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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 643号
2022年 12月 19日


643号ファイル

 『声と眼』
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【11月市議会】 市の組織機構改革がわかりにくい

 11月市議会に来年4月からの市の機構改革が提案されました。

(1)総務部と財政部⇒総合政策部と総務部に再編、
(2)健康・子ども未来部⇒健康スポーツ部と子ども未来部に分割、
(3)国民健康保険課を市民部⇒健康スポーツ課へ移管、
(4)公民館を廃止し、コミュニティセンターに変更して市民部へ移管する、などです。

 しかし今回の機構改革は1年だけでは終わらず、市は2024年度にも引き続いて機構改革を行う考えです。
(5)市長直属の市長公室(室長は部長待遇)を新設、
(6)建設部⇒建設部とまちづくり推進部に分割、
(7)総務部の人権推進課⇒市民部へ移管、
(8)市民部の交通企画課⇒まちづくり推進部の「係」に移管、
(9)教育部の幼稚園⇒子ども未来部に移管、
(10)菖蒲・鷲宮の保健センターを無人化、
(11)保健センターの母子保健係⇒子ども未来部に移管、
(12)各総合支所(部長待遇)⇒市民部の各行政センターに格下げします。
また今回の機構改革にともなって執務・会議スペースが不足するので、駐車場に会議室棟を新築します。

 市ではこれまでも生涯スポーツ行政を教育部から切り離して市長部局に移管するなどの再編や、教育部など設置場所の移転を繰り返してきました。
最終的にどのような組織のあり方をめざすのか、市民からは非常にわかりにくくなっています。
小刻みな変更でなくまとめて抜本的な再編成を行う方が望ましいのではないでしょうか。
また市役所が狭くて各地区に分散している現状を解消するためには、本庁舎の増築の見通しを早急に明らかにするべきです。


【11月市議会】 フルマラソンをやるって 本気ですか?


 市は当初予算でフルマラソンのコース検討費用279万円を計上し、11月に民間業者に委託して調査業務を進めています。
その内の一部資金を寄付金でまかなおうとして、ふるさと納税のクラウドファンディングで寄付を募集しましたが、目標100万円に対して集まった寄付金は7万円にすぎませんでした。
市民からも全国のマラソンファンからもまったく関心を持たれず、寄付者はわずか5人で、完全な失敗に終わりました。
市長は2024年度にフルマラソンを実施する計画を掲げていますが、このまま突っ走るつもりでしょうか。
コースは菖蒲地区の見沼代用水周辺(土手?)に設定すると言われていますが、今のところどんなコース設定になるのか、折り返しか周回かなどもまったく明らかにされていません。

 市は毎年3月ごろに市民マラソン大会(ハーフや3㎞コースなど)を開催してきました。
18年度の市の支出は781万円で、その後は中止やオンライン開催になています。
今年度は開催予定で849万円が計上しています。
これがフルマラソンとなると、いくらかかるのでしょうか。
今のところ、久喜でフルマラソンを行う目的、開催経費や参加者の人数規模、市民へのメリットなどは何も明らかにされていません。

★菖蒲地区の「豊かな田園風景の中を走る」と言えば聞こえはいいが、ほとんどの道路に歩道もなく、応援する場所もない。
6時間以上も通行止めにできるコースが取れるのか。★

【11月市議会】 社協の緊急貸付け 返済免除が急増

 コロナ禍で失業や倒産が拡大して収入が減ったため、生活困窮が拡がっています。
社会福祉協議会の生活福祉資金制度の特例貸し付けで、2020~21年度の2年間の社協への相談者は4839人にのぼりました。
緊急小口貸し付け件数は1084件 2億1035万円、総合支援貸し付け件数は852件 4億5187万円、延長・再貸し付け865件 4億5994万円にも達しています。

 来年1月から返済が始まりますが、実際には所得が回復せず償還が困難な世帯が多いため、住民税非課税世帯には返済免除が適用されます。
県社協から該当すると思われる1900世帯に案内を発送し、9月末までにその内の275世帯に免除が決定されました。
今後も多くの世帯が返済免除になると考えられます。
事実上は返済困難な世帯がほとんどですから、本来は貸し付けではなく、生活保護で対応するべきですが、生活保護の申請をする世帯は少数にとどまっています。

