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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 669号
2024年 4月 15日


669号ファイル

 『声と眼』
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「人権のつどい」の使途不明金どうする

 これまで毎年、県東部12市町で連携して「人権を考えるつどい」を開催し、久喜市長が埼葛人権施策推進協議会の会長を務めるなど中心になって進めてきました。
しかし昨年来、各市町から拠出してきた負担金の使途不明金や、会議等でのパワハラ行為が、内部告発によって明らかになりました。
市は実行委員会および当該団体に対して、「つどい」の会計処理と負担金の使途、パワハラ行為の実態解明や団体の対応方針を回答するよう求めてきました。
しかし団体側からこれに対する十分な回答はなく、負担金の使途についても説明がなされていません。

 そこで市は3月18日、当該団体と今後も連携して人権施策を推進していくことは困難と判断し、団体とのいっさいの関係を断つ方針を決定して発表しました。
今後は、人権施策推進協議会の負担金や同和団体の活動費補助金も廃止するとともに、関連する団体の研修会への職員の派遣も取りやめることになります。
市の「部落差別解消の基本方針」「同和教育の基本方針」は廃止、「人権施策推進指針・実施計画」も速やかに改正するとしています。

 市は埼葛人権施策推進協議会の「会長を辞任、脱退」しましたが、これまで中心で進めてきた久喜市の責任はどうなるのでしょうか。
「脱退したんだから後は関係ない」では、連携・協力してきた他市町や市民に対してあまりにも無責任です。
使途不明金やパワハラの実態と責任も解明されていないのに、これらを放置したまま済ませるつもりでしょうか。

2022年度 定例・臨時市議会 全議員の発言回数等調査集計
久喜市議会は議案審議の発言が少ない
『声と眼』669号 2024/4/10

 議員の最も重要な仕事は議会での発言です。
(1)地方自治法で議会は議決機関とされていて、「議案質疑」は予算や条例案の問題点を指摘したり修正を求めたりする議会の基本的な仕事です。
しかし1年間で議案質疑0回または1回だけの議員が10人以上もいました。委員会でもほとんど質疑をしない議員もいます。
(2)議案の採決で賛成・反対の理由を述べる「討論」も低調です。
(3)一般質問は市政の課題について質問や政策提言を行います。何を聞いてもいいので比較的活発です。

 議会は市長に対するチェック機関ですから、もっと議案の審議に力を入れるべきです。
市長の提案にただ賛成するだけでは議員の責任は果たせません。
…もっとも事前調査もしないでただ聞くだけとか、自説を開陳する演説みたいな質問も多く、発言回数が多ければいいというものでもありませんが…。

 議会開催月は、6月・9月・11月・2月の各定例市議会
久喜市議会 各議員の発言回数等調査
2023年度の本会議(5・6・9・11・2月定例市議会)

赤数字は議員提出議案・請願に対する質疑・討論
  2023年度
年間合計
一般質問
(質問項目数)
  議案質疑
(質問した議案数) 
  議案の討論
(討論した議案数) 
  代表
質問
 









定例
議会
6
9
11
2
5
6
9
11
2
5
6
9
11
2
2
市民
政治
 
猪股 6 6 6 6 1 3 3 5 1 5  1 2 2 1 1 2 24 18 9
川辺 5 5 5 4 4 6 6 2 1 2 4 19 16 9
田村 5 4 4 3 1 1 1 1 2 1 1 16 6 2




樋口 4 3 5 4 2 1 1 16 0 4
奈良 3 1 1 1 1 1 1 1 6 3 1
瀬川 4 3 2 3 1 1 12 1 1
榎本 4 2 3 2 1 1 11 0 2
大谷 4 3 3 5 1 1 1 1 15 1 3
川内 3 2 3 1 1 1 9 0 2
盛永 3 4 3
新井 6 3 3 3 1 1 15 0 2
上條 0 0 0
春山 6 3 5 4 3 4 2 2 1 1    18 11 2
園部 3 3 4 2 3 1 1 1 2 1 12 5 4
成田 3 3 3 4 1 1  1 13 2 1


大橋 5 4 4 4 1 1 1 1 17 3 1
山田 3 4 3 3 1 1 13 1 1
斉藤 5 4 5 4 1 3 1 1 18 4 2
丹野 3 2 5 4 14 0 0
岡崎 2 1 1 1 1 1 3 5 5 0


渡辺 5 5 6 6 1 2 2 4 8 1 3 1 1 6 22 17 12
石田 6 6 6 1 1 2 3 1 1 2 3 18 8 6
杉野 5 5 4 3 1 3 3 3 5 1 3 1 1 2 6 17 15 14
無会派 宮崎 4 4 3 4 1 1 1 3 1 1 2 15 6 4
瀬田 3 3 3 3 1 1 12 0 2
貴志 5 5 5 5 1 1 1 1 4 1 20 8 1

★多くの市道で横断歩道や道路の中央線など、道路の交通安全の路面標示が消失している。
維持管理に金をかけない久喜市の怠慢ではないか。
新年度、青葉・栗原・青毛地区で重点的に補修することになったがー。★


