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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 667号
2024年 3月11日


667号ファイル

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【2月市議会】  公共施設は最低限必要なだけでいいの?

2月市議会に提案された「公共施設個別施設計画」は、市が保有している公共施設を縮小・統廃合していこうという計画です。
市は「久喜市が将来の人口減などを前提として、最低限必要な施設総量」を《あるべき値》と名付けて、「公共施設を減らしていく目安」とすると言っています。
これは財政課が創造した造語で、国の面積基準などがある施設についてはその最低水準の数値、基準がないものは同規模市の公共施設の平均~最小ランクの間の数値を、法定外の施設については市が任意に《あるべき値》を定めています。
いかにも客観的根拠があるように見せかけて、実は公共施設を大幅に減らしていくために、将来の久喜市の施設の必要量を意図的に低く設定しています。

 新ごみ処理施設や余熱利用施設、本多静六記念公園、東鷲宮駅前立体通路などの豪華な施設には財政を溢れるほどつぎ込んでおいて、市民生活に密着した地域の施設はどんどん潰していく…、今後ますます高齢化が進んでいく中で、住みやすいまちづくりとはほど遠いと言わざるを得ません。

 これまで長い期間をかけて、市民のニーズに応えて公共施設の整備を進めてきました。しかし梅田市長は、最低限必要な水準だけを確保して、公共施設の大幅削減に転換する方針です。
「公共施設個別施設計画」で今後廃止とされた施設は次の通りです。

◆菖蒲・鷲宮・栗橋の保健センターは5年後までに廃止して中央保健センター1か所に統合。
◆菖蒲・鷲宮の温水プール、菖蒲老人福祉センター・鷲宮福祉センターも5年後までに廃止。
◆東町集会所・本町集会所・青葉地域交流センターは5年後までに廃止、その後、太田集会所、中央コミセン、栗原記念館も廃止へ。
◆鷲宮体育センターと栗橋B&G海洋センターは14年後までに廃止。
◆鷲宮児童館も14年後までに廃止して、現在の市役所本庁舎に移転。
◆菖蒲文化会館と栗橋文化会館も廃止して、「久喜文化ホール」(現在の総合文化会館を更新)1か所に統合する。

 この計画では、障害者福祉施設と幼稚園・保育園、集会所、市営住宅は《あるべき値ゼロ》と書かれています。これらの施設は久喜市には不必要な施設ということでしょうか。
計画ではさくら保育園、すみれ保育園は民間譲渡、障害者施設(いちょうの木・けやきの木・くりの木・ゆうあい・あゆみの郷)と幼稚園については『方向性について検討』とされました。
これらの施設は地域に残すべきです。

★公共施設の《あるべき値》とやらを調べてみたら、久喜市の財政課が作り出した用語だった。
全国の自治体にも学界にも通用しない基準を恣意的に決めて、公共施設を潰す根拠にしようというのか。★

市長は市議会で「原稿を読みあげるだけ」か
梅田市長の暴言に、謝罪・取り消しを求める動議を出した

 市長が公約に掲げていた「フルマラソン大会」は実現性がまったくないことが明らかになって、1月にようやく撤回されました。
今議会でも代表質問や一般質問で多くの議員が取り上げましたが、2月29日の一般質問で市長のトンデモ発言が飛び出しました。
宮崎議員が『断念したフルマラソンの総括をしなければならない』として梅田市長の見解を求めたのに対して、市長は部長に答弁させて知らん顔を決め込みました。
宮崎議員が『市長に答弁を求めます』と食い下がると、市長は『(原稿を)読み上げるだけだ』『読み上げる役割が変わるだけだ』と暴言を吐きながら、しぶしぶ答弁に立ちました。

 本来、議会は議員も市長ら執行部も、自分の言葉で議論する場であって、単なる原稿(台本)を読み上げる場所ではありません。
そこで私は、『市長が原稿を読み上げるだけだと言ったのは議会軽視であり、市民の期待も裏切るものである。市長は反省し謝罪して発言を撤回するよう求める』動議を発議し、全会一致で可決されました。
その後、市長が発言を取り消して、『混乱を招き失礼した』と謝罪しました。

 市長は議会で答弁を求められても、部長に答弁させてすませてしまうことがよくあります。
しかし事務的な説明ならいざ知らず、政治姿勢や施政方針に関わる問題などは、政治家なら自分で答弁するべきです。


猪股市議の一般質問 1
3月1日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 救急搬送の個人情報を市長に報告?