猪股市議の一般質問 1
12月 9日の本会議で、7項目の一般質問を行いました。


【一般質問】 図書館の視覚障害者サービス充実を

  市立図書館は、(株)図書館流通センターに指定管理を委託しています。
点字図書や大活字本、録音図書などを置いている他、『広報くき』の録音データなどを視覚障害者に届けていますが、一般図書の視覚障害者サービスはあまり進んでいません。

 全国視覚障害者情報提供施設協議会が『サピエ図書館』という視覚障害者を対象とした図書資料データ提供システムを開設しています。
全国の点字図書館などの図書資料データをインターネットを通じて利用することができ、全国の公共図書館255館が登録して活用しています。
久喜市立図書館も視覚障害者サービスをいっそう拡充するために『サピエ図書館』に登録するよう提案しました。

 指定管理の事業者もそうした意向を持っていると聞いているので、市としても積極的に指定管理者と協議を進めるよう求めました。
さらに視覚障害者からサービスや情報に対するニーズを出してもらうことや、図書館からの情報提供を充実させる双方向のシステムを作っていくよう求めました。

【一般質問】 青葉中央バス停付近に横断歩道を

 青葉団地中央バス停付近には横断歩道がないため、住民やバスの乗降客は車の切れ目を小走りで横断しています。
団地とグランドを渡る歩道橋がありますが、ほとんど渡る人はいません。
地元住民から横断歩道設置の要望が寄せられたので、一般質問で取り上げました。

 市民部長は『横断注意の看板を出す。市民に歩道橋の利用を呼びかけていく』『地元の区長さんの意見を聞いて、必要であれば県に要望を出したい』と答弁しました。
そもそも歩道橋に上がるには大回りになるので、ほとんど利用されていない実情も知らないようです。
市が道路の危険性や横断歩道の必要性を判断しようとしないで、区長さんに丸投げするのは、交通安全対策担当課の責任放棄ではないでしょうか。
この道路は幸手県道交差点~団地東バス停(平沼落とし)の500mもの区間に横断歩道がありません。
早急に横断歩道設置を検討すべきです。

【一般質問】 コロナ感染状況の公表中止→再開の右往左往

 市はホームページでコロナ感染者の派生状況を公表していましたが、9月26日で中止してしまいました。
理由は国で陽性者の全数把握の方針が変わったため、『正確な感染者数の把握ができなくなったから』というのです。
それで久喜市では感染状況の公表をすべて止めてしまったのですが、加須市などでは、全数把握でなくても「参考値」と断った上で公表を続けています。
おおよその患者数であっても、市内の感染の増減の状況を市民に知らせて、感染予防を呼びかけることが大切だと判断したのです。

 久喜市もたとえ完全な人数でなくても、市が把握している感染者数を、市民に対してできるだけていねいに情報提供するべきです。
そこで私は11月22日に一般質問通告書を提出して、『感染者数の公表』を求めました。ところがその1週間後の28日になって、9月以降の感染者数の「参考値」がホームページに唐突に掲載されました。
本会議の一般質問で追及されてしかたなく再開に追い込まれるのを避けて、質問される前に再開したんだと言いたいようです。

 本会議では副市長が『感染状況(参考値)の公表を続けるべきだった』と反省してみせました。
本来、市政の情報はすべて市民のものです。市民と情報を共有してこそ、市政への信頼も感染予防への市民の協力も得ることができるのではないでしょうか。

【一般質問】県のプラ資源循環推進団体に参加?

 埼玉県は「プラスチック資源の持続可能な利用促進プラットフォーム」を設置し、県内30市町の自治体や企業が参加して、プラ資源の循環利用・減量化を進めています。
昨年来、桶川、上尾、伊奈、幸手市などでプラ資源回収の実証実験も進めてきました。
久喜市もこの団体に参加していますが、市の方針はこれまでのプラ資源回収をやめて、2027年からは新ごみ処理施設で全量焼却に転換する計画です。

 市の計画と正反対の団体に参加している理由を聞いたところ、部長が『情報収集のため』と答弁しました。
こんな姿勢ではプラ資源循環に積極的に取り組んでいる他の自治体に対して不誠実ではないでしょうか。


済生会病院跡地に、秋谷病院が移転。来年4月に開院決定

★済生会栗橋病院跡地に、秋谷病院が移転して来年4月に開院することが決定した。
土地建物は無償貸与(年後に譲渡)し、施設整備費数千万円を市が補助する。
現在の8診療科目が維持できるかは未定。★








