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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 676号
2024年 8月 26日


676号ファイル

 『声と眼』
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9月市議会の日程
2024年 8月
19 9:00 代表者会議 傍聴できます
26 9:00 委員会 議会運営委員会 傍聴できます
2024年 9月
2 9:00 【本会議】  議案の上程、提案理由の説明 傍聴できます
2 月      全員協議会(2025年度へ向けた事業見直し、ごみ分別区分の統一について) 傍聴できます
6 9:00 【本会議】  一般質問(1日目)
(1)岡崎 (2)渡辺 (3)榎本 (4)大橋 (5)斉藤 (6)樋口
傍聴できます
9 9:00 【本会議】  一般質問(2日目)
(7)田村 (8)丹野 (9)瀬川 (10)山田 (11)杉野
傍聴できます
11 9:00 【本会議】  一般質問(3日目)
(12)大谷 (13)宮崎 (14)園部 (15)春山 (16)川内 (17)瀬田
傍聴できます
12 9:00 【本会議】  一般質問(4日目)
(18)貴志 (19)成田 (20)川辺 (21)新井 (22)奈良 (23)猪股
傍聴できます
17 9:00 【本会議】  議案質疑 傍聴できます
19 9:00 委員会 総務財政市民常任委員会 傍聴できます
20 9:00 委員会 福祉健康常任委員会 傍聴できます
24 9:00 委員会 建設上下水道常任委員会 傍聴できます
25 9:00 委員会 教育環境常任委員会 傍聴できます
2024年 10月
2 9:00 【本会議】  委員会の審査報告、討論、採決 傍聴できます

市議会本会議場のバリアフリー化

 これまで久喜市議会で、病気などで歩行が不自由になった議員が車いすで出席したことがありました。
他市では本会議場にスロープを設置したり、演壇に車いすで上がれるようにするなど、議場のバリアフリー化に取り組む議会が増えています。
国では2006年に建築物や交通に関わるバリアフリー法が制定され、障害者権利条約では障害者の参加のために「必要な合理的配慮」などが定められています。

 久喜市議会では昨年から「バリアフリー化推進委員会(委員長/猪股)」を設置して協議してきましたが、8月に本会議場へのスロープ設置方針がまとまり、代表者会議に報告して今年度中の実現を提案しました。
本会議場入口からスロープを設けて、車いすで議席に行くことができるようにします。110万円程度の改修費が必要で、年度内の完成をめざします。

 これまで久喜市議会の議会改革で、傍聴者から要望があった場合の手話通訳者の配置、点字での陳情・請願書の提出も認めるなどの改善を進めてきました。
バリアフリー委員会ではさらに、議員や傍聴者で難聴の方がはっきり聞こえるようにする装置の導入や、議会中継録画への字幕表示も提案されています。

東鷲宮駅前立体通路 大幅に遅れ

 市は、東鷲宮駅東口に開業するヤオコーの2階の一部を借りて、「桜田複合施設(コミュニティセンター・子育て支援施設)」を開設する計画です。
東口広場から市道を挟んだ施設の2階に直結する立体通路の建設を進めていますが、現在は「休工中」で工事は大幅に遅れています。
歩道橋部分は工場で製作して据え付けるのですが、4月になって製作に9か月もかかることがわかったといいます。

 ヤオコーの開店見込みは10月で、その2~3週間後に「複合施設」をオープンさせる予定です。
立体通路の設置はそれよりさらに半年遅れて、来年3月ごろになる見通しです。
その間は買い物や複合施設に行く人は駅前の横断歩道を通ることになります。
もっともヤオコーや複合施設の利用者のほとんどは周辺住民ですから、自転車や車で行く人が多いと思われます。
立体通路が完成しても駅側から歩いていく人がどれくらいいるのか、そもそも屋根とエレベータ・エスカレータ付きの豪華な歩道橋を5億円もかけて設置する必要があるのかは疑問です。

★東鷲宮駅東口の立体通路は、市議会で議員の要求で建設が決まり、さらにその後になってエスカレータが追加された。
必要性について十分な検討もなされないまま、計画と費用だけが膨らんでいった。★


