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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 654号
2023年 7月 17日


654号ファイル

 『声と眼』
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【6月市議会】 学校の雨漏り、外壁落下も放置され

 7月6日、TV朝日とフジテレビで、久喜市役所トイレの故障や公共施設の故障・破損、久喜東中の外壁の落下や久喜中の雨漏りの悲惨な実態が報道されました。

 小中学校から2021年度までに124件の修繕要望が出され、10校では教室や廊下などの雨漏りが続いています。
昨年からようやく本町小の雨漏り対策工事が着手されましたが、ほとんどの学校ではいまだに手つかずで雨漏りが放置されている異常事態です。
東中学校でも昨年の11月に外壁モルタルが落下したのに半年間も放置されてきました。
テレビや新聞各紙で、久喜の公共施設の故障や破損が次々に取り上げられた結果、市ではあわてて6月市議会の最終日に緊急補正予算を追加提案してきました。

(1)本庁舎の東側トイレや各総合支所の排水管の調査を行います。
建築後35年以上が経過した公共施設は20件以上あって、すべての施設の排水管やエアコンの点検が必要ですが、今回の調査は4か所だけです。
(2)小中学校12校の外壁改修工事の設計・調査と緊急修繕工事を行います(7812万円)。
外壁の落下のおそれなどの危険な箇所は緊急に対応するとしていますが、多くの改修工事は来年度以降に先送りする予定です。
また雨漏り対策も緊急に進めるよう求めましたが、これも来年度以降に先送りする考えです。
いちばん悲惨な状態が続く久喜中学校の雨漏り防止対策はいつ工事を行うのかただしたところ、やっと来年度予算で対応する方針が示されました。

 近隣の市町の議員に聞いてみましたが、こんな多くの学校で雨漏りや外壁落下などを放置している所は他にありません。
財政の都合でなく、子どもたちの命と健康、安全を最優先に考えるべきです。


【6月市議会】 学校給食センターエアコンの凍結防止対策を怠った

  学校給食センターのエアコンが1月に故障して、7月から修理にかかることが決まりました。
原因は室外機の冷媒の水が凍結して部品を破損させたと説明されています。
しかし議会の質疑で、そもそもエアコンの凍結防止対策が取られていなかったことがわかりました。

 メーカーから市に提供されているエアコン室外機の「施工及び取扱上の注意事項」には『氷点温度以下になる場合は、凍結して破損することがある』、凍結防止のために『対策を組み合わせることが必要となる』と書かれています。
対応例として『外気流入防止用ダンパーの設置、温水循環運転、不凍液の使用』などが明記されていましたが、市はこれらの対策をいっさい取っていませんでした。
しかも寒波の襲来が予測されたのに、メーカーが勧める温水でなく、水を循環させてしのごうとしました。
これでは凍結するのはあたりまえ(?)です。修理費5000万円もの支出を余儀なくさせた、市の責任は重大です。

★市は給食センターエアコンの破損した部品を3月までに交換し、来年度に防風壁を作るという。
メーカーの「対策」に書いてあるダンパーや不凍液はやらないで、書いてない防風壁を作るって?★


 6月定例会議 全議案と各会派・議員の賛否

猪股市議の一般質問 2
6月22日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 公共施設の維持補修が不適切だった
予防保全型維持委管理に転換すべき

 久喜市で公共施設の設備故障や破損が相次いでいます。
市役所トイレは40年以上も点検もしてこなかった結果、排水管が詰まって3月から使用不能、花みずき会館や栗橋健康福祉センターくりむのエアコン、中央コミセン(旧公民館)のトイレは2年前から故障、菖蒲文化会館アミーゴのエアコンは6年前から故障しています。
久喜駅西口デッキは30年以上も点検してこなかった結果、3月にコンクリートが落下しました。
久喜市は公共施設の維持管理や点検に金をかけないで、故障するまで放置し、故障・破損してもすぐには修理にかからずに放置してきました。