久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 642号
2022年 12月 5日


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【11月市議会】 子育て世帯の生活応援給付金2万円

 11月定例市議会の一般会計補正予算で、18歳以下の子ども1人につき2万円を支給する子育て世帯「応援給付金」2億8672万円が計上されました。

 10月30日の臨時市議会で、小中学校の学校給食費無償化(11月~来年3月分)が決定され、市立小中学校の児童生徒1万1000人に対して、総額2億2883万円が負担軽減が決まっています。
しかしこれでは特別支援学校や市外の学校に通学する児童生徒は支援の対象になりません。
また就学前の幼児や、高校生などの18歳以下の子どもがいる世帯も対象外です。
議案質疑では、川辺議員(市民の政治を進める会)が幼稚園や保育園の給食費も無償化するよう求めましたが、市はその考えはないと突っぱねていました。

 「子育て支援」と言いながら、対象を市立小中学校の児童生徒だけに限定して、それ以外に拡げないというのでは子どもたちへの差別です。
市は批判の高まりを受けてようやく考え方を転換し、18歳以下の子育て世帯全体に子育て支援を拡げることにしました。
新たに提案された「応援給付金」は、18歳以下で給食費無償化による負担軽減の対象とならなかった子ども、幼稚園や保育園など就学前の児童のいる世帯を対象とし、約1万3200人の子ども1人につき2万円が支給されます。
学校給食費5か月の無償化分が平均約2万円なので、それと金額を合わせました。

 さらに今年4月から来年3月までに市に妊娠届けを出した方にも、「妊婦応援給付金」として2万円を支給することになりました。
対象者約875人で、支給総額1750万円、事務費を合わせて約2846万円と見込んでいます。

 当初は小中学生だけ給食費を徴収しないで負担軽減するとしていたのに、急遽、それ以外の世帯へも2万円を現金給付することに…。
それなら最初からすべての子育て世帯に一律2万円を現金で支給することにした方が公平性が保たれたはずです。
政策が右往左往して、中途で方針を変更せざるを得なくなったのは、そもそもの趣旨と目的があいまいで、政策判断に問題があると言わざるを得ません。

【11月市議会】 市長と議員の期末手当を引き上げ

   国の人事院勧告の趣旨に沿って、市の職員給与引き上げの条例改正が提案されました。
職員給与を平均0.1%引き上げるとともに、勤勉手当を年間0.1か月分引き上げて、期末勤勉手当の合計を4.4か月分にする(現行は4.3か月分)というものです。
インフレ下で勤労者の給与を引き上げて生活改善を図ることは政治の優先課題のひとつです。

 それに合わせて、特別職職員(市長、副市長、教育長、議員)の期末手当の引き上げも提案されました。
職員と同じに0.1か月分引き上げて年間4.4か月分にするというものです。
しかし本来、勤務評価で査定される職員の勤勉手当とでは手当の性格が違います。
久喜市は特別職の期末手当支給割合を一般職員と連動させていますが、県内では約10市が特別職の期末手当支給割合を、一般職員の勤勉手当の割合とは別に定めています。

 久喜市も市長や議員の期末手当を引き上げる際に、機械的に職員と同じにするのではなく、特別職報酬等審議会に諮るべきではないでしょうか。

【現在と改定後の支給額の比較】
月額 期末手当額
()内は現在の額
年間支給額
()内は現在の額
市長 95万7000円 505万2960円
 (現行 493万8120円)
1653万6960円
(1642万2120円)
副市長 80万5000円 425万0400円
(現行 415万3800円
1391万0400円
(1381万3800円)
議長 48万3000円 255万0240円
 (現行 249万2280円)
834万6240円
(828万8280円)
副議長 43万3000円 228万6240円
 (現行 223万4280円)
748万2240円
( 743万0280円)
議員 41万円 216万4800円
(現行 211万5600円)
708万4800円
( 703万5600円)

*年間期末手当は「4.4か月分」とされていますが、 
 特別職職員には「調整率1.2」が加算されるので、
 実際の支給割合は「5.28か月分」となります。


【11月市議会】 総合振興計画、環境基本計画など
市の長期基本計画5件が上程された

★11月定例市議会に、10年間の久喜市の基本計画となる「総合振興計画」「地域福祉計画」「環境基本計画」「都市計画マスタープラン」「教育振興基本計画」が提案された。
こんなにたくさんの各分野の基本計画だが、審議時間は本会議で議案質疑1日、各委員会で1日だけだ。
果たしてどれだけ中身を深めることができるか、各議員の質疑にも注目!★

【久喜宮代衛生組合議会】ごみの最終処分はどうなっている?

