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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』611号
2021年 5月 24日


611号PDFファイル

 『声と眼』
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4月、久喜市の保育所 “待機児童”125名

 今年度の保育園、認定こども園などの保育を行う施設の定員は2962人で、昨年より約300人の拡大となりました。
 新規の入所申込者数は前年度とほぼ同じで、「入所保留者数」=待機児童は125人で、約30人減少しました。

 厚労省の基準では、子どもが預けられないので仕事が決められないでいる人は『求職活動をしていない』とみなされたり、保育園の決定通知が来ても職場と反対方向だったり、遠くて通えないなどの理由で辞退した人などは、待機児童の集計から除外されます。
 これは待機児童の実態を小さく見せかけるものですが、この厚労省の基準による集計で、はじめて「待機児童=0」となりました。

 しかし実際には、「入所保留者」の他にも、入所の条件に見たなかったりして申請を取り下げた人が「39人」もいます。
 これを合わせると、入所を希望して申請書を出した内の160人以上の子どもたちが、入れなかったことになります。
 今年度は栗原地区に「きららの杜保育園(定数106人」と、「きららの杜 久喜小規模保育園(定数19人)」が開設されましたが、引き続いて保育園の開設を進めていかなければ、また待機児童が増えていくことになりかねません。

  2021年度   2020年度   2019年度  2018年度
新規入園申込者数 775人 774人  889人  795人
   内、新規入園決定者数 611人 563人  661人 636人
取り下げ者数 39人 53人  92人 70人
入所保留者数
(実質的な待機児童)
125人 158人  136人 89人
 0歳児 15人
1歳児 47人
2歳児 24人
3歳児 14人
4歳児 15人
5歳児 10人
 0歳児 14人
1歳児 60人
2歳児 37人
3歳児 24人
4歳児 16人
5歳児  7人
 0歳児 18人
1歳児 53人
2歳児 30人
3歳児 25人
4歳児  6人
5歳児  6人
0歳児  8人
1歳児 38人
2歳児 30人
3歳児  8人
4歳児  3人
5歳児  2人






厚労省の基準による
「待機児童」数
0人 40人  22人 23人
  1歳児 20人
2歳児  3人
求職活動をしていないと
みなされた
10人 17人  37人 17人
遠いなどの理由で
入園を辞退した
48人 58人  50人 26人
転園を希望したが
かなえられなかった
33人 26人  27人 23人
育児休業延長 34人 17人

高齢者4万8700人 ワクチン接種開始

 久喜市では85歳以上の高齢者7000人に、4月26日にワクチン接種券を発送し、5月10日から予約受け付けをスタートしました。
ネットでは比較的取りやすかったようですが、電話は何十回かけてもつながらない状態になって、多くの市民はもうムリだと思ってあきらめてしまいました。
その結果、16~29日の予約枠3196人に対して、10日の夕方までに予約が入ったのは約2200人だけで、1000人分が残ってしまいました。
全部の予約枠が埋まったのは1週間後でした。市は予約枠が残っていることを、あらゆる手段で市民に知らせるべきではなかったでしょうか。
【その後も新たに予約枠の拡大がされています。】⇒5月中の予約枠が288人分追加されました。

 17日には75歳以上の1万7000人に接種券が発送されました。25日から6月前半(約3000人)分の予約、6月1日には後半分の予約受け付けも開始されます。
【一部のスケジュールを変更】⇒75歳以上の方の25日からの予約で6月中全部を受け付けます。
しかし6月中の集団接種の予約枠は最大でも1万人分くらいにとどまるので、いっそうの混雑が予想されます。
予約枠が残っているかどうか、市のホームページなどで確認する必要があります。

 65歳以上の2万4700人に対しては、31日に接種券を発送し、6月15日に予約受け付けが始まります。

 病院や診療所などでの個別接種は6月20日からスタートし、市では基本的に集団接種から個別接種へと切り替えていく方針です。
個別接種の予約もすべてコールセンターで6月1日から受け付けますが、それぞれの診療所などの接種可能人数や接種日時はまだ明らかにされていません。

