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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 664号
2024年 1月 9日


664号ファイル

 『声と眼』
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2024年1月1日、能登半島大地震の被災者の皆さんへのお見舞いと、亡くなられた方々への哀悼の意を表します。
能登半島大地震の被災者の皆さんへ、一刻も早い救援と生活再建の支援の手が届くように祈ります。

11月定例会議 全議案と各会派・議員の賛否 

【11月市議会】 学校給食無償化の請願は不採択に

 久喜市の小中学校で給食の完全無償化を求める請願は、教育環境委員会で賛成多数で可決されました。
しかし本会議では、市民の政治を進める会・共産党・無会派の貴志・宮崎議員の8名が賛成、みらいの会と公明党が反対し、一転して“不採択”とされました。

 彼らが反対した理由は、
(1)久喜市で無償化するためには5億円以上かかるが、他の教育環境や学校施設の老朽化対策などにも財源が必要、
(2)市で独自に給食無償化を進めると、無償化しない自治体の子どもと不公平になる、
(3)学校給食無償化は国の責任で全国一律で進めるべきで、国の検討結果を待つというものです。

 コロナ禍以降、生活支援や物価高騰対策の国の補助金を活用して、給食費の一部公費負担や期限を区切っての無償化が行われてきました。
それを拡大する形で、全国各地で学校給食の無償化が進められています。東京23区の多くが無償化に向かって進んでおり、埼玉県内では7町村と今年から坂戸市が完全無償化に踏み切りました。
所沢市は新市長が給食無償化を公約して来年度から実施する計画です。

 全国自治体の動きに押されて、国でもようやく無償化の検討に着手して1年以内に結論を出すとしていますが、実施は何年先になるかわかりません。
すでに無償化した自治体は財政に余裕があるからではなく、子育て支援を優先課題として位置づけて財源を確保しています。
他市は積極的に無償化の検討を進めているのに、久喜市では国の補助金や交付金が出るまでやる必要はないというのでしょうか。

猪股市議の一般質問 2
12月8日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 ごみ・資源のふれあい収集を拡げるために

 これまでごみの収集から最終処分までのすべてを久喜宮代衛生組合が実施してきましたが、4月からはごみの焼却と最終処分だけになります。
ごみ・資源の収集業務の大部分は久喜市と宮代町にそれぞれ移管されます。
実際の収集作業は民間業者に委託しているので変わりませんが、収集方法に関する広報や集積所の設置・変更などの収集に関わる事務は市の責任となります。

 高齢者や障害者などでごみ集積所への排出がむずかしい場合、収集作業員が“ふれあい収集”を実施しています。
現在は3センターで約300軒が対象で、玄関先や門の前に置いておけば戸別に収集してくれます。
しかし県営住宅やURの団地などではごみを廊下に置くことができないので、作業員が呼び鈴を押して玄関で受け渡しています。
県の住宅供給公社やURの場合は承諾書が必要で、許可までの手続きに日数がかかる場合があるのが実情です。
今後、市民が市に申し出ればそのままスムーズに実施できるように、あらかじめ市が県住宅供給公社やURと協議してふれあい収集を認めるルールを作っておくよう求めました。
市は承諾書等の協議について、市民が利用しやすいように進めていくと答弁しました。


【一般質問】 「男性の悩み相談」の取り組みを提案

  市では人権・女性相談、子育て相談、女性の悩み相談、法律相談、行政相談、消費生活相談などを実施しています。
一般的に男性は強くて自分で解決できるという先入観からか、特に“男性”を対象とした相談はあまり行われてきませんでした。
自死の7割は男性で、職場での人間関係や家庭内で家族を支えなければならないという思い込みが強いとも言われます。
最近やっと、「男性の悩み相談」が各地で取り組まれるようになってきました。
春日部市では毎月、『男性のための相談』(相談員は男性産業カウンセラー)を開催、埼玉県やさいたま市でも「男性のための電話相談」を行っています。
久喜市でも男性を対象とした相談会を開くよう提案しました。