 11月25日に開かれた久喜宮代衛生組合議会で、昨年度一般会計決算などの議案が可決されました。

 衛生組合と久喜市はごみの減量・リサイクルの推進、最終処分量の削減を進めています。
各自治体で出たごみは本来はその区域内で処分するのが原則ですが、久喜市内では最終処分場が確保できていません。
そのため衛生組合ではできるだけ埋め立てを減らす処分方法を拡大しています。

 昨年1年間で3清掃センターから6125tもの最終処分量が発生しました。
その内、焼却灰や煤塵(ばいじん)はすべて民間企業に委託して有害物質が漏出しないように処理をし、路盤材や建築資材、セメント原料に利用しました。
廃プラスチックはスラグ化して路盤材に、ガラスくずも路盤材などに活用しています。
その結果、約5000tを資源化し、再利用ができない残渣1125tを、寄居町の埼玉県環境整備センターや群馬県草津町の民間最終処分場に埋め立てました。
資源化や埋め立て等の処分費用に2億3105万円を支出しました。
合併当時は約3000tもの焼却灰や残渣などを各地の最終処分場に搬出して埋め立てていましたが、10年間で約3分の1にまで減らすことができました。

昨年のごみの最終処分
処分量 処理費用
 《久喜宮代清掃センター》   
*太平洋セメント(熊谷市) 焼却灰 670t 1937万
*ツネイシカムテック(寄居町) 焼却灰 926t 2739万
*メルテック(小山市) 焼却灰 625t 2611万
ばいじん 533t 2992万
*ガラスリソーシング(銚子市) 資源異物等 142t 468万
■ウィズウェイストジャパン(草津町) 資源異物等 48t 157万
■埼玉県環境整備センター(寄居町) 破砕残渣 320t 734万
■親和企業(北茨城市) 汚泥 50m3 256万
《菖蒲清掃センター》
*ツネイシカムテック(寄居町) 焼却灰 614t 2039万
ばいじん 183t 912万
*エコ計画(寄居町) 廃プラスチック 12t 122万
*ガラスリソーシング(銚子市) 資源異物等 21t 69万
■ウィズウェイストジャパン(草津町) 資源異物等 7t 22万
■埼玉県環境整備センター(寄居町) 破砕残渣 114t 316万
《八甫清掃センター(栗橋・鷲宮地区)》
*太平洋セメント(熊谷市) 焼却灰 490t 1311万
ばいじん 784t 4907万
■埼玉県環境整備センター(寄居町) 破砕残渣 636t 1513万
最終処分の合計量
2021年度最終処分合計 6125t+ 50m3 2億3105万
2020年度最終処分合計 5756t+100m3 2億2626万
2019年度最終処分合計 6017t+ 78m3 2億2455万

【リサイクル・再利用】
 *太平洋セメント…焼却灰や煤塵をセメント原料に利用
 *エコ計画…廃プラスチックを焼却して路盤材に活用
 *メルテック、ツネイシカムテックス…焼却灰等を建設骨材・路盤材にリサイクル
 *ガラスリソーシング…ガラスくずを路盤材等に活用
【最終処分・埋め立て】
 ■ウィズウェイスト…資源異物を埋立て
 ■埼玉県環境整備センター…破砕残渣を埋立て
 ■親和企業…し尿汚泥を脱水して埋立て


【久喜宮代衛生組合議会】 5年後に衛生組合解散 ごみ分別継続を

 新ごみ処理施設は来年秋に着工して2027年に稼働の計画です。
それに先行して2024年度からはごみの収集事務を久喜市と宮代町に移管して、衛生組合は収集したごみ処理だけを行います。
27年度には衛生組合を解散して、久喜市単独でごみ処理事業を行い、宮代町のごみは委託を受けて久喜市が処理することになります。

 今後、衛生組合が推進してきた《ごみの減量、分別・資源化》の基本方針を、久喜市がどのように引き継いでいくのでしょうか。
すでにこれまでのプラスチック分別・資源化の事業は廃止して焼却してしまう方針が決定されてしまいましたが、これ以上のごみ分別・資源化の後退は許されません。

 27年度以降に久喜宮代清掃センターの施設の解体工事が始まります。久喜宮代清掃センターの1号焼却炉は1975年に稼働しましたが、ごみ処理事業は63年から行われてきています。
当時のごみ処理の実態がよくわからず、施設を解体する前に有害物質などの地下埋設物の調査が必要です。
宮代町との協議の結果、施設の解体工事は久喜市が責任を持つことになり、市では2年程度で完了させたいと言っていますが、調査の結果によってはどうなるか…。








久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 641号
2022年 11月14日


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久喜市の人口「50年後に10万人」?