 東部消防組合消防局が、特定の公職者の家族を救急車で搬送したことを、市長に報告していたことが明らかになりました。
現在、久喜市長が東部消防組合のトップ(管理者)を務めています。
しかし公職者の家族であろうと公職者本人であろうと、市民にとって医療や健康の情報は最高度の個人情報です。
本人や家族の了解もないのに、救急搬送の個人情報が、救急の現場から市長(管理者)に報告されるなどということはあってはならないことです。

 市議会で確認したところ、東部消防組合消防局のトップである消防長が、公職者の家族を夜間に救急搬送したことを「市長に知らせた方がいい」と判断して、翌朝までに報告したというのです。
口頭で行ったもので、文書や決裁などの手続きは残されていないと言います。
さらに「公職者等の要人について情報共有が行われてきた習慣があった」こともわかりました。
市民の個人情報にもかかわらず、市長は「消防組合から受ける報告事項の一つとして情報を共有してきた」と言い、問題があるとは思っていないようです。

 《行政機関の保有する個人情報保護法》では、第3条で「行政機関は、個人情報を保有するに当たっては、法令の定める所掌事務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない」、8条では「行政機関の長は、(本人の同意がある場合などを除き)、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない」とも定めています。
市長(管理者)が知っておいた方がいいという理由で、公職者の家族の個人情報を知らせるのは間違いです。

 しかもこのケースでは、市長は翌朝にその公職者本人に『たいへんでしたね』と声をかけています。
当事者はもしかしたら病状や入院先まで知らされているかも知れないと危惧せざるを得ません。
消防組合も市長も、最高度の個人情報を扱っているのに、あまりにも配慮が足りないのではないでしょうか。


【2月市議会】 認知症との共生社会の実現を求める意見書を提出

 2月市議会に、「認知症との共生社会の実現を求める意見書」を提案しました。
 最終日の22日に質疑、討論、採決が行われます。

 ★認知症との共生社会の実現を求める意見書。
市民の政治を進める会の猪股が提出しました。
賛成者に無会派の貴志・宮崎、みらいの会の春山、共産党の渡辺議員が署名しました。★

認知症との共生社会の実現を求める意見書

  認知症の高齢者が2025年には約700万人になると想定されている中で、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう今年1月1日、認知症施策を総合的かつ計画的に推進する「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行された。
現在、政府において、認知症の本人及びその家族をはじめ、認知症に関わる様々な方々から幅広い意見を聴きながら、「認知症施策推進基本計画」の策定を進めていく方針である。

 認知症の人を含めた国民1人1人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会の実現という目的に向かって、認知症施策を国と地方が一体となって進めていくことが求められている。

 久喜市においても、これまで認知症を含めた高齢者施策のいっそうの充実を図ることが急務である。

 誰もが認知症になる可能性がある中で、生活上の困難が生じた場合でも、重症化を予防しつつ持てる力をいかしながら、周囲や地域の理解と協力の下、本人が希望を持って地域の中で尊厳が守られ、自分らしく暮らし続けることができる共生社会をめざさなければならない。

 よって、国におかれては、認知症との共生社会の実現に必要な予算措置も含め、行政の体制をいっそう強化し、一刻も早い認知症との共生社会を、各地域で実現していくために以下の事項を推進するよう強く求める。

1 認知症の本人が、自身が認知症であることを隠すことなく、地域において日常生活を続けられるように、認知症に対する偏見や差別を解消するため、省庁横断的かつ総合的な取り組みの推進に総力を挙げること。

2 地方自治体における認知症施策推進計画の策定に向けて、専門人材の派遣など適切な支援を行うとともに、自治体において実効性の高い施策を展開するために、縦割り行政に縛られない自由度の高い予算措置の在り方を検討すること。
また認知症の本人が企画から評価まで意見を反映できる環境の整備を検討すること。