 合併当時は決算総額の1%程度の3億円以上を維持補修費に充てていたのに、梅田市長になった5年前から維持補修費を1億5000万円(0.3%)に半減させました。
維持補修費の割合は県内40市中で下から10番目です。
公共施設の施設設備の維持管理は「予防保全型維持管理」を基本にするよう提言し、市長も『これまで事後保全が中心だったが、今後は予防保全を中心とした維持管理をしていきたい』と答弁しました。

 これらの他にも10施設以上でエアコンが故障したままになっていることがわかりました。
花みずき会館やくりむ、アミーゴのように故障しても修理せずに数年以上放置されてきた施設もあります。
故障したらすぐに修理に取りかかるべきなのに、市は“利用状況などから緊急性が低い”と判断した施設は先送りして修理せず、『計画的に修繕を実施してきた』と説明しています。
しかし小さな不具合の段階で修理しないで、完全に故障するまで放置すればかえって修理費が高くつく場合もあります。
維持管理と修繕の考え方を抜本的に改めるように求めました。

 建築後35年以上の老朽化した施設の排水管やエアコンを総点検するよう求めましたが、市はすぐに総点検にかかる考えはないようです。
これではまた施設や設備の故障・破損が繰り返されるばかりです。まず老朽施設の総点検をどのように進めるかという計画を作るよう求めましたが、ようやく『来年度予算に間に合うように計画を作れるように努力していく』と答弁しました。


【一般質問】 ジェンダーレススクール水着を提案

 これまで市議会で、特に思春期・成長期の男女生徒やLGBTQなどの性的マイノリティの児童生徒への配慮、また肌の弱い生徒への配慮も含めて、プール授業でのラッシュガードの着用を認めるよう求めてきました。
2019年には教育長が、許可制でなく生徒の意思に委ねる形で認めるよう、校長会などで話をするという答弁もありました。

 最近、複数のスポーツ用品メーカーから、男女のデザインが同じ「男女共用セパレーツ水着」が発売されています。
上下が分かれたセパレーツ型で、長袖の上着は肌の露出が少ない、ボトムスはハーフパンツで、身体のラインが目立ちにくい、撥水性があり泳ぎやすいなどの特性があります。
LGBTQへの配慮だけでなく、思春期の男女への配慮にも合致していると言われます。
最初から上下セットなので、水着と別にラッシュガードの着用を認める必要もありません。

 市内中学校の水泳授業に、ジェンダーレススクール水着の導入を進めてはどうかと提案しました。
教育長が『市内の中学校では水着の統一はしていないが、ジェンダーレススクール水着の導入について、校長会で話していく』と答弁しました。


【一般質問】 気候市民会議の取り組みを提言した

 久喜市は「2050年ゼロカーボンシティ」をめざして、総合振興計画で「市民・事業者・団体・行政が一体となって、再生可能エネルギーや省エネルギー等の普及に取り組みます」とうたっています。
しかし行政が一方的に計画を作って進めるだけではなく、市民主体で進めていくことが大切です。

 昨年、所沢市で「マチごとゼロカーボン市民会議」が開催されました。
これは無作為抽出の市民を委嘱してゼロカーボンの方策を話し合い、提案してもらう「気候市民会議」の県内第1号の取り組みです。
市民主体でゼロカーボンシティを進めるために、久喜市でも無作為抽出の市民で「気候市民会議」を開催するよう提言しました。

★「気候市民会議」はさまざまな立場の市民に無作為抽出で呼びかけて集まってもらって話し合うことに意義があるのだが、久喜市にはどうも理解してもらえていないようだ。
引き続き検討を求めたい。★







久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 653号
2023年 7月 3日


653号ファイル

 『声と眼』
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【6月市議会】 学校給食センターのエアコンが故障、修理費に5000万円

  市の学校給食センターのエアコンが1月に故障して、6月市議会の一般会計補正予算に修理費5000万円が計上されました。
補正予算可決後に修理工事を発注し、工事終了は来年3月の予定です。
調理員の皆さんは冬期は防寒着を着込んで、夏場はスポットクーラーを設置し、水冷ベストなどを着て調理にあたるといいますが、これで乗り切れるのでしょうか。