猪股市議の一般質問 3
3月1日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 パートナーシップ制度の拡大を求める

 久喜市は2021年10月から《同性パートナーシップ宣誓制度》を導入しました。
市内に生活する同性カップルを婚姻と同等の関係にあるものとして認証する制度で、これまでに5組が登録しました。
(1)当初は当事者の2人が市役所に来て職員の前で「宣誓書」に署名をして提出しなければなりませんでしたが、昨年10月からは郵送でも受け付けることになりました。
郵送による届出を認めるのなら、「宣誓」の要件をなくして、よりハードルの低い届出制度にすべきです。
県内では秩父、所沢、蕨、戸田、朝霞、志木、和光、新座市、隣接の宮代町も《届出制度》です。
(2)昨年10月から、同性カップルといっしょに暮らす子どもも「届出」によって家族として認証する「ファミリーシップ制度」がスタートしました。
他市のように制度の名称を《パートナーシップ・ファミリーシップ制度》に改めるように提案しました。
市はいずれも現行のままでいく考えですが、制度の実態に合わせて、名称や手続きも変えて、当事者にわかりやすくするべきではないでしょうか。

(3)久喜市はさいたま市・越谷市・春日部市との間で、転出入の際に「登録・認証」をそのまま引き継げる都市間連携を締結しています。
隣接する市町などに連携を拡げるように提案しました。
県内では、4月12日に62市町で一括して連携協定を締結することになりました。


【一般質問】 難病患者の外出支援政策の充実を

 難病患者の皆さんは病状や体調が不安定で、歩行が不自由だったり外出が困難になる人がいます。
それでも、症状が固定していないために障害者手帳の認定を受けられない人も多いのですが、障害者と同様に、福祉タクシー券やガソリン代の補助、市内循環バスの無料乗車証を交付するように求めました。

 市内循環バスの無料乗車証の交付対象者は、これまでは重度障害者などに限定していました。
9月から障害者手帳、要介護・要支援の認定を受けている人、難病医療受給者証の交付を受けている人の全員を対象にする方向で検討しています。

 福祉タクシー券については、市は「難病患者全員でなく、医師が必要と認めた人だけ」に限定したいと言っていますが、病状が不安定なので線引きが難しい人もいます。
またどんな場合に医師が必要と認めるのかの基準もありません。
県内で宮代町や坂戸市は難病患者の全員が福祉タクシー券の対象になっていますから、久喜市も同様に難病患者の全員を対象にすべきではないでしょうか。

 市長は当事者との話し合いの場では何度も、『皆さんに寄り添って』と発言しているのですが、口先だけでは仕方ありません。


【一般質問】  情報公開制度 手続きに問題がある

 私は昨年、新ごみ処理施設の基本設計等についての情報公開請求を行いましたが、「委託事業者のノウハウに関わる法人情報」という理由で、すべて「非公開」にされてしまいました。

市民の税金で作る市の施設の設計が市民に公表できないというのは、市の秘密主義が強まっているのではないでしょうか。

 市の情報公開制度の運用手続きでも問題があったことがわかっています。
私が情報公開請求して「非公開」とされた項目のひとつについて、対象文書を担当課が間違えていて、非公開理由も間違っていたのです。
私が「非公開」に対して《異議申立て》を行った結果、間違いが判明して、後になって「非公開理由の訂正」の文書が交付されました。

 市民が市政情報課(公文書館)で情報公開請求を行うと、公開請求書が担当課に送られます。
現在は、担当課が対象の文書を特定して、《公開・非公開》を決定し、市政情報課を通じて回答が来ます。
もしも請求された文書の項目があいまいな場合などは、担当課と請求者との間ですり合わせを行って文書を特定するのですが、今回はまったく問い合わせもありませんでした。

これは、公開請求を受けた担当課が、最初から《全部一括して非公開》の結論を前提にしていたために、請求された一つ一つの項目について十分な検討を行わなかったのが原因だと思われます。

 情報公開請求が行われたら、窓口である市政情報課が、担当課と請求者との間に立って「請求された文書の特定」までは責任を持つべきです。
情報公開制度の運用手続きを見直すように求めました。


★久喜市議会は「通年議会制」です。5月日が1年間の初日で「招集会議」と呼んでいます。
ちょうど任期4年間の折り返しで、常任委員会、一部事務組合議会議員の選任が行われる予定です。正副議長選挙もあるかも。★









久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 668号
2024年 4月 1日


668号ファイル

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【2月市議会】 余熱利用施設と公園に130億円

 市は新ごみ処理施設の隣接地に、「余熱利用施設・本多静六記念公園」を一体的に整備して、2027年に同時にオープンさせる計画です。
温水プール、温浴施設(大浴場・露天風呂・サウナ)、ホール、レストラン、トレーニングルーム、ランニング/ウオーキングコース、健康遊具、バーベキュー広場、遊びの丘、森や噴水・池を配し、ごみ処理施設の屋上庭園へつながるコースは「天空へ続く道」だそうです。
ランニングコース、集会や研修施設は3施設それぞれに設置する計画で、本当にこんなに豪華な施設が必要なのか疑問です。