3 若年性認知症の人を含む認知症の方々の就労や社会参画を支える体制整備を進めるとともに、働きたい認知症の人の相談体制を充実し、事業者も含めた社会環境を整備すること。

4 独居や高齢者のみの世帯が急増する中、小規模多機能型居宅介護サービス事業について、家族の負担軽減と、認知症高齢者1人1人のニーズに対応して支えることができる地域の認知症対応力の強化や見守り体制の整備も含めた拡充をすること。

5 成年後見制度や身元保証等の在り方について、現状の課題を整理し検討を進めること。また、住まいに課題を抱える方々に対する総合的な相談対応、一貫した支援を行う実施体制を整備すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣 あて






久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 666号
2024年 2月19日


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【2月市議会】 一般会計 維持補修・改修費が急膨張

 24年度一般会計予算は前年度比で85億円、16%もの大幅な増額で、過去最大の609億円に膨らみました。
新ごみ処理施設や本多静六記念公園・余熱利用施設の建設に加え、小中学校等の公共施設の維持管理・改修費が大きく膨張したことによるものです。

 小中学校校舎の破損や雨漏り、防火設備の故障、総合体育館の雨漏りなどを何年にもわたって放置してきた結果、これ以上先送りできない待ったなしの状況に追い込まれました。
23年度にも公共施設の老朽化対策で補正予算で5億円を追加しましたが、24年度当初予算ではさらに37億円を計上することになりました。

◇小学校校舎の外壁や防火シャッター等の改修 18億6898万円
◇中学校(同)11億7273万円
◇栗橋西中学校大規模改修 3億1353万円
◇鷲宮西中学校・鷲宮小学校・上内小学校(現在は休校中)を統合して「鷲宮西小中学校」を26年に開校する計画で、校舎増築工事 15億5571万円、学童保育施設整備工事7632万円
◇中学校10校の体育館にエアコン設置 24年度は設計4620万円【設置は25年度】
◇総合体育館大規模改修 5億3707万円
◇総合運動公園にスケートボード場と3×3バスケットコート建設の設計 5861万円
◇本多静六記念公園・余熱利用施設一体整備 24年度の委託料 1億1513万円【建設と24年間の運営・維持管理費 130億7342万円】
◇新ごみ処理施設整備事業 24年度は 2億8181万円【建設費と20年間の運転費用の総額 422億円】
◇南栗橋8丁目地区公園整備 1億1445万円
◇高柳地区産業団地整備工事 3億8189万円

久喜市一般会計当初予算額の推移
2019年度    511億6000万円
2020年度   541億8200万円
2021年度   513億0000万円
 2022年度   499億7900万円
2023年度    524億6400万円
 2024年度  609億6800万円

 2020年度に全額国庫補助による幼稚園・保育園の無償化や学校給食センター建設などの大型事業が集中して一般会計予算が大きく拡大しました。
その後も国からコロナ対策や全国民への給付金、困窮対策の給付金がつぎ込まれて財政の肥大化が続いています。

★公共施設の老朽化対策を放置して、豪華なごみ処理施設や公園、余熱利用施設等に過大な投資をしてきた結果が、維持補修費の急増だと言う他ない。
行き当たりばったりの財政運営で久喜市はどうなる。★

【2月市議会】  1年で60億円もの基金を食い潰し!?

 24年度の維持補修・改修の財源は、国の補助金約4億円、市債8億円の他、市の基金を取り崩してあてる計画です。
その結果、市の基金総額は24年度末に約20億円にまで落ち込む見通しになりました。

各基金の状況
24年度末
見込み
23年度末
見込み
増減額 増減率
財政調整基金 7億0421万 34億5154万 ▲27億4732万 ▲79.6
減債基金 8億1453万 ▲8億1453万 ▲100.0
アネットマネジメント基金 6247万 16億6194万 ▲15億9947万 ▲96.2
その他の基金 12億7070万 21億1461万 ▲8億4391万 ▲39.9
基金合計 20億3739万 80億4262万 ▲60億0523万 ▲74.7