(1)市は、センター屋上の室外機6台の内4台が、寒波で冷媒が凍結・損傷したと説明しています。
埼玉の気候でそんな事態になるなんて、凍結防止対策はなかったのでしょうか。
一昨年の8月に稼働したばかりなのに、1年半で故障して使えなくなったというのも理解できません。
(2)補修費は全額を市の財政調整基金を取り崩してあてる予定ですが、設計や施工業者、メーカーの責任・補償はないのでしょうか。
(3)故障してから今まで、市民にも議会にもいっさい報告がなく、半年間も放置されてきました。
本来なら市は緊急性を判断してすぐに修理にかかるのがあたりまえです。
市長も担当課も、猛暑の中での給食調理は命にも関わる事態だという危機感を持たなかったのでしょうか。
(4)1月に故障したのなら「予備費」を使ってでも緊急の補正予算を組んで修理を発注するべきではなかったでしょうか。
2月の定例市議会か臨時議会、または市長の専決処分などで修理予算を確保することもできたはずです。
そんなことさえ「決断できない」としたら、あまりにも無責任で、久喜市行政の政治的欠陥と言うしかありません。

【6月市議会】 同性婚の法制化を求める意見書(案)を提出しました

 ★6月市議会に『同性婚の法制化を求める意見書』を提案しました。
提案者は猪股、賛成議員に田村(市民の政治)、杉野(共産)、岡崎(公明)が署名しています。
7月6日に討論・採決が行われます。★

同性婚の法制化を求める意見書(案)

 わが国には多くの同性のカップルが婚姻に相当する生活を営んでいます。
しかし法律上は「同性婚」の制度が存在しないため、相続や財産の処分、親権、税、医療、年金など、さまざまな場面で、「婚姻」と認められないがための不利益を受けています。

 本年5月、名古屋地裁で、同性婚を認めない現行の婚姻・家族制度は憲法に違反するとの判決がありました。
ここでは法の下の平等を定めた14条1項だけでなく、婚姻に関する法律の制定で個人の尊厳への立脚を求めた24条2項にも違反していると判断されました。
一昨年来、札幌地裁における「違憲」判決、東京地裁における「違憲状態」の判決、大阪地裁判決では「将来的な違憲の可能性」を指摘するなど、同性婚を認めるべきとする法的環境が進んでいます。

すでに世界では34の国と地域が同性婚を認めています(2023年2月現在)。日本でのパートナーシップ導入自治体は300を超え、人口カバー率は7割を超えています。
それでも「婚姻」に匹敵する法的効果がないがために限界があることは否定できません。

 5月に広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)首脳宣言では、「あらゆる人々が性的指向に関係なく、生き生きとした人生を享受できる社会を実現する」との文言が盛り込まれました。
同性婚の法制化は今や世界的趨勢であり、国際的要請にも応えるものです。

 婚姻の本質は同性・異性に関わらず2人で共同生活を営むことにあり、それを公的に保障するのが婚姻・家族制度です。
にもかかわらず、同性カップルは国の制度による社会的承認を得られず、異性カップルには当然に保障される婚姻・家族の関係を保護する枠組みすら与えられていないのはきわめて不合理です。

 政府もこれまで憲法24条において「同性婚は想定されていない」としつつも、「同性婚が違憲である」とは説明していません。
最近の各種世論調査では、同性婚の法制化への賛成が反対を上回っており、同性婚を法的に認めた場合でも、国民が何らかの不利益をこうむることは考えられません。

 よって、国は同性婚の法制化を進めることを求めます。

 以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 法務大臣あて
 

猪股市議の一般質問 1
6月22日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 パートナーシップ制度の発展を

 久喜市は2021年に同性カップルのパートナーシップ宣誓制度を発足しました。
これまで市議会で、同性カップルが養育する子どもも含めて“家族”として認証するファミリーシップ制度への拡大を求めてきました。
今年2月議会で市長が10月にファミリーシップ制度を導入すると表明しましたが、現在の久喜市の制度にはいくつかの課題も残されています。

