ中に、「屋根あるけど、きっと流れ星が見えるから」と言っていたが、みんなが伸ばした指の先に、本当に流れ星が見えるような気がしたのは、それだけ気持ちが高ぶっているからだろう。
「Shooting Star」の後、お礼を言ってまーちゃんが下がった後、三度アンコール。それに応えたまーちゃんは、この時にふさわしい曲を用意していた。「虹の咲く場所」。この曲で去年の10月ごろから、たくさんの時間をかけて描いてきた虹が、ちゃんとかかったんだな、という思いでライブを終了…しない。
またまたまたアンコール。この声を聞いた舞台監督さんが、「飯塚、早く着替えて出ろ」と急かしたらしい。衣装をすべて使い切っていたまーちゃんが選んだ服は、この日、会場まで来るのに着てきた私服(デニムの吊りズボンに、ん〜と…白っぽいシャツだったかな?)。ついでに靴は平らなもの。それでも、私服がちゃんとした舞台衣装に見えるんだから、この人はすごい。
最後の最後に歌う曲は、「またここから始めるんだ」という思いを歌詞に託した「remember」。この曲を、ある人は手拍子しながら、別の人はじっくりと聞き入っていた。でも、みんなこの時に受けた思いはまーちゃんへの感謝なのかな、とも思う。
そして、ライブはいつものとおり、「家に帰って、『ただいま』というまでがライブだから」という言葉、そして感謝の挨拶で締めくくりとなった。
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感想
日比谷野外大音楽堂
| 屋根のない会場をどう感じるかってのは、人それぞれのことだとは思うけど、時々、盛り上げた声が前に行かないで上に抜けてくような感じがするときもあってね。まあ、そのへんは慣れの問題かもしれないけど。それに、この日雨が降ってたせいもあって、思ってたよりも暗くならない(苦笑)。もともと都心で不夜城のところかもしれないけど、雲に街の光が当たってたからなおさらね。だから、この辺はまーちゃんと一緒で「次に野外でやる時には…」ってところ。
雨(まーちゃん曰く、「流れ星」)が降ってたせいで、予定していたパフォーマンスでいくつかできなかったものはあった(ギターの長谷川さんが前に出られなかったりとか、「デュエットでラララ」で客席側から出てこられなかったりとかした)けど、ま、客席の盛り上がりには関係ないわな。実際、最後の方では、雨がまだ降ってたはずなんだけどそれを何も感じなくなるぐらいだったしねぇ。
この時のライブで一番ぐっと来たのは、メドレーで「Babyblue」のボーカルに入った瞬間。もともとそうとう好きな曲だってのもあるけど、まーちゃんの綺麗な声にやられて、思わず手で顔を押さえてた。この点に関しては雨が降っててよかったよ。
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On Air Osaka
| ホールとハウスの距離感の違いってのもあるかもしれないけど、今までホールでのライブにしか行ったことのない身としては、ライブハウスで生れる熱気の凄さに圧倒されてた。それに、この前のライブで時々上に抜けちゃうような感じ(上を参照)がしてただけになおさらね。
そして、まーちゃんやバンドのメンバーの方でも、そうしたパワーに乗っかってよりパワフルなライブをやっていたんじゃないかな、と思う。そして、会場の力にさらに雰囲気を作らせて、より盛り上げるような場面を作り出してみたりもしてるし(特にオーラスの「がんばって!」なんてそうでしょ)。
「ライブはステージと客席が共同作業で作るもの」だっていうのは、まーちゃんに限らず、ステージパフォーマンスをする人みんなの認識だと思うけど、こういうライブを経験すると、そのことが実感できる。だから、この時のライブで一番印象的なのは、「がんばって!」でマイクをこっちに向けてきた時だったりする。自分でもあんなに歌うなんて思ってなかったもんなぁ。
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Shibuya AX
| ここに来るまでに、5回のライブ(野音、名古屋ElectricLadyLand2回、OAO2回)を経てきて、ラストのここに向けての気合とか、育ててきたものがかなり集約されていたように思う。だから、野音の時、少しあった戸惑いの空気みたいなものは綺麗に消えてたし、その一方でOAOなんかであったステージと客席の熱の交換はより積極的になってたしね。
あるいは、ライブだけじゃなくて、「やさしい右手」の製作からずっと積み重ねてきた時間をどこかで感じられるようなものがあったから、メドレーの最後に「Over the Rainbow」のライティングを見てぐっと来るものがあったり、「Shooting Star」で流れ星が見えたように感じていたんだろうな、と思う。
この時一番胸に来たのは、もちのろんでメドレーの最後(きっと、この日のライブで「虹が咲いた」のを端的に示すシーン)なんだけど、後は「虹の咲く場所」。ここで初めて登場したんだけど、それでもみんながすばやく対応して、まーちゃんと一緒に虹を描いている気分になっているのが、腕の動きから見えてたしね。
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新しい曲が新しく見えるのは当然だけど、まーちゃんのライブを見ていて、いつも感心させられるのは以前からの曲も何かしら新しくして持ってくること。「It's a beautiful day〜永遠に続く日々〜」の入りだったり、「ストロベリーキャンドル」のホイッスルだったり、同じ曲でも違う味つけにして新鮮味を失わないようにして持ってくるのは、まーちゃんのエンターテイナーとしての魂がさせるんだろう。
また、今回のメドレーがバラードだったり、序盤の方に「やさしい右手」や「かさぶたの恋」といった聞かせる曲がある程度集中して入っているあたり、だんだん、勢いに任せて突っ走るライブから、聞かせる部分はより聞かせるようなライブへと変化してきているのかな、と思う(まあ、これまでにもアコースティックみたいなところはあったけどね)。まーちゃんも、たびたび「メリハリは大事だから」といっていたしね。それだけに、どの曲でも手拍子していていいのかな、というようにも思う。もう少し、ファンの方でそれぞれの曲の盛り上げ方をもう少し考えてみた方がいいのかもしれない。
今回、3つの会場に行ってみて、曲が成長していく過程、あるいはまーちゃんのパフォーマンスが成長していく過程…言ってみれば、虹が咲く過程を見られたように思う。大阪で客席に振っていた「がんばって!」をAXではより積極的にしてみたり、「Shooting Star」や「ブルーのストーリー」でも、毎回微妙に違ってるのが、少しあわせるのには戸惑うけど、でも面白いんだよね。結局、みんながそれぞれに「この曲はこう盛り上げよう」というのをぼんやりとでも考えて、それをステージのまーちゃんとぶつけ合うことで、曲って成長していくんだろうな、と思う。それは、表面には出にくいバラードなんかでもきっと同じなのは、まーちゃんが「曲が磨かれてきてる」って大阪の時に言ったのなんかでも見えるんじゃないかな、と(でも、まだ共同作業で磨ける曲って多いと思う。「やさしい右手」とか「とびたつ季節」とか…)。
とにかく、それぞれの会場で、自分なりに「メリハリ」をつけて楽しむことができたと思う。そして、今回がこういうライブだっただけに、次にどうなるのか、到底予想がつかないのが、かえって楽しみになってきている。
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