高齢者ワクチン 7月中に完了は不透明

 国は高齢者のワクチン接種をすべて7月中に完了する方針を表明したものの、本当に全国の自治体で高齢者の接種を7月中に終えることができるかどうかは、まったくの不透明です。
政府の計画通りなら、久喜市の高齢者4万8700人分のワクチンが7月までに届きます。
しかし6月までに集団接種できるのは最大でも1万人程度の見通しですから、残りを7月までに終わらせるのはきわめて困難です。
久喜市の接種体制の拡充が急務です。

 なお、65歳未満の市民はさらに遅れて、6月29日に接種券を発送し、7月13日から基礎疾患のある方を優先して予約を受け付けます。

★久喜市のワクチン接種初日の5月16日の予約420人の内、5人が接種できず、会場の医療従事者で未接種者に接種した。
久喜市では「キャンセル待ち待機者」募集には応募がなかったというが、なぜだろう。★

低所得の子育て世帯に対する支援給付金
『声と眼』611号 2021/5/23

 コロナ禍の生活困窮を支援するため、低所得の子育て世帯に対する「特別給付金」の支給が決まっています。
まず3月30日に市議会で可決された一般会計補正予算で、低所得のひとり親の児童手当受給世帯(806世帯、1239人)に対して、児童1人あたり一律5万円の給付金1億2000万円の支給が決まり、すでに5月までに支給が完了しています。

 その後、それ以外のふたり親などの子育て世帯に対する特別給付金の枠組みが公表されました。6月市議会に補正予算が提案される予定です。
対象世帯は、
(1)児童手当を受給していて、住民税均等割非課税世帯(約600世帯)に対しては、6月中に市からお知らせが郵送され、7月に支給される見通しです。
(2)その他、「新型コロナの影響を受けて家計が急変し、住民税均等割が非課税の世帯と同様の事情にあると認められる世帯」(推計約900世帯)に対しては、7月に申請を受けてから支給を決定することになります。

青梅市議会の「通年議会制度」を視察

 4月15日、「久喜市議会通年議会検討委員会」で青梅市議会の通年議会制度導入の経過と成果について研修視察に行ってきました。

 久喜市議会は「通年議会」制度の導入へ向けて、昨年10月に「通年議会検討委員会」を設置し、これまでに5回の審議を行っています。

 市議会は現在は年4回の定例議会を開催して、1会期ごとに議案審査や一般質問、調査活動を行っています。
定例議会が閉会した後に災害対策などで緊急の対応が必要な場合には、あらためて臨時議会を招集しなければなりません。
委員会で政策の勉強会や調査活動を行う場合にも、あらかじめ予定していなければ開くことができない規程になっています。

 これに対して「通年議会」制度は、1年間を通して1会期とし、いつでも議会が開いている状態です。
災害や緊急に対応が必要な場合には、すぐに「臨時の会議」を開けます。
また事前に本会議の許可を取っておかなくても、委員会で調査活動を行う必要があるときにはいつでも委員会を開くことができます。

 関東近県では、東京都のあきる野市議会、青梅市議会、神奈川県厚木市議会、茨城県常総市議会、守谷市議会など、通年議会制度を導入する市議会が増えてきています。
コロナ禍で、昨年から議会の研修視察も自粛してきましたが、今回は特に青梅市議会に依頼して視察を実施しました。

 青梅市議会では議会活性化の一環として、2015年2月市議会で条例を改正して通年議会制に移行しました。
会期は毎年5月に開会して翌年4月に閉会しますが、その間、年4回の「定例会議」を行い、一般質問や議案質疑は久喜市議会と同様に実施しています。
2020年度も会期は年間を通して1回でしたが、定例会議の他に7、10、1月に議会主導で臨時の会議を開き、コロナ対策を審議してきたと言います。
定例会議以外にも委員会を柔軟に開催して、年間10回以上の調査活動や視察を実施していました。