コロナワクチン自己負担3000円に

 新型コロナ感染症が「5類」に移行して、国によるワクチン接種費用や治療費の全面的負担はなくなりました。
コロナウイルスワクチンは定期接種の位置づけで、対象者(高齢者)への個別通知はなくなり、一部自己負担になります。
10月から接種が始まりますが、接種希望者の大幅な減少が見込まれます。

 5月の市議会で自己負担を軽減するように求めましたが、市は「自己負担3000円」を徴収することに決定し、『広報くき』9月号にお知らせが掲載されます。
--加須市は接種を積極的に進めるために、自己負担1000円と決定したそうですが…。


東スマートIC計画は断念すべき

 市は久喜駅東口大通りを延伸して圏央道との交差付近に《東スマートインターチェンジ》を設置する計画で、2030年開通をめざして国交省との協議を重ねてきました。
当初は事業費60億円の内、市の負担は7600万円程度ですむと見積もっていました。

 しかしその後、国が事業費限度額を40億円としているので事業化は困難であることが判明。
仮に事業方式を変更して国の負担を減額した場合には、市の負担が30億円を超えることがわかりました。
そもそも5km圏内に久喜ICと幸手ICがあるのに、この場所にスマートICは必要ありません。
市は梅田市長の選挙公約なのであくまでも国への要望活動を続ける方針ですが、市民へのメリットも実現可能性もない事業にこれ以上お金を使うべきではありません。


同性カップルの住民票 続柄の記載

8月5・6日にLGBT自治体議員連盟の研修会に参加しました。
性の多様性を巡る教育の問題、学校における性的マイノリティの生徒への支援のあり方や、同性カップルの住民票の続柄の記載などについて現状と方向性について意見交換しました。

 同居する同性カップルの住民票の「続柄」を異性の事実婚に準じる《夫(未届け)》、または《妻(未届け)》と記載する自治体が増えています。
6月時点で大村市、倉吉市、鹿沼市の3市でしたが、7月には栃木市、三豊市(香川)、横須賀市なども導入を決めました。
久喜市では現在は《縁故者》と記載していますが、6月市議会で、当事者の希望によって《夫(未届け)》などの記載を導入するよう提案しました。
市長は『総務省の判断を注視していく』『他市の動向を見て判断する』と答弁しています。

 総務省では「社会保障制度の適用などで問題が生じるおそれがある」という見解を発表しましたが、大村市などは「続柄欄の記載だけで社会保障の判断をするわけではなく、支障はない」としています。
住民票の記載方法は自治体で判断し決定できることで、その後も杉並区、世田谷区、中野区、与謝野町(京都)、古賀市(福岡)などが新たな記載方法を導入する方向で検討に入っています。

公共交通 運賃減免の対象者を拡大
市民の知らないうちに、運賃大幅値上げも決定

 市内循環バス無料乗車証の対象者の範囲が拡大されました。
(1)障害者手帳保有者全部(これまでは重度障害者だけ)、
(2)難病患者、要介護・要支援認定を受けている人、未就学児、妊産婦(これまではいずれも対象外)も無料の対象となります。
また、デマンド交通の半額負担の対象者も同様に拡大されました。
これらは議会で何度も提案してきて実現しました。

循環バス運賃をいきなり2倍値上げ

 一方で市は、9月から市内循環バスの運賃をこれまでの1回100円から200円へ、いきなり2倍に値上げすると決定しました。
同時にデマンド交通の利用者負担も1回300円から500円へ値上げされます。

 市では2020年に開かれた「公共交通会議」でこれらの値上げを決定しましたが、市民には知らせずにコロナ禍を理由にして実施を先送りしてきました。

 今年3月に新たに公共交通の「運賃協議会」を設置して値上げを諮問しました。
その後、パブリックコメントで市民の意見を募集しましたが、期間は4月8日~5月7日の1か月間だけで、寄せられた意見は1人だけでした。
そして5月20日には第2回運賃協議会を開いて全員一致で値上げを決定してしまいました。
2回とも市民の傍聴者はゼロで、協議会で値上げ案に対して質問や意見を述べたのはのべ5人でした。
今回の運賃協議会への諮問もほとんどの市民が知らないうちに、たった2か月で決定してしまったのはあまりにも拙速です。
値上げは要綱などの改正だけで実施し、議会にもかけていません。
しかも9月1日から値上げするのに、市のホームページに7月25日に掲載し、『広報くき』8月号に載せただけでは周知期間が短すぎます。
市民にていねいに説明して理解してもらおうという姿勢もないのでしょうか。