 財政調整基金は不測の災害などに備えて積み立てておくもので、久喜市の適正規模は33億円とされています。
市はそのほとんどを取り崩すことにしていますが、24年度末の残高見込みわずか7億円では緊急時に対応できません。
また減債基金は将来の市債の償還資金ですから、公共施設の維持補修費の財源が不足するからといって安易に取り崩してはいけません。
減債基金がゼロでは長期的な市債償還計画が成り立ちません。
またアセットマネジメント基金は公共施設の更新計画に沿って計画的に支出すべきで、単年度の維持補修費に使うのは目的が違います。

 公共施設の維持補修や改修のための財源が不足するなら、不急の新規建設事業などを繰り延べして歳出を削減するしかありません。
長期的な財政運営にあてるために積み立ててきた基金を取り崩してしまえば、久喜市の将来の財政運営が危うくなります。

【2月市議会】  公共施設の長期配置計画が提案された

 市議会に『市公共施設個別施設計画』の改訂案が提出されました。
これは市の公共施設181か所の維持管理や更新、長期的な配置計画を定めたものです。
第一次計画は2021年に策定されましたが、実質的に市の財政部門(アセットメネジメント推進課)主導で作られました。
市民サービスや活用状況を無視して、市役所庁舎の移転、障害者施設や地域の集会施設の民間譲渡などを一方的に定めた計画に対し、市民の批判が強く反故同然の扱いになっていました。

その反省に立って、市議会で「議会に提出して議会の審議と議決を必要とする」ことを決定しました。
市議会では特別委員会を設置して審議することになっています。

【2月市議会】 自民党の裏金疑惑の全容解明を
企業団体献金の禁止を求める意見書を提出

自民党の各派閥と議員を覆う“裏金”“脱税”疑惑は大きな広がりを見せている。
にもかかわらず、いまだ岸田首相や政権中枢も安倍派幹部たちも責任を取ろうとしない。
そこで2月市議会に全容解明と政治改革の徹底を求める意見書を提出した。

★自民党の裏金疑惑の全容解明と政治改革の徹底を求める意見書。
提出者は市民の政治を進める会の猪股・田村議員、賛成者に共産党の渡辺、無会派の貴志・宮崎議員が署名しました。★

 

政治資金規正法に関するパーティー券疑惑の
全容解明と企業団体献金の禁止を求める意見書

 政治資金規正法は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるため、政治資金の収支は疑惑を招かないよう公明正大に行うことを定めている。
ところが自由民主党の主要5派閥の政治資金パーティー収入(2018年以降)で約4000万円もの不記載があったことが明らかになり、閣僚の辞任、議員辞職、国会議員の起訴が相次いでいる。

 とりわけ、最大派閥である清和政策研究会(「安倍派」)が巨額の資金づくりをしていた疑惑が浮上した。
所属議員が販売ノルマを超えて集めた分の収入を政治資金収支報告書に記載せず、議員側に還流させるキックバックが組織的に行われていたことが明らかである。
キックバックの総額は2022年までの5年間で5億円以上にのぼる可能性があるとされ、岸田首相自身の派閥を含め他派閥でも同じ手法の裏金づくりがあったと報じられており、自民党全体にかかわる重大問題である。

 国会で岸田首相は不記載を認め、各派閥の説明を指示した。
各派閥は「事務的ミス」などと弁明しているものの、報告書に記載できない裏金づくりの疑いも濃厚で、さらには脱税疑惑も指摘されている。

 政権与党である自民党は、全ての派閥について調査し、その全容を国民の前に明らかにすべきである。
また、いわゆる「政治とカネ」に関わる重大な問題であり、脱法・違法が疑われる一連の行為を徹底的に解明するとともに、「金権政治」の根を断つことが求められる。派閥の解散で幕引きとすることは許されない。

 よって、国会及び政府に対し、以下の事項を求める。

1 岸田首相に対して、自民党における政治資金規正法違反が疑われるパーティー券疑惑を全ての派閥において調査し、全容を解明すること。

2 パーティー券の購入を含めて、企業・団体献金を禁止すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 内閣官房長官 総務大臣 あて