 久喜市でも昨年来、新型コロナ対策で医療機関や市民生活支援のために、条例改正や補正予算が実施されていますが、臨時議会を開かずに、ほとんどの議案を市長の専決処分で決定し、次の定例議会で事後承認をしてきました。
通年議会制度を導入していれば、必要に応じて議会と市長が協議して臨時議会を開いて、もっと機動的にコロナ対策を審議することができたと考えられます。
久喜市議会でも早期に通年議会制度の導入を進めるべきだと考えます。


コロナ感染し、1週間のホテル療養

 私は4月23日にPCR検査を受けて24日に陽性が判明し、幸手保健所の指示により1週間のホテル療養をしました。
私への感染経路は完全にわかっていて、発熱はなし、症状は咳程度でごく軽度ですみ、5月3日に医師の許可を得て退所・復帰しました。
私からの濃厚接触者や感染拡大もありませんでした。

保健所指定のホテルでの隔離生活では、まったく人に会えない代わりに、費用の心配もなく食事や日常生活用品は支給され、1週間を本や資料を読んだり原稿を書いたりして安心して過ごすことができました。
困ったのは運動できないことくらいでした。

 私はほとんど症状もなく過ごしましたが、もしも発熱などの症状がある方だったら、軽度と言ってもホテルで医療も受けられずに隔離生活を送るのはどんなに不安だろうと思います。
そのような場合の精神的・医療的ケアはどうなっているのでしょうか。

★感染しても軽度で自宅療養の場合、希望すれば保健所から1週間分の食料品は支給されますが、医療にもかかれず、人にも会えずに1週間を過ごさなければなりません。どのようにフォローしているのでしょうか。★








久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』610号
2021年 5月 10日


610号PDFファイル

 『声と眼』
バックナンバー

2021年 5月
20 9:00 代表者会議 傍聴できます
 27 9:00    議会運営委員会 傍聴できます
2021年 6月
3 9:00 【本会議】  開会、議案の上程、提案理由の説明 傍聴できます
10 9:00 【本会議】  一般質問(1) 傍聴できます
11 9:00 【本会議】  一般質問(2) 傍聴できます
15 9:00 【本会議】  一般質問(3) 傍聴できます
16 9:00 【本会議】  一般質問(4) 傍聴できます
18 9:00 【本会議】  議案質疑 傍聴できます
21 9:00 委員会 総務財政市民常任委員会 傍聴できます
22 9:00 委員会 福祉健康常任委員会 傍聴できます
23 9:00 委員会 建設上下水道常任委員会 傍聴できます
24 9:00 委員会 教育環境常任委員会 傍聴できます
30 9:00 【本会議】  委員会の審査報告、討論、採決 傍聴できます


久喜市も2050年CO2排出ゼロ宣言

  4月22日、市のホームページに市長の「ゼロカーボンシティ宣言」が掲載されました。
昨年から市議会で何度も「気候非常事態宣言」「CO2排出ゼロ」を表明するよう求めてきました。
市長はずっと判断を先送りしていましたが、2月議会の施政方針演説で『2050年に久喜市のCO2排出量実質ゼロをめざす』と表明しました。
国会での管首相のゼロカーボン表明を受けて、ようやく久喜市としての決断に至りました。

 2050年「ゼロ」実現のためには、環境基本計画でこれまで2030年のCO2排出量削減目標を28%としていたのを、大幅に引き上げる必要があります。
また全公共施設への太陽光発電設置、再生可能エネルギーの導入、市内住宅への省エネ・リフォームの促進など、環境政策の転換も求めていきます。


 久喜市議会 全議員の発言回数等の調査

議員が賛成討論で、執行部が書いた原稿を読んでいた!?