 市は、『相談内容に応じて、埼玉県の男性のための電話相談をお知らせしていく』と答弁しました。
1人1人の市民に寄りそって地域で相談しやすい場を作っていこうという考えはないのでしょうか。

【一般質問】 学校給食の完全無償化をめざすべき

 市の学校給食審議会は「給食費12%値上げ」を答申し、市はいったんは給食費値上げの方針を決定しました。
これに対してみらいの会の大谷議員が一般質問で保護者負担の据え置きを要求し、市は最初は『値上げ分の内の10%を公費負担し、2%分は保護者負担を引き上げる』と答弁し、その後、『12%の全部を公費負担とする』と変更しました。
全国でも県内でも給食費無償化が拡がり、久喜市でも「学校給食費完全無償化」の請願が出されたので、何もしないわけにはいかないと判断したようです。

 市長はこんな小手先の負担軽減策ですませず、ムダな公共事業を削って子育て支援を政策の中心に据えるべきです。
私は、
➊中長期的に給食無償化をめざす方針を決断した上で、
➋現在は小中学校に在籍する第3子以降の給食費を公費負担しているのを、第2子に拡げる、
➌値上げ分だけの公費負担でなく、半額程度にまで拡大する、
➍まず中学校の給食費を無償化し、引き続き全面的な無償化へと拡げていくように提案しました。

★4月から給食費値上げ分の公費負担が決まった。
大谷議員が『今は(値上げの)時期ではない』、市長が『令和6年度は公費負担を継続する』と強調したのは、今だけ据え置いてその後に値上げがホンネか。★

【一般質問】 1人1人に即したアレルギー代替食を

  久喜市は現在はアレルギー対応食として、《乳・卵》の代替食を提供しています。
新年度からは《乳・卵・エビ・カニ》の代替食を調理して提供する方針ですが、この4つのアレルギー食材をすべて他の食材に置き替えることにしています。
しかしこの方式では、たとえば《乳》だけのアレルギーを持つ子どもに対しても、4つの食材のすべてを除いた代替食が提供されることになります。
1人1人の子どもに対応した代替食を提供することはできないでしょうか。

 たとえば福岡県行(ゆく)橋(はし)市の防災食育センターの学校給食では、《乳》《卵》《エビ・カニ》《イカ・タコ・貝類》《ナッツ類》《小麦》のそれぞれのアレルゲンに対応した個別の代替食を調理して提供しています。
久喜市でも献立や調理方法の工夫で、それぞれの代替食の調理を研究・検討していくように求めました。







久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 663号
2023年 12月 25日


663号ファイル

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【11月市議会】 市長と議員の期末手当を引き上げ

 インフレで物価高騰が進む中、国の人事院勧告に沿って、市職員の給与改定が提案されました。
一般職の職員給与を平均0.65%引き上げるとともに、勤勉手当を0.1か月分引き上げて年間の期末勤勉手当の合計は4.5か月分とします。
これにより一般職職員の給与費や手当の年間総額は1億4000万円の増額で、約71億6500万円となります。

 それに合わせて特別職職員(市長・副市長・教育長・議員)の期末手当の引き上げが提案されました。
職員と同じに0.1か月分引き上げて年間4.5か月分にするというものです。

 これまで私は、市長や議員などの期末手当は機械的に職員と同じにするのではなく、特別職報酬等審議会に諮って意見を聞くべきだと主張してきました。
これを受けて、市長は今年10月に市長給与や議員報酬の額について報酬等審議会に諮問を行い、11月10日に市長に「答申書」が提出されました。
答申では、市長給与と議員報酬は現行の額のままで据え置きが適当であるとされました。
また「付帯意見」で、期末手当の支給月数については職員の期末勤勉手当の月数と同じにすることが適当とされました。