 2月市議会に、余熱利用施設と公園の建設費83億円と20年間の運営費用47億円の一括委託契約が提案され、賛成多数で可決されてしまいました。
新ごみ処理施設(建設と20年間の運転費用合計は422億円)と、余熱利用施設・公園を合わせた建設と20年間の運営費用総額は550億円にものぼり、久喜市は今後毎年25億円もの負担をしていかなければなりません。

 新年度予算で小中学校校舎や公共施設の維持補修・改修費35億円の財源を取り崩したため、財政調整基金はわずか240万円しか残っていません。
アセットマネジメント基金など基金積立金総額は80億円から20億円にまで急減してしまいました。
これほどの財政危機を招いた市当局の責任は重大です。しかしどんなに財政が厳しくても、福祉の予算や学校校舎の雨漏りなどの維持補修費は絶対に削れません。
市長はいったんすべての新規事業をストップして、不用不急の事業の見直しから始めなければなりません。


猪股市議の一般質問 2
3月1日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 学校校舎の「屋上防水劣化」改修を

 これまで久喜市では、小中学校で外壁の落下や雨漏りが相次ぎ、防火設備の故障も放置されてきました。
ようやく新年度一般会計予算に約30億円の維持補修費が計上されましたが、校舎の老朽化はこれだけではありません。
2年前の建築基準法に基づく点検で小学校16校、中学校7校で「屋上防水劣化」「防水シート破損」などが指摘されました。
放置しておけば雨漏りにつながりかねませんから、計画的に2~3年間で補修を終えるように求めました。

 これまでに久喜南中・鷲宮東中・本町小で、さらに新年度予算で久喜中・栗橋西中・桜田小・栗橋小で改修を予定しています。
しかしその他の学校は見通しも明らかにされていません。教育部長は『全部の学校の改修を一度に進めることはできない。
計画は示せないが、なるべく早く解消していきたい』と答弁しました。
一方で総合政策部長は『その都度補修していくと保全コストが増大するので、ある程度まとめて工事していく』と述べています。

 これではすぐには直さない、雨漏りが起きたら直す、と言っているのと同じです。
いいかげんにこれまでの事後保全のやり方から、「予防保全」に転換するべきではないでしょうか。

★左の記事本文中の学校以外に「屋上防水劣化」などと指摘されたのは、久喜小・太田小・清久小・青葉小・青毛小・久喜東小・久喜北小・菖蒲小・小林小・三箇小・栢間小・栗橋西小・久喜東中・栗橋東中・鷲宮西中です。★


一般質問】  「市民には秘密」なんて許されない

 議会で、新ごみ処理施設で市民の見学コースの図面や環境教育の計画を明らかにするよう求めたところ、【部外秘】と赤字で記した文書が提供されました。

 ちなみに情報公開請求してみましたが、「非公開」とされました。情報公開制度のもとでは、公文書は原則として「公開」か「非公開」しかありません。

市の文書取扱規程には、「部外秘」という規程も、市民には「マル秘」で、一部の人にだけ見せることができるという規定もありません。
ましてや職員の個人的判断で、非公開の文書を議員にだけ特別に見せるなどという取り扱いは許されません。
条例や規則に基づかない公文書の取り扱いはやめるように要求しました。


 2月定例会議 全議案と各会派の賛否

【2月市議会】 ウラ金疑惑の意見書に反対した議員もいた

 自民党のウラ金疑惑の全容解明と企業団体献金の禁止を求める意見書は、賛成多数で可決されました。
みらいの会の9人だけが反対にまわりました。

 成田議員は反対討論に立って、『あのお金は不正に集められたものではない』『キックバックされたお金を政治資金報告書に記載しなかったことが問題なのだ』と堂々と弁解したのですが、本当にそうでしょうか。
そもそもパーティ券を売って政治資金にすること自体が、企業団体献金を禁止している法の抜け穴を使ったものです。
しかも派閥の政治活動に使うと言って集めた金を、キックバックや中抜きなどで国会議員個人の懐に入れてしまっていて、議員個人がそれを政治活動や選挙資金、生活費や飲食に使ったとしても、使途は明らかにされていません。
派閥では、政治資金報告書に記載する必要はないと説明していたのですから、最初からウラ金にするつもりだったわけです。「脱税」疑惑まで出ているのも当然でしょう。

 政治倫理審査会の議論などを通じて、国民にも金の流れがだんだんわかってきて、内閣支持率は最低です。
岸田首相も、疑惑の中枢にいる安倍派幹部たちを、自民党として処分する方向と伝えられていますから、『問題がある』と考えているようです。

 埼玉14区/三ツ林議員も2954万円のキックバックを受け、秘書が管理し、同僚議員のパーティ会費や交通費、自動車リース代、会合費などに充てたとしています。
みらいの会の皆さんが、本当に「問題ない」と考えているのなら、三ツ林氏に対して、その使途をすべて明らかにさせるべきではないでしょうか。