 議員の最も大切な仕事は議会での発言です。
(1)一般質問は各々の問題意識で質問や政策提言を行います。
(2)議案質疑は予算や条例案の問題点を指摘したり改善を求めます。
(3)討論は採決に当たって議案の評価と賛成・反対の理由を述べます。
一般質問は何を聞いても良いので比較的活発ですが、議案質疑や討論は低調です。

 市の公文書館で、《執行部が作成して議員に提供した賛成討論の原稿》を情報公開請求したところ、2月市議会の一般会計、国保会計、介護保険会計、水道事業会計、下水道事業会計の5議案の「賛成討論」原稿を市職員が書いていたことがわかりました。

 これらは3月17日の本会議で新政久喜の6人が各予算案の賛成討論を行った内の、5人の討論の文章とほぼ完全に一致しました。
議会で議員が議案の評価を述べる討論で、執行部に作ってもらった原稿を読むだけだとしたら、何のための議案審査でしょう。

★以前から、与党の皆さんの議案の賛成討論は執行部に書いてもらっているというウワサはあった。
半信半疑で情報公開請求してみたら本当に出てきた。
議員としてこんな恥ずかしいことはやめてほしい。★



コロナウイルス感染者 年間594人

 久喜市内の新型コロナウイルス感染者は3月までに594人、4月末には682人になりました。
第1波5人、2波の感染者55人から、3波(11~3月)で534人と急増しています。
第2波までは外出先で感染する割合が高かったのですが、3波からは家族や勤務先、施設等での感染が増えています。

 3月末までの1年間の集計で、感染源不明は180人、感染経路がわかっているのは414人です。
家族内の感染が138人(23%)、勤務先での感染が90人(15%)で、その内の70人は医療機関、高齢者や障害者の施設職員などのエッセンシャルワーカーの方々です。
高齢者や障害者の入所・通所施設、入院先での感染者が101人(17%)で、これらの施設等の従事者と利用者を合わせると約170人(29%)にのぼり、これらの施設等でのクラスターが大きな割合を占めています。
久喜市では勤務先や利用施設等と家族間の感染がおもな感染経路になっています。
「感染源不明」はずっと30%程度にとどまっており、市内での市中感染が広がっているという状況ではありません。

 年代別の割合はあまり変化はありません。
子どもの感染者が増えていますが、子ども同士の感染ではなく家族内で大人からの感染が多いと推測されます。


生活保護世帯数が増加 過去最大に
『声と眼』610号 2021/5/15

 コロナ禍で、倒産や失業、休業が拡大し、生活保護世帯が急増するのではないかと心配されていました。
昨年2月から4月にかけて相談、申請件数が増加したものの、7月くらいまでは生活保護世帯もほぼ前年度とあまり変わらずに推移していました。

 これは、国民すべてへの一律1人10万円の特例給付金や、社会福祉協議会の生活資金特例貸付や住居確保給付金支給を受けて、多くの世帯では生活保護の一歩手前のところで、何とか生活を維持してきたとみられます。
しかし年度後半に入ってからは生活保護の相談件数、申請件数が増加傾向に転じています。
その結果、今年3月には生活保護受給世帯数は1336世帯で過去最大に達しました。
久喜市の生活保護の相談、申請、開始
受給世帯数・人数の推移
1年間の合計件数 年度末の実数
年度 相談件数 申請件数 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2020 521件 241件 178件 1336世帯 1765人
2019 479 201 154 1316 1775
2018 568 242 191 1321 1819
2017 527 236 189 1275 1773
2016 513 239 186 1215 1710
2015 463 217 182 1167 1671
2014 488 214 181 1100 1655

 久喜市の生活保護は、国の抑制政策の影響で2年前から微減傾向にありました。
しかしこのまま景気後退と失業率が回復しなければ、まもなく世帯数、人員とも過去最大を更新するのは必至です。

 社会福祉協議会で実施している「生活困窮者自立支援事業」も、昨年から相談者が増え続けています。
今年3月だけで358件、1年間で2316人が相談に訪れ、生活資金の特例貸し付けは1827件、返済の必要がない住居確保給付金の支給は205件にのぼっています。
社協に相談に訪れた方々の中で、生活が保護で対応するのが適切と判断されたケースも20件近くに達しました。

★私は4月下旬にPCR検査陽性と判定。
発熱はなく、濃厚接触者もなし、保健所の指示によるホテル療養を経て、5月3日に医師の許可を得て復帰しました。
貴重な経験を今後の政策提言につなげていきます。★