 しかし職員の勤勉手当は勤務評価を経て支給されるので、一律に支給される市長や議員の期末手当とは手当の性格が違います。
久喜市は従来から特別職の期末手当の支給割合を一般職職員と連動させてきましたが、県内では約10市が特別職の期末手当支給割合を、一般職員の勤勉手当よりも支給月数を少なくしています。
久喜市も職員の期末勤勉手当と特別職の期末手当をそろえる理由はありません。

【現在と改定後の支給額の比較】
〈教育長、常任委員長は省略しました〉
月額 期末手当額 年間支給総額
市長  95万7000円  516万7800円 1665万1800円
 現行 505万2960円 1653万6960円
 副市長    80万5000円   434万7000円 1400万7000円
現行 425万0400円  1391万0400円
議長  48万3000円  260万8200円 840万4200円
現行 255万0240円  834万6240円
副議長  43万3000円  233万8200円 753万4200円
現行 228万6240円 748万2240円
議員  41万円  221万4000円 713万4000円
現行 216万4800円 708万4800円

*職員の期末勤勉手当は年間「4.5か月分」ですが、市長や議員などの特別職職員はさらに「調整率1.2」が加算されているので、特別職の実際の年間支給割合は「1.2×4.5=5.4か月分」が支給されています。


【11月市議会】 学校給食 80人にアレルギー代替食

 12月18日、教育環境委員会で学校給食のアレルギー対応食の提供について所管事務調査を行いました。

 市の学校給食センターにアレルギー対応食専用調理室を設置し、献立作成と調理は市の栄養士と委託業者のアレルギー対応食調理員らが担当しています。
新学校給食センターでの調理を開始した2021年8月から、アレルギー原因物質の〈卵・乳〉を除いた除去食、22年8月からは〈卵・乳〉を別の食材に置き換えた代替食を、週1回を基本に提供しています。

 児童生徒1万3000人の内、今年は260人がアレルギー対応を申請しています。
〈卵・乳〉のアレルギーで食べられない児童生徒の内、80人が代替食の提供を受けています。

【11月のアレルギー代替献立(副食)Aコース】
   (通常献立) ⇒ [アレルギー代替食]
◆11/8 (手作りチーズ入り春巻き)  ⇒ [ポテト春巻き]
◆11/10 (ほうれん草カレー)  ⇒[豆乳を使ったほうれん草カレー]
◆11/24 (オムレツデミグラスソースかけ)  ⇒[野菜(カボチャ・豆腐・オカラ)のオムレツ風、
  卵不使用、ケチャップかけ]
◆11/28 (カボチャのシチュー)  ⇒[カボチャの豆乳シチュー]

 代替食は、いずれも通常献立と見た目があまり変わらないように工夫されています。

◆主食のパンは、乳不使用のコッペパンやこどもパンを提供
◆デザートは、ヨーグルトをマスカットゼリーに替えて提供しました。


★市は2025年以降にフルマラソンの実現をめざしているが、プロランナーの川内選手がSNS上で「反対」の意見を表明した。
反対理由を読むといずれも納得できる。市長はそれでもメンツにかけて強行するのか。★


猪股市議の一般質問 1
12月8日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 小中学校の防火設備 すぐに修繕を

 昨年2月、建築基準法12条に規定された定期点検で、市内30校の小中学校の防火設備の不具合が指摘されました。
防火シャッターや防火扉の自動開閉装置不良、閉鎖不良、ブレーキ不良、感知器不良などがわかったにもかかわらず、市は1年以上も修理せずに放置してきました。
またシャッターが人にぶつかっても停止しないで挟まれるおそれがあるので、レールに突(つ)っかい棒をして閉まらないようにしていた学校もありました。
これらは法令違反の疑いがあります。
このような防火設備の不具合は、火災発生時には命にも関わりますから、これ以上放置しておくのは許されません。
遅くとも年度内にはすべて補修して正常化するよう求めました。