久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 665号
2024年 2月 5日


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2024年 2月
5 9:00 議会運営委員会 傍聴できます
13 9:00 【本会議】  市長の施政方針演説、議案の上程、提案理由の説明 傍聴できます
25 9:00 【本会議】  市長の施政方針に対する代表質問
(1)みらい/新井 (2)公明党/大橋 (3)共産党/渡辺 (5)市民の政治/田村
傍聴できます
26 9:00 【本会議】  一般質問(1日目)
(1)斉藤 (2)渡辺 (3)榎本 (4)山田 (5)岡崎
傍聴できます
27 9:00 【本会議】  一般質問(2日目)
(6)樋口 (7)丹野 (8)田村 (9)大谷 (10)杉野 (11)瀬田
傍聴できます
29 9:00 【本会議】  一般質問(3日目)
(12)貴志 (13)宮崎 (14)瀬川 (15)春山 (16)川内 (17) 奈良
傍聴できます
2024年 3月 
1 9:00 【本会議】  一般質問(4日目)
(18)大橋 (19)成田 (20)猪股 (21)川辺 (22)園部 (23)新井
傍聴できます
5 9:00 【本会議】  議案質疑 傍聴できます
7 9:00 委員会 総務財政市民常任委員会 傍聴できます
8 9:00 委員会 福祉健康常任委員会 傍聴できます
11 9:00 委員会 建設上下水道常任委員会 傍聴できます
12 9:00 委員会 教育環境常任委員会 傍聴できます
19 9:00 【本会議】  委員会の審査報告、討論、採決 傍聴できます

【政務活動費】
 市民の政治を進める会の使途報告書
2023年度3期(10~12月分)

ようやくフルマラソン断念に追い込んだ

 29日に開かれた市議会全員協議会で、市長が『来年度フルマラソン大会の中止』を表明しました。
2年前の市長選でフルマラソンを公約に掲げて、コース案の検討に着手、25年度にプレイベントの開催を打ち出してきましたが、市民の反対の声が次第に強まっていました。
警察との協議では、国道や主要県道を長時間ストップするため迂回路の確保や警備員の増員を求められ、当初1億円余と見込んでいた経費が大幅に膨らむ見通しになっていました。
市議会では市民の政治を進める会や共産党、無会派議員からも『税金のムダ遣いは許されない』と再三にわたって中止を求め続け、さらにプロランナー川内優輝氏から反対表明も飛び出して、ようやく梅田市長の独りよがりのフルマラソンを断念に追い込むことができました。

 これまでフルマラソンの準備のために、市職員の人件費を除いて、22年度44万円、23年度にはプレイベント準備経費774万円を計上してきました。
これからかかった経費の精算を行うことになります。

 市長は苦渋の決断で『現在計画してきたフルマラソンは実施しない』と表明したものの、その後で、『(別の形で)スポーツイベントを実施したい』と述べました。
これが何を意味するのかわかっていません。
フルマラソンはやめるけれど、現在の久喜マラソンの継続に加えて、さらに別の形のマラソン大会を作る考えではないかという観測も出ています。
市長のメンツのために行政をこれ以上混乱させるべきではありません。

 他方、3月に開催する久喜マラソンは5000人の定員に対して応募は3280人にとどまり、このままでは昨年度に続いて市民の税金から補助金の追加支出が避けられません。

これまでやってきたイベントだからといって漫然と続けるのでなく、現行の久喜マラソンについても目的や理念、開催方法も見直して立て直していくべきではないでしょうか。

★梅田市長のフルマラソン実現を後押ししていた市長与党の議員たち。
市長が断念を表明した今になって、『実は私たちも難しいと思っていた』とSNSに書き込んだ人もいる。
要するに何でも市長の言う通りってことだ。★


マラソンコース案「非公開処分」を取り消し

 市長が強引に進めようとしたフルマラソン大会はようやく「中止」が決まりましたが、コースなどの検討過程も市民の知る権利を無視したものでした。

 2022年度にコース案の検討を民間委託し、3月には検討結果が市に提出されていたのですが、コース案の地図は市民に対して「秘密」扱いで公表されませんでした。
本来、市が税金を使って調査して作成した文書ですから、市民に公開するのがあたりまえです。
そこで私は「コース案」を情報公開請求しましたが、4月にほとんど真っ黒に墨塗りされた図面が交付されました。
次の手段として、昨年6月に市の第三者機関である情報公開審査会に、フルマラソンコース案の全面公開を求めて「異議申し立ての審査請求書」を提出しました。
その後、市から弁明書が届き、私から再度の反論書を提出して、10月には申立人として審査会に出席して意見陳述を行いました。

