制震概説
「バネ記号は耐力壁、ダッシュポット記号は制震デバイスです」
地震
上左図はダッシュポットが圧縮されることで地震に抵抗しています。しかしバネではないので建物を右方向に戻す力はありません。上右図は左図の逆のイメージです。耐力壁は建物をまっすぐに保持する働きを受け持ち、ダッシュポットは建物の揺れにブレーキをかける働きを受け持ちます。そして本震に続く余震に対しても安全を確保します。
制震設計(木造軸組工法)
- 制震デバイスの効果は建築基準法の壁量ギリギリの場合顕著に現れます。性能評価耐震2等級の壁量の場合そもそも耐震性能がよいので制震デバイスの配置をいろいろ試行してみることが必要です。制震デバイスは建物変位が大きい場合に効果があります。古い建物に使用すれば効果は大きいと思います。
先般1階80u、2階70uの新築を想定し、耐震2等級の耐力壁を配置しJMC神戸地震波で揺らし、その後制震デバイスを1階、2階それぞれ2セット追加してJMC神戸地震波で揺らしたところ揺れが2/3になりました。
念のためですが配置設計のないデバイスの配置はかえって耐震性能を悪くすることがありますのでご注意ください。
いろいろの制震デバイスが確認できます。
限界耐力計算ですること
- 耐震要素の骨格曲線の作成(完全バイリニヤ型)
- 偏心率の算定と地震力の割増
- X,Y各耐力壁線の損傷、安全限界の適合。そして建物全体の適合。このとき制震デバイスの配置。
- 水平床構面の剛性確保
- 検定比で性能を評価
- 本来の限界耐力計算に要求される項目はほかに種々あります。けれども政府系機関から発刊された図書も現在絶版となっております。参考図書の発刊をまって順次検討項目を増やしてゆきます。
BCJーL2地震波、神戸地震波による確認
- 数値積分による限界耐力設計値の確認。
- 地震波による建物水平変位は限界耐力設計値はよく似た変位になます。