中学生女子バドミントン選手におけるシングルス試合時の生理的強度

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研究の概略

●被検者:地区大会で活躍する中学生女子選手6名
●最大運動測定:最大酸素摂取量,最高心拍数,最大換気量
●試合時測定:ハートレートモニタによる5秒毎の心拍数,タイムスタディー(作業時間,休息時間,作業/休息比),総ストローク数,1イニングあたりのストローク数

要約
 本研究は,ジュニア期にある中学生女子バドミントン選手のシングルス試合時の生理的強度を明らかにするため,時間分析法を用いて作業時間と休息時間を考慮に入れた検討を行うことを目的とした.結果は以下のとおりである.
 トレッドミルランニングで得られた最高心拍数の平均値は202.2 beats/min,最大酸素摂取量の平均値は33.5 ml/kg/minであった.
 シングルス試合時の作業期と休息期の平均は,作業時間が6.0 sec,休息時間は7.5 secとなり,作業時間と休息時間の比は1対1.25となった.
 シングルス試合時の平均心拍数は168.9 beats/minで最高心拍数の78.7 %を示し,酸素摂取量の推定値の平均は29.5 ml/kg/minで最大酸素摂取量の87.8 %に相当した.
 以上のことから,中学生女子バドミントン選手におけるシングルス試合時の生理的強度は,成人と比べて休息時間に比べて作業時間が少ない割にも呼吸循環器系に大きな負荷を与えるものと考えられる.

専門用語の説明
●運動強度:その運動の生理的なしんどさ
●最大酸素摂取量:1分間にどれだけたくさんの酸素をからだの中に取り込めるか,全身持久力の指標