 市はフルマラソンコース案を公開しない理由を、
(1)検討過程の情報が明らかになると、沿線住民から交通規制に対して反対運動が起こるかも知れない、
(2)市の自由な発想や創意工夫ができなくなって、能率的な事業遂行が損なわれる、
(3検討過程で市民の意見を聞く必要はなく、決まってから市民の理解を得ていけば良い、というのです。
しかし検討過程の情報が漏れると反対運動が起こって市の事業遂行に支障が出るなどというのはとんでもないこじつけです。
むしろ市民の意見を聞きながらコース案も含めてマラソン大会のあり方を検討していくべきで、市民には決まってから知らせればいいというのは、市民参加の市政とはほど遠いと言わざるを得ません。

 情報公開審査会は6回の審査を重ね、12月27日に『コース案を非公開とした行政処分を取り消し、公開すべきである』とする答申が提出されました。
審査会では『コース案を公開して市民から多くの意見が寄せられても、それによって市の能率的な事業遂行を阻害するとは認められない』として、市が非公開とした理由を全面的に却下しました。

 この答申を受けて1月24日に梅田市長がコース案を非公開とした行政処分を取り消し、市からマラソンコース案の地図がやっと公開されました。

 市がいったん非公開とした行政処分を、審査会に異議申し立てして全面的に覆して公開させたのは、久喜市の情報公開の歴史で初めてです。
政策検討の過程は市民には秘密に進めて、行政だけの判断で決定して、市民には決まってから知らせればいいという市政の体質を変えさせていく第一歩です。

 しかしそれでも大きな疑問が残りました。昨年12月に審査会が『公開』の答申を出したのに、市長が『非公開処分の取り消し』を決定したのは1月24日でした。
すぐに公開すべきだったのに、1か月近くも遅らせたのです。この間、何らかの法的措置を取って公開しないですませる方法を探っていたか、あるいは何らかの理由からどうしてもコース案を知られたくなかったので、時間かせぎをしていたとも考えられます。
実際、公開されたコース案の地図は、税金を使って作成したにしては、警察からも問題点を指摘されるなどして使い物にならないものでした。

参照⇒【「変」だ】久喜フルマラソンの「幻に終わったコース案」へのリンク


ごみ処理施設の設計は「非公開」

  私は昨年、現在建設中の新ごみ処理施設の基本設計についても情報公開請求しましたが、「全面非公開」でした。
こちらも情報公開審査会に「異議申立ての審査請求書」を提出しましたが、12月27日に出された審査会の答申の結論は全面的に「却下」でした。

 それによると、『基本設計等の事業提案や記載方法等を含む全体が、民間事業者の独自のノウハウに当たる』ので、民間事業者の事業活動上の秘密を侵すおそれがあるという理由で、『市の非公開の行政処分はそのまま』とされました。
しかし新ごみ処理施設は市民の税金で建設されるものですから、いわば市民の財産です。
設計内容や事業計画もすべて非公開で、市民が見ることができないというのはおかしくありませんか。

★市長がマラソンコース案を「非公開」にして進めてきたこと、そして新ごみ処理施設の設計や事業計画の「非公開」。こうした市民に情報を知らせない、独断専行のやり方は久喜市政の体質かもしれない。


久喜市議会で募金活動 被災地に送りました

 久喜市議会は1月25~29日、議員で手分けして久喜駅をはじめ各駅頭やヨーカドー前などの街頭に立ち、能登半島地震の被災者支援の呼びかけを行いました。
市民の皆さんから寄せられた募金21万3825円に議員の拠出金13万円を加えて、合計34万3825円を、30日に日本赤十字社を通じて被災地に送りました。

 皆さんのご協力、ありがとうございました。