 教育部長の答弁は『一部に不適切な箇所があったと認識している』と危機感がまったく感じられません。
今議会に修繕のための補正予算7080万円を計上したものの、『部分的な補修で対応できる箇所は今年度中に実施するが、全面的な改修が必要な箇所はこれから設計をして改修は来年度になる』としています。
改修が来年度にずれ込む学校は本町小、青葉小、久喜北小、菖蒲小、小林小、三箇小、栢間小、栗橋小、久喜中の9校です。
またシャッターの突(つ)っかい棒は清久小は撤去しましたが、青葉小と久喜北小は今のところそのままで来年度の改修後に正常化するとしています。
今後は、防火設備の不具合が判明したら直ちに補修することを約束するよう求めたのに対して、『今後は早急に修繕を行っていく』と答弁しました。
市は多くの学校で子どもたちの命にも関わるような故障や不具合が放置されていたことも、これから修理に取りかかることも、市民にまったく知らせていません。
都合の悪いことを隠すのでなく、市のホームページなどで市民に知らせていくように求めました。

【一般質問】 思いやり駐車場の協力施設拡大を

 公共施設やスーパー、病院などに、障害者や車いすの方専用の「思いやり駐車場」が設置されています。
10年以上前に市議会で私が提案して導入したもので、県内では川口市と久喜市の2市で制度化していました。
今年11月に埼玉県が「思いやり駐車場制度」を実現し、県内全域に拡がりました。

 市内の思いやり駐車場の協力施設は127か所です。
公共施設はほとんどすべてに設置されていますが、民間では病院・医療機関7か所、薬局・ドラッグストア7か所、スーパー・大規模小売店10か所、飲食店・レストラン3か所、金融機関は2か所だけ、コンビニはローソンとセブンイレブンだけです。
久喜市からも民間施設に対して率先して呼びかけて、思いやり駐車場を増やしていくように求めました。
福祉部長が『未登録の店舗等に、思いやり駐車場に登録するよう働きかけてい
く』と答弁しました。


★「思いやり駐車場」は身体障害者、知的障害者、精神障害者、高齢者、妊産婦などが登録することによって優先的に駐車できます。市内では2746人の市民が登録して利用しています。★

【一般質問】 難病患者の外出支援を拡大すべき

 昨年、難病患者の団体から市長に対する要望書が提出され、話し合いが続けられてきました。
その結果、新年度から市で難病患者の定期相談を実施することが決まりました。
難病患者の団体が情報交換のために開催している“難病カフェ”の会場の確保などの協力・支援も行うことになりました。

 また難病患者に対して、障害者と同様に福祉タクシー券やガソリン代の補助、市内循環バスの乗車証を交付するように求めています。
症状が固定化して障害者手帳を持っている人もいますが、難病の方々は病状や体調が不安定な人も多く、症状を線引きして「基準」を決めることができません。
市は難病患者全員でなく歩行困難な人だけに限定したい考えですが、坂戸市や宮代町では難病患者を一律に福祉タクシー券の対象にしています。
久喜市も難病患者の外出支援を拡大するべきではないでしょうか。

 ようやく市内循環バスの無料乗車証については難病患者全員に交付すると答弁しましたが、福祉タクシーとガソリン代補助制度については消極的な姿勢です。
行政による外出支援を必要としている人がいるのですから、そうした方々を1人でも取り残すべきではありません。
市長が『市民に寄りそった形で判断させていただく』と答弁したものの、実現するかどうかは最後まで明言しませんでした。





久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 662号
2023年 12月 4日


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【11月市議会】 来年4月、久喜市の機構「改革」

 11月市議会に新年度からの市の組織・機構改革が提案されました。
最近数年間で部・課の新設や大きな再編成が続いていますが、それが行政サービスの向上に繋がっているかどうかを検証する必要があります。

 今回のいちばんの目玉は【市長公室】の新設です。
今年4月に財政部を市の中枢機関としての【総合政策部】に再編成しましたが、今度の市長公室は市長直属の“部”になります。