 (1)同性カップルの中には、2人でわざわざ市役所へ来て職員の前で“宣誓”しなければならないことに心理的抵抗感もあると言われます。
そこで宣誓でなく“届出”だけで認証する制度に改めるように求めてきていて、市も届出制度への移行を検討すると答弁しました。
(2)他の自治体に転出入した場合、新たに転入した自治体で改めて宣誓などの手続きをしなければなりません。
普通なら転出入しても婚姻関係は自動的に引き継がれるのですから、パートナー(ファミリー)シップ認証もそのまま継続できるようにすべきです。
私は、改めて手続きをしなくても認証を引き継ぐ“連携協定”を、久喜市から周辺自治体に呼びかけて締結するよう提案しています。

 近隣市町では、蓮田・幸手・白岡・加須・吉川・八潮・三郷・桶川・伊奈でパートナーシップ制度、越谷・草加・宮代・杉戸・春日部・松伏・鴻巣などがファミリーシップ制度を導入し、この内の越谷・春日部・草加市が連携協定を結んでい
ます。また宮代と松伏は“届出”制度です。

【一般質問会】 公共施設への太陽光パネルの設置

 久喜市は2050年ゼロカーボンシティを宣言し、環境基本計画で2030年までに温室効果ガスを50%削減する目標を掲げています。
そのために来年11月に地域新電力会社を設立して、再生可能エネルギーを拡大していく計画も明らかにされました。

 市ではすでに市役所ぐるみでのCO2削減の取り組みや公用車に電気自動車の導入を進め、市民の太陽光発電や燃料電池などの新エネルギーシステムの設置に対する助成制度も拡大してきました。
さらに公共施設の屋上などへの太陽光発電設備の設置を計画的に推進していくべきです。

 2月市議会で太陽光発電パネルが設置可能な公共施設を調査するよう求めたのに対し、市から小中学校校舎18校、市役所庁舎などの公共施設10施設を調査して計画的に進めていく考えが示されました。
そこで28の施設についての設置可能性をどのように調査していくかを明らかにするよう求めました。
市はこれから地域新電力会社設立に向けて協働する事業者を募集して、10月をメドに選定する方針です。
その後、公共施設の太陽光発電設置可能性及び優先順位の調査を進め、来年3月までに新電力会社設立に向けた事業計画を策定していく計画です。

 久喜市では現在、26の公共施設に太陽光発電が設置されています。
ゼロカーボン政策を推進していくためには、その他の設置可能なすべての公共施設に早期に設置を進めていかなければなりません。
市の費用で先行して進めていくべきではないでしょうか。


【一般質問】 道路の交通安全路面標示の補修

 市内各地域で、道路の交通安全の路面標示が消えてしまっています。
青毛のピースロード、青葉けやき通り、久喜中央1丁目のヨーカドー入口付近など多くの地区で、市道の中央線、横断歩道、停止線、右折帯の車線まで消えてしまっている道路もあります。
これでは車の安全な通行が保障されません。
早急に補修を進めるよう求めました。
市は各地区で市道の路面標示が劣化して消失している事実を認識しており、今後、鷲宮・葛梅・栗原・久喜中央・北地区などで、毎年2~3か所ずつ補修を進めていく計画ですが、これではとても追いつきません。

 市道の交通安全施設路面標示の補修費は、2019年度決算で2627万円、20年度2315万円でしたが、21年度には1078万円と大幅に削減されてしまいました。
22年度の予算も1045万円でした。補修が必要な地区は10か所以上もあるのに、多くは先送りされています。
23年度の予算はやっと4548万円に増額されましたが、毎年1億円くらいの補修費用を確保していかなければ改善は一向に進みません。

★久喜市は公共施設も市道の交通安全路面標示も、維持管理や補修に金をかけようとしない。
市民の歓心を買うために目新しい公約を次々と打ち出す前に、施設や設備を保全し維持管理するのが前提ではないのか。★






久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 652号
2023年 6月 12日


652号ファイル

 『声と眼』
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久喜の待機児童数ゼロと言うが

 今年度の保育園、認定こども園などの保育施設の定員は2624人(昨年より約300人減)で、新規の入所申込者数は723人(約60人減)でした。
その内、入園できた児童は545人で、「入所保留者」=潜在的待機児童は153人でほとんど減っていません。
その他にいったんは保育所の入所を希望したのに、条件に満たずに申請を取り下げた児童が25人もいて、入所を希望したのに入れなかった児童は178名にのぼりました。