 11月定例市議会に「第2次久喜市総合振興計画・基本計画」が提案される予定です。
これは2032年を目標年次とした久喜市の将来像と10年間の行政の取り組みを定める計画で、「基本計画」は前半5年間の中期計画です。

 総合振興計画の基礎となる「人口ビジョン」も公表されました。
日本は人口減少時代に入っていますから、久喜市も例外ではありません。
久喜市の人口の将来推計は、
【A 推計人口】現状のまま推移した場合は2020年の15万582人から、30年には14万1334人(▲6.1%)、50年後の2070年には7万8590人(▲47.8%)へと大幅に減少すると見込んでいます。
転出入では転入超過で推移すると見通しているものの、合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数)が“1.133”ときわめて低く推移(R2年埼玉県1.27、全国1.33)すると分析しています。

 これに対し、【B 将来展望】では2030年に14万2920人(▲5.1%)、2070年には10万711人(▲33.1%)で「現状のまま推移」のケースよりも減少幅が大幅に縮小するという見通しを掲げています。
全年代で転入が大幅に増加すると想定し、さらに合計特殊出生率を2060年には“1.8”まで上昇すると見込んでいます。
しかしこの出生率はまったく現実的ではない上、転出よりも転入増が続くという見込みも楽観的すぎるのではないでしょうか。
人口推計を過大に見積もった場合、将来の学校や保育園の配置、長期的なごみ処理計画、ひいては税や財政計画などにも大きな影響が出てくるおそれがあります。

 人口の減少を少しでも抑制するためには、安心して子どもを産み育てられるような子育て支援政策を作っていかなければなりません。

 【A】推計人口 20年比 【B】将来展望 20年比
2020年 15万0582人 15万0582人  
2030年 14万1334人 ▲6.1% 14万2920人 ▲5.1%
2040年 12万6798人 ▲15.8% 13万1895人 ▲12.4%
2050年 11万1230人 ▲26.1% 12万1239人 ▲19.5%
2060年 9万5116人 ▲36.8% 11万0768人 ▲26.4%
2070年 7万8590人 ▲47.8% 10万0711人 ▲33.1%


【10月臨時市議会】 学校給食費、無償化継続を提言しました


  生活支援の緊急給付金や、11月~3月までの学校給食費を無償化する補正予算を可決しました。

 県内では滑川町など5町が給食費完全無償化を実現している他、多くの市で負担軽減策を実施しています。
久喜市が来年度以降も無償を継続することと、保育園の給食も無償化するよう提言しました。

【衛生組合議会】  ごみ収集作業の改善を求める

 10月27日に久喜宮代衛生組合議会が開かれました。

 私は一般質問で、ごみ収集委託業者の収集方法の問題を指摘しました。
住宅地の中の生活道路で道の中央に止めて市民の車が通れなかったり、作業員が道路のまん中にごみ袋を投げ出したりといった“荒っぽい”収集方法が見られます。
早く回収して作業を終わらせたいので、効率優先で行っているようですが、ごみ回収作業で住民に迷惑をかけてはいけません。
委託事業者に指導するよう求めました。

 またごみ回収業者は、単にごみを収集するだけでなく、衛生組合のごみ減量政策を推進する役割も担っています。
ごみ収集作業で、ごみの分別ができていない場合には『○○が混入しているので収集できません』というシールを貼って、再分別のお願いをするよう委託仕様書に明記されています。
しかし実際には早く回収を終わらせたいので、十分に確認せずに分別が不徹底でも回収してきてしまうケースもあるようです。
委託事業者や作業員への研修を強化するとともに、事業者からの報告書の提出も求めました。

★6月、9月、11月臨時会議を通じて、4月に当選した新人議員が、いまだに1人も1回も議案に対する質疑を行っていないのはどういうわけか。
新人の内こそ、何を質疑しても許されるはずなんだが…。★

鷲宮に「義務教育学校」を開校へ

 鷲宮地区の上内小学校は児童数が50人を下回ったため、今年から“休校”として、鷲宮小学校に通学しています。
教育委員会では、2026年に上内小と鷲宮小、鷲宮西中の3校を統合して、小中一貫の「義務教育学校」として開校する方針を決定しました。

 鷲宮西中学校の現在の校舎を活用するとともに、小学1~4年生が入るための教室を増築する計画です。
24年度に校舎の増築と体育館の改修工事を予定しています。

市がコロナ感染状況の公表をやめた!