菖蒲・栗橋・鷲宮の総合支所を廃止して、【行政センター】に格下げとなります。
合併当初の総合支所は市民課窓口や各地区の環境経済、福祉も担当していましたが、次第に機能が縮小されてきました。
各地区行政センターは市民部の下に置かれて、総務人権係・地域振興係・市民係、社会福祉課の各地区福祉係を置きます。
住民票等の手続きはできるようですが、ますます権限が小さく…。

 市役所庁舎などの施設を管理する管財課はもともとは財政部に置かれていて、【アセットマネジメント推進課】に名前を変えて公共施設の管理と長期計画を担当していました。
そこから今年は公共施設の管理事務だけを切り離して、総務部庶務課の管財係になりました。
来年度には総務部に【管財課】が復活します。度重なる組織いじりで、老朽化して故障が相次いでいる公共施設の維持管理の対策や予算措置の権限を明確にするべきではないでしょうか。

保健センター・建設・教育部門も再編成

 今年4月に昨年までの健康子ども未来部が、【健康スポーツ部】【子ども未来部】に分割されました。
来年度は、保健指導や検診の業務を一括して担当する【地域保健課】を新設して、中央保健センターと栗橋保健センターに分けて配置します。
菖蒲と鷲宮の保健センターは建物だけは残しますが、検診などに使う以外は無人となります。
一方、母子保健の業務は地域保健課でなく、こども未来部に新設する【こども家庭保健課〈こども家庭センター〉】で担当します。
高齢者や成人保健は健康スポーツ部、母子保健はこども未来部と分離して、一元的な保健行政が維持できるのか、またそれぞれ保健師を確保できるのでしょうか。

 市民部に【交通住宅課】を新設して、これまでの交通企画課と、建設部都市整備課で担当していた市営住宅や空き家対策を統合します。
しかしこの2つの行政事務にどういう関係性があるのか…。

 建設部を分割し、【まちづくり推進部】を新設して都市計画課・都市整備課・産業拠点整備推進課・公園緑地課・建築審査課を置きます。
青葉公園や総合運動公園、清久公園などの運動施設は公園緑地課ではなくて健康スポーツ部のスポーツ振興課の担当なので、市民からはよくわかりにくいと言われます。
教育部の教育総務課と学務課を再編成します。
これまで教育総務課で行っていた学校統廃合の推進や学校施設の管理を【学校施設課】に移行し、学務課で担っていた学校運営などのソフト面の管理を【(新)教育総務課】が担当することになります。
学校施設の老朽化でさまざまな問題が噴出している今、なぜ教育部の組織を変更するのか、学校施設維持管理の責任の所在があいまいにならないか危惧されます。

市の行政組織が肥大化していないか

 組織機構の再編成の結果、現在の「11部・3総合支所・57課・173係」から、来年度には「13部・61課・170係」の体制になります。
一方、管理職の人数は2019年に一般職の常勤職員数773人で課長以上98人(課長補佐以上190人)でしたが、2023年には一般職の常勤職員数833人の内、課長以上109人(課長補佐以上215人)に増えています。

 行政組織は市民の目線に立って、どの部署がどんな行政事務を担当しているのか、市民が市役所で何かを相談したいと思ったときにどこに行けばいいのかをわかりやすい組織でなければなりません。
最近の久喜市の組織機構再編成はどうでしょうか。

★これまで保健センターは4地区に分かれていて、地元の妊婦さんや新生児の家を一軒一軒訪問するなど、地域密着で市民の健康を守ってきた。
4月から2か所に集約してだいじょうぶか。★


【11月市議会】 学校給食費無償化を求める請願を提出

 11月市議会に、『久喜市で学校給食費を完全無償化するよう求める』請願が1万名を超える市民の署名で提出されました。
紹介議員は渡辺・石田・川辺議員です。
請願項目は、
(1)久喜市の給食費無償化実現、
(2)政府に対して少子化対策と学校給食費無償化の早期実施を求めるというものです。
12月18日の教育環境委員会で審議され、22日の最終日の本会議で採決が行われます。