 以前から市内でバスやタクシーを運行している事業者からは『公共交通の料金を低く抑えると民間事業者の経営が圧迫される』という意見が出されていました。
しかし市内で公共交通と民間事業者が必ずしも競合しているわけではありません。
市内循環バスの料金値上げと、栗橋や鷲宮などのバスが走っていない地域でのデマンド交通利用料の値上げは、市民の交通の利便に逆行するものと言わざるを得ません。

★値上げに限らず、市民に情報を出さないのは久喜市行政の体質だ。
市長は「行政が決定してしまえば、形だけ広報やホームページに掲載すればいい、市民は従うしかない」と思っているのではないか。★









久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 675号
2024年 8月 5日


675号ファイル

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橋梁の改修もこれ以上は放置できない

  橋梁は5年ごとの点検が義務付けられていて、改修の必要性を4ランクに区分して維持管理を行っています。
市で管理している橋梁689か所の内、2019~22年度までの点検で、44か所が《Ⅲ.早期措置段階》と判定されていたことがわかりました。
これは「道路橋の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態」と説明されています。
しかし44か所の内でこれまでに修繕が完了したのは6か所にすぎず、来年度までに改修する計画になっているのは21か所だけです。
残りの17か所も遅くとも5年以内(27年度まで)の改修が迫られています。

 さらに336か所の橋梁が《Ⅱ.予防保全段階》と判定されています。
これは「予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい」と説明していますが、今のところこれらの橋梁を改修する予定はありません。

 市の「橋梁長寿命化修繕計画」には、「今までは、ある程度壊れてから補修や補強、架け替え等を行う『事後保全型』による対策を行ってきましたが、今後は健全な内に早めに手立てを行う『予防保全型』による対策を行い、修繕費用および架け替え費用を削減する必要」があると書かれています。
《Ⅱ.予防保全段階》の336か所の橋梁も早期に改修に着手するべきです。

久喜市ではこれまで学校や公共施設の維持管理は、雨漏りや故障が発生してから改修する事後保全でした。
市議会で維持管理方針の抜本的転換を求めてきて、ようやく市長に予防保全へ方針転換させることができましたが、その後も財政困難を理由として、多くの学校で「屋上防水劣化」などが放置されています。
橋梁の維持管理も、タテマエでは『予防保全』と言いながら、現実には事後保全で変わっていません。
必要な補修を先送りしていたら、かえって将来的に改修費用が膨張していくおそれがあります。

★久喜市は公共施設の維持管理方針を『予防保全型へ転換する』と表明したが、その後も維持管理に金を使わない体質は変わっていない。
学校や橋梁だけではない、道路も道路の路面標示も。★


【政務活動費】 私たちは政務活動費を何に使ったか

 久喜市議会では4半期ごとに1人1か月3万円の政務活動費が各会派に交付されています。市民の政治を進める会(猪股・川辺・田村)の4~6月分の使途明細の報告を掲載します。


審議会等の女性委員数も比率も減少 37.9%
委員の固定化や高年齢化も

 女女性委員は昨年より名減で比率も下がりました。
女性委員が3割に満たない審議会数も5つに増えました。
年齢構成では代以上が半分を占めています。
ここに記載した以外の行政委員会でも、選挙管理委員会は女性ゼロ、農業委員会で女性は名中2名だけです。
4つ以上の審議会委員を兼任している人が人もいて、人選が固定化していることも否定できません。
市長が積極的に女性や若手の登用を主導して、兼任を減らすとともに、公募や新しい委員を増やしていくべきです。
久喜市の市民参加の質が問われています。