 新型コロナ感染症の発生以来、久喜市はホームページで、新型コロナ感染者の毎日の発生状況や患者数などを公表して、市民に感染予防を呼びかけてきました。
ところが9月26日以降、感染状況の更新が完全にストップしています。
理由は国によるコロナ対策の変更で、「全数把握の見直しにより、発生届の対象が限定されることになった」ので、今後は市民に知らせる必要はないと判断したようです。

 しかし県のホームページでは「陽性者数の把握方法が変わった」ことを明記した上で、感染者数の公表を続けていて、加須市などではこの情報を元にして10月以降も毎日の感染状況を公表しています。
久喜市では10月以降も毎日数10人単位で感染者が発生しており、11月に入ってから増加傾向が続いています。
市内での新型コロナの感染状況に関する情報を市民にていねいに提供するべきではないでしょうか。
下表は久喜市の陽性者数の推移です(県のホームページから猪股が集計しました)。

10月からの市内陽性者の状況   単位:人
陽性者数 陽性者数 陽性者数
10月1日 35 10月14日 26 10月27日 32
2日 34 15日 17 28日 25
3日 27 16日 36 29日 31
4日 19 17日 25 30日 36
5日 25 18日 12 31日 41
6日 26 19日 18 11月1日 20
7日 33 20日 25 2日 35
8日 35 21日 30 3日 61
9日 22 22日 26 4日 65
10日 18 23日 27 5日 41
11日 18 24日 25 6日 47
12日 12 25日 19 7日 73
13日 17 26日 31 8日 45

健康保険証をなくすなんてできる?

 久喜市のマイナンバーカードの交付は9月末現在で、6万8328人(45.1%)にとどまっています。
マイナカードを使った証明書等のコンビニ交付も1年間で1万4780件(10%)にすぎませんでした。

 2016年に開始されて6年経って、全国の普及率はやっと50%です。
最終的なねらいは銀行口座と紐付(ひもづ)けして国民の所得を把握することですが、このままではとうてい機能しません。
政府は国民すべてにカードを持たせようと、2024年に現行の健康保険証を廃止し、マイナカードと一体化して義務化する方針を発表しましたが、本当にできるでしょうか。

 マイナンバー法16条の2には「住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係る個人番号カードを発行する」と規定しています。
カードの申請は任意で、義務ではありません。
また国民健康保険法は5条「都道府県の区域内に住所を有する者は(中略)国民健康保険の被保険者とする」、9条「世帯主は(中略)市町村に対し、その世帯に属する全ての被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる」と規定しています。
したがって市は被保険者証の交付を求められたら交付しなければなりません。
政府はこれらの法改正を強行するつもりでしょうか。

“マイナ+保険証”問題がいっぱい

 マイナカードと健康保険証を一体化した場合-
◆子どものマイナカードを保護者が代理で申請するのか? 写真や暗証番号をどうする?
◆企業等の健康保険組合の事務はどうなる? 会社を変わったら健保組合とカード内容の両方の変更手続きもしないとならなくなる?
◆マイナ保険証を普段から持ち歩くのか? カードを紛失したら再発行に1か月以上かかるが、その間、保険診療はどうなるのか?

 医療機関のカードリーダーはまだ33%しか設置されていないので、マイナ保険証は使えません。
停電や機械が故障したら保険証が読み取れないので、災害対策の一環として導入されたはずなのに、災害時に使えないなんてことにもなりかねません。

 法改正もしないで、保険証と一体化してカードを義務化するという宣伝だけを先行させるのは、国民に対する脅し以外の何ものでもありません。

★マイナカードと保険証の一体化について、10月24 日には岸田首相が『(マイナカードを持たない人も)保険料を納めていれば保険診療を受けられる制度を用意する』と答弁しました。
あたりまえのことです。★