 それでも厚労省の基準による集計では、久喜市の「待機児童数」は、2021年から3年連続で「ゼロ」ということになっています。
これは子どもが預けられないために仕事が決められないでいる人は『求職活動をしていない』とみなされたり、保育園の決定通知が来ても遠くて通えないので辞退した人は待機児童の集計から除外されるためです。
きょうだいで別の保育園に指定されて入園を辞退したり、転園を希望してかなえられなくても「待機児童」とは認められません。
様々な口実で待機児童を小さく見せかける数字の操作が行われていますが、これでは本当の意味で「待機児童ゼロ」とは言えません。

各年度4月 2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
新規入園申込者数 723人 780人 775人 774人 889人
  内、新規入園決定者数 545人 559人 611人 563人 661人
取り下げ者数 25人 62人 39人 53人 92人
入所保留者数(実質的な待機児童) 153人 159人 125人 158人 136人
  厚労省の基準による待機児童数 0人 0人 0人 40人 22人
求職活動をしていないとみなされた 15人 13人 10人 17人 37人
遠いなどの理由で入園を辞退した 79人 76人 48人 58人 50人
育児休業を延長した 21人 40人 34人 17人
転園を希望したがダメだった 38人 30人 33人 26人 27人

 実質賃金の低下による生活困窮やコロナ禍からの回復で、女性の就労と保育ニーズは拡大し続けています。
今後も定員拡大を進めていかないと、またまた待機児童が増えていくことになりかねません。さらに、保育園の全入や無償化をめざすべきです。

久喜市の10年間の決算を調べてみると
維持補修費が半減されていることがわかった

エンゼル公園の遊具破損 修理に1年

 エンゼル公園の大型遊具が破損して一部が使用禁止になっています。
昨年から壊れていて、やっと6月に修理を委託しましたが、完了は来年になる見込みです。
なぜすぐに修理するというあたりまえの対応が取れないのでしょうか。

 最近になって久喜市の公共施設の故障・破損が多発しています。
前号で市役所本庁舎トイレ、西口ペデストリアンデッキの破損、花みずき会館のエアコン、中央コミセン(公民館)の男性用トイレの故障について書きました。
その他にも健康福祉センター(栗橋くりむ)のエアコンが昨年から不調でしたが、ついに全館のエアコンが故障しました。
菖蒲文化会館アミーゴのエアコンは数年前から一部が故障したままです。

 市は公共施設の維持管理に金をかけずに、故障しても修理を先送りしてきました。
施設を適切に維持管理するのは市の最低限の責任です。施設や設備が故障したら直ちに予算を確保して改修すべきです。

維持補修費が大幅に減額されてきた

 市の毎年の一般会計決算で維持補修費の推移を調べてみると、10年間で大幅に減額されてきたことがわかりました。
維持補修費
(単位 千円)
決算額に
占める割合
2010 3億3291万7 0.8%
2011 3億2187万3 0.7%
2012 4億3724万6 1.0%
2013 3億4708万1 0.8%
2014 3億4311万6 0.7%
2015 2億6472万9 0.5%
2016 3億4753万3 0.7%
2017 2億9233万6 0.6%
2018 1億5597万8 0.3%
2019 1億5142万9 0.3%
2020 2億2160万9 0.3%
2021 2億5326万9 0.4%

 2021年度の維持補修費は、10年度(合併の年)比で24%減、最大だった12年から1億8400万円(42%)もの減です。
特に2018年に梅田市長になってから極端に減額されていて、その前の4年間に比べて2分の1程度に切り詰められました。
これではとうてい公共施設の適正な維持管理を行うことはできません。

★市はすぐに「予算がない」と言い訳しますが、本来は義務的経費と維持管理費を確保した上で新規事業を行うべきで、久喜市は予算の使い方、優先順位を間違っていると言うしかありません。★