 一方、11月28日に公明党が『政府に対して小中学校の給食費無償化を求める』意見書を提出しました。
現在、政府で少子化対策として検討している「小中学校の給食無償化」を実現してほしいという内容です。
また同じ日に、市議会会派みらいの会が市長に対して『学校給食の食材費高騰分の公費負担継続を求める』要望書を提出しました。

 久喜市では昨年11月~今年3月の給食費を無償化し、今年4月からは物価高騰分を公費で補助して給食費の値上げを抑えてきました。
これらの財源は、政府からのコロナ対策やインフレによる生活困窮者支援の補助金をあててきました。
しかしその後も食材料費の高騰が続いているので、市では給食費値上げを給食審議会に諮問しました。
11月に審議会から「12%値上げ」の答申が出されたのを受けて、市は来年度から給食費を値上げする方針です。
みらいの会が求めている一部公費負担の継続は『給食費を現在の額で据え置いてほしい』という意味でしょうか。
まず給食費の値上げ反対を明確にした上で、少子化対策のために『給食費無償化』をこそ求めるべきではないでしょうか。
また、公明党の意見書は国に無償化を求めるだけで、久喜市の給食費にはいっさい触れていません。国が無償化を決めるまで、久喜市は何もしなくていいということでしょうか。

無償化に踏み切る自治体が増えている

 県内ではこれまでに滑川町、東秩父村、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、美里町、神川町が学校給食費を無償化していて、今年度から坂戸市で、さらに来年1月からは所沢市も無償化します。全国でも各自治体の判断で学校給食費無償化を実現した市町が増えています。
久喜市で給食費を無償化するためには約5億円が必要とされています。
財源は、現在計画されている豪華な公共施設や不要不急の公共事業を見直し、ムダ遣いをやめれば確保できます。
そのためにはまず市長が子育て支援を最優先に位置づけて、財政の使い方を見直すべきです。


【11月市議会】 鷲宮東コミセン廃止に反対の請願

  市は東鷲宮駅東口に建設中のヤオコーの2階の一部を賃借して「桜田複合施設」を開設する計画です。
賃借料は年間5500万円と言われているので20年間で11億円、駅前から豪華な屋根とエスカレーター付き歩道橋も5億円で建設中です。
住民票などの行政窓口とコミュニティセンター、民間の有料屋内子ども遊び場を置く計画で、完成後は現在の鷲宮東コミュニティセンターさくらは「廃止」と言っています。

 しかし新施設は現在の「さくら」よりも市民活動スペースが狭く使いにくくなることは明らかで、住民から現在のコミセンを廃止しないでほしいという意見が上がっていました。
これらの声を受けて地元の桜田地区と東鷲宮地区のコミュニティ協議会から「鷲宮東コミセンさくらの存続を求める」請願書が提出されました。
市議会では12月13日の総務財政市民委員会で審議され、最終日の本会議で採決が行われます。

公共施設を一方的に廃止の計画

 市では現在、「公共施設個別施設計画」を策定しています。昨年の市長選挙の前には、市役所を鷲宮地区(?)に移転新築、障害者施設の民間譲渡、集会所の地元譲渡などの計画を作ったものの、市民の強い反対で撤回していました。
今度はその改訂版です。
本来はそれぞれの施設の性格や目的、市民サービスの確保などの観点から判断するべきなのに、前計画と同様に運営費や維持管理費の節減だけを目的に、公共施設をどんどん減らしていく計画になっています。来年の2月市議会に提案される見通しです。

【現在までにわかっている計画の内容】
◆6年後までに廃止…市民プール、菖蒲・鷲宮の温水プール、東町集会所・本町集会所・青葉地域交流センター など
◆7~15年後までに廃止…4つの保健センター、鷲宮体育センター、栗橋B&G海洋センター、鷲宮児童館、菖蒲文化会館、栗橋文化会館、太田集会所、中央コミセン・鷲宮中央コミセン、彩嘉園 など
◆15年後までに民間譲渡…さくら保育園、すみれ保育園