 「マイナカード」でトラブル続出
このまま保険証廃止はできない

 政府・国会は、マイナカードと健康保険証の一体化と「現行の健康保検証」の廃止を決定してしまいました。
しかし現実には全国でマイナカードのトラブルが続出しています。
口座登録の重複や他人の健康保険情報がひも付けられていたケースも多発しています。
また根本的な問題として、認知症や施設入所者などで、マイナカードを持たない(持てない)人もいます。
このまま保険証の廃止を強行した場合、安心して医療を受けられずに取り残されて、国民皆保険制度の崩壊にもつながりかねません。

読売新聞社説(6月7日)は、『(マイナンバーカードの)廃止方針をいったん凍結し、国民の不安を 払拭するのが筋だ。』『再発防止に努めるのが先決だ。当初の予定通り、選択制に戻すのも一案だろう』と書いています。

 昨年の12月定例市議会に、市民の政治を進める会は「健康保険証の廃止方針の撤回を求める意見書」を提出しました。
最終日の採決で、賛成少数で否決されてしまいましたが、意見書に反対した議員たちはもう一度考え直すべきではないでしょうか。

 6月定例市議会で、私たちはマイナ保険証を持たなくても、安心して医療にかかれるよう求める意見書を提出します。

マイナ保険証に伴う国民の不安解消を求める意見書(案)

 マイナンバーカードの活用拡大に向けた改正マイナンバー法が6月2日の参院本会議で賛成多数で可決成立し、2024年秋に現在の健康保険被保険者証の廃止が決定された。
しかしマイナンバーカードの申請が義務化されるものではないとも説明している。

 マイナンバーカードは任意の申請に基づいて交付されている。
2023年5月10日現在のマイナンバーカード実保有枚数は約8367万枚(人口比66.4%)であり、残りの約3分の1の国民が何らかの理由により申請しない、または申請できずに保有していない。

 一方、日本ではすべての国民は公的医療保険に加入する国民皆保険制度が確立しており、被保険者にはすべて被保険者証(保険料・税の滞納状況によって短期被保険者証または資格証明書など)が交付されている。
政府は現在の被保険者証を廃止した後に、マイナ保険証を持たない被保険者には「資格確認書」を発行するとしているが、すべての健康保険被保険者がこれまでと同様に医療を受ける権利を保障されるのか、懸念と不安が拡がっている。
また、医療機関におけるマイナ保険証によるオンライン資格確認システムで、患者情報が確認できないなどの混乱も多く報告され、いったん10割負担が求められたケースも出ている。

 政府は、マイナンバーカードと健康保険被保険者証を一体化した後においても、国民皆保険制度を守り、すべての国民が医療を受ける権利を侵害されることのないよう、国民の不安を払拭するべきである。

 そこで、以下について早急に対応方針を明らかにするよう求める。


1.マイナンバーカードの交付およびマイナ保険証の登録は申請によることになっているが、健康保険被保険者証は申請ではなく被保険者に当然に交付されている。
被保険者証に替わる「資格確認書」も同様に、申請によらずに交付すること。

2.認知症、障害者など、マイナンバーカードおよびマイナ保険証の申請が困難な被保険者に対し、「資格確認書」を申請によらずに交付すること。

3.高齢者施設や障害者施設入所者の多くは、現在は施設で被保険者証を管理しているが、マイナンバーカードを施設で申請・管理することは困難である。
そこで、現在の被保険者証を廃止した後でも「資格確認書」を申請によらずに交付すること。

4.医療機関におけるマイナ保険証(オンライン資格確認)システムの不具合により、被保険者情報が確認できない場合でも医療をスムーズに受けられるように、マイナ保険証登録者にも「資格確認書」を交付すること。

5.マイナンバーカードを紛失した際などにも、「資格確認書」を使えるようにシステムを構築すること。

 以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会


衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣厚生労働大臣 デジタル庁長官 あて 

★11月市議会で「保険証の廃止方針の撤回を求める意見書」に賛成したのは、猪股・川辺・田村(市民の政治)、杉野・石田・渡辺(共産党)と、宮崎・川内の8人だった。
他の議員は、